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2020.6.12

魅力とは何か

城山三郎氏の心に響く言葉より…

魅力とは何か、非常に定義しにくい言葉です。

けれども逆に、《魅力がない》とは何かを考えてみると、こちらはわかりやすいですね。

魅力のない人とはどういう人か、みなさんの周りを見回しても割に多いんじゃないですか?

つまり、型にはまった人ですね。

これは魅力がない。

周りに大勢いるということは、人間はつい、すぐに型にはまった暮しをしてしまうのです。

あるいは、型にはまった人間になってしまうのです。

型にはまる、というのを《椅子(いす)》と置き換えてもいいでしょう。

日本の会社をのぞいてみますと、平社員だと小さな机に座っている。

係長になると少し大きくなって、課長になるともっと大きくなる。

社長になるとものすごく大きな机に座る。

態度も椅子に比例してだんだん大きくなっていきます。

平社員のうちは小さくなっているけれども、机が大きくなるにつれて尊大になってきて、社長になるとふんぞり返っている。

こういう人間は詰まらない。

椅子に支配されたり、椅子をかさにきたり、椅子に引きずられたり、そんな人間がいちばん魅力がありませんね。

とすると、椅子の力とは全く関係なしに生きている人間ほど魅力的だ、と言えるかもしれません。

比喩(ひゆ)的に《椅子》と言いましたが、しかし、自分の置かれた立場に対して賢明に生きている人間も、これはこれで魅力的なのです。

昔、車掌がいた時代は、春にバスに乗るのが好きでした。

新米の車掌さんが一生懸命やっていて、時には間違えたりもして、赤くなったりおどおどしたりもしながら、なおひたむきに働いている。

非常に初々(ういうい)しくて、目にも耳にも心地よく、乗客のサービスになっていると思うくらいでした。

とにかく自分は新人なのだから、必死で頑張らなくちゃいけないと懸命になっている。

これが5年経ち、10年経つと、かなりいい加減になってきて、間違えても平気な顔をして、という具合になってきます。

つまり、魅力を作っているのは《初心》というものなのですね。

仕事に対してだけでなく、生きていく姿勢としての初心、初々しさ、というものはいくつになっても大事なんじゃないか。

初心を持ち続けるとは、どういうことでしょう。

あるいは、ずっと初々しくある、とはどういうことでしょう。

これは、自分に安住せず、自分というものを無にして、人から受信し、吸収しようとする生き方です。

逆に、政治家にそういうタイプが多いのですが、発信機能だけが肥大して発達し、受信機は故障している人がいます。

とにかくしゃべることはものすごくしゃべるけれど、人の言うことを全然聞かないというタイプ、あれも魅力がありませんね。

もちろん発信もしなくてはいけないけれど、同時に受信する能力も長(た)けていないといけない。

今ある自分に安住しない。

それが初心というものにつながっていく。

『少しだけ、無理をして生きる (新潮文庫)』


「是非の初心忘るべからず。

時々の初心忘るべからず。

老後の初心忘るべからず。」(花鏡・かきょう)

と言ったのは、600年前に能を大成した世阿弥(ぜあみ)。

「是非の初心」とは、未熟だったときの芸を忘れない、ということ。

「時々の初心」とは、その年齢、その段階では初心者であり、そのことを忘れない、ということ。

「老後の初心」とは、老年になっても初めて経験する芸もあり、そこにも初心がある。年を重ねたからと言って慢心してはいけない。

つまり、いくつになっても、その年齢やその段階での初心がある。

初々しい心は、初心ということでもあるが、「初々しさ」とは、素直さのことでもある。

松下幸之助翁は、「素直な心」をこう定義している。

『素直な心とは、寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であります。

また、静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心であります』

初心を忘れず、魅力ある人を目指したい。



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