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2020.8.6

サンクコストのワナとは

ロルフ・ドベリ氏の心に響く言葉より…

ある会社のマーケティング会議でのこと。

広告キャンペーンはすでに4ヵ月前から続いている。

だが、ちっとも成果が上がらない。

売上は目標をはるかに下回っている。

わたしはこのキャンペーンをすぐに中止するように提案した。

ところが、宣伝部長は拒んだ。

「このキャンペーンにはすでに多額を投資してきた。ここでやめてしまったら、すべてが無駄になってしまう」。

彼も「サンクコストのワナ」の犠牲者である。

「サンクコスト」(sunk cost)とは、もはや回収できない費用のことを言う。

「埋没費用」とも呼ばれている。

ある友人は、浮気性の女性との交際に苦労していた。

彼女は浮気をくり返し、彼が現場を押さえるたびに、彼女は彼の元に戻り、許しを請い、そして許される。

彼はそんな彼女と別れられない。

どうしてそんな関係をいつまでも続けているのか?と本人にたずねると、こう説明してくれた。

「ぼくは彼女とつき合うために、時間もお金もエネルギーもたくさん費やしてきた。だから、今、彼女と別れるのは間違っているような気がするんだ」。

「サンクコストのワナ」にハマった典型的な例だ。

プライベートでもビジネスでも、ひとつひとつの決定は、常に不安定な状況で下される。

頭で思い描いていることは、実現するかもしれないし、しないかもしれない。

だが、いつだって、その気になれば、自分で選んだ道から外れることができる。

たとえば、続けてきたプロジェクトを中断し、その結果を受け入れることもできるのだ。

不安定な状況であればあるほど、そうした選択は合理的な行動である。

だが、「サンクコストのワナ」は“多大な”時間やお金やエネルギーや愛情を注ぎこむ場面で手ぐすねを引いている。

客観的に見れば、それまでにつぎこまれた資金がもはや何の意味もなさないときでさえ、多大な出費をしたことがそのプロジェクトを継続する理由になってしまう。

投資(時間、労力、資材、資金など)が多くなればなるほど、つまり「サンクコスト」が大きくなればなるほど、プロジェクトを続けたいという欲求が高まるのだ。

株に投資する人も、しばしば「サンクコストのワナ」の犠牲者になる。

持ち株を売却するタイミングを、購入価格をもとに決定することが多いからだ。

株価が購入価格を上回っているときには売るが、下回っているときには売らない。

だが、これは決して理性的な行動ではない。

購入価格を重視してはならない。

大事なのは、手持ちの株の価格がこれからどのように推移するか(さらに、今後の投資先の相場の推移がどうなるか)という見通しだ。

誰もが、判断を誤る可能性はあるのだ。

投資家は、失った金額が大きくなればなるほど、ますますその株を手放そうとしなくなる。

私たちは、どうしてこのように愚かな行動をとってしまうのだろうか?

それは、わたしたちはみんな、「矛盾のない状況」をつくり出そうと努力するからだ。

「一貫性をもたせる」ことでもっともらしく見せようとする。

「矛盾が嫌い」なのである。

ところが、プロジェクトを途中で打ち切ると、矛盾が生じ、これまでしてきたことが間違っていたと認めることになる。

反対に、意味のないプロジェクトをこのまま続ければ、手痛い結果が現実となる日を先送りできる。

そうすれば、先送りされた分だけ長く、自分たちの考えには矛盾がないと思っていられるというわけだ。

『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』サンマーク出版


本書の中に旅客機のコンコルドのことが書いてある。

『かつて実行された、イギリスとフランスの共同プロジェクト、コンコルドの開発は、このワナの典型的な例である。

実は両国とも、「超音速旅客機は決して採算がとれない」という事実に、かなり早い時期に気づいていた。

それなのに巨額な資金が投入され続けた。

国の面目を保つだけのために。

開発の断念は負けを意味していたのだろう。

「サンクコストのワナ」は、しばしば「コンコルドの誤謬(ごびゅう)」とも呼ばれている。

このワナにハマると、費用がかさむばかりでなく、決定的な失敗に陥ることもある。

ベトナム戦争が長引いたのも、まさしくこれが原因である。

「我々はこの戦争で大勢の戦士の命を犠牲にしてきた。だから、ここで戦争をやめるのは誤りである」

そう考えたのである。

「もうすでにこんな遠くまで来てしまったから…」

「この本をこんなに読んでしまったから…」

「この研究にもう2年も打ちこんでいるから…」

こういった言葉を手がかりにすれば、自分の頭の片隅に「サンクコストのワナ」が牙をむいているかどうかを見極めることができるだろう。

何かに時間やお金を投資し続ける理由は、いくらでもある。

だが、間違っている理由が1つある。

すでにつぎこんだものを重視する「もったいないから」という理由だ。

ふくれあがった費用や損失を無視してこそ、合理的な決断ができる。

これまでに何をどれだけ費やしていようが、現実の状況と今後の見通しだけに目を向けるべきなのだ。』

サンクコストの「サンク」とは「沈む」という意味で、沈んでしまって取り返すことができない状態のことを言い、「埋没費用」ともいう。

「見切り千両」とは、相場の格言のひとつだ。

含み損のある株はなかなか手放すことができない。

だが、反転を期待して持ち続けるのではなく、損切して手放してしまえ、ということ。

これは、人の行動にも言えることで、今まで費やしてきた時間やお金が大きければ大きいほど、現状を維持しようとする意識が働く。

どの時点で損切りできるか、その決断が早ければ早いほど、優秀な経営者ということができる。

大きく世の中が変わる今、ますます「見切り力」が問われる。

見切り力を身につけたい。



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