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2020.6.2

思いがけない世界が広がる

立命館アジア太平洋大学(APU)学長、出口治明(はるあき)氏の心に響く言葉より…

ホモ・サピエンスの歴史のなかで、高齢者はその知識や経験が群れ全体の生存に役立つだけではなく、たとえばみんなが食べ物の狩りや採集に出払っている間に赤ちゃんの面倒を見るとか、留守番をするなどして、次世代の育成に役立ってきました。

こうした歴史的、生物学的な事実を踏まえると、高齢者がなぜ生きているのかといえば、次の世代のためというのがその答えになるでしょう。

高齢者は「次世代のために働くこと」に意味があり、次世代を健全に育成するために生かされていると考えるべきなのです。

そう考えると「保育園が近くにできるとうるさくて昼寝ができない」などと反対する高齢者は、自分が何のために生かされているのかという本分をわきまえない人というほかありません。

行政はそういう人のわがままを受け入れるのではなく、逆に「子供のいない山奥にでも行って一人で生活してください」と説得すべきです。

洋の東西を問わず、船が沈没する際に脱出する順番は子供、女性、男性、そして高齢者です。

なぜなら、その順番にしないと群れが死滅するからです。

高齢者より、将来を担う若者たちの優先順位を高くしなければいけないということは、昔からみんな、わかっていたのです。

ある大企業の人事担当役員と会食したときのことです。

「転勤をしたくないというわがままな写真が増えて困っています。これでは日本の将来が心配です」と語るので、僕は次のように反論しました。

「そういう考え方は歪んでいると思います。

企業命令でどこにでも自由に社員を転勤させられるという考え方は、2つのあり得ない前提を置いています。

一つはその社員が『飯・風呂・寝る』だけの生活をしており、地域や社会とのかかわりは一切ないという前提。

その社員はひょっとすると、週末は地域のサッカーチームで名コーチとして子供たちに慕われているかもしれません。

もう一つはパートナーが専業主婦(夫)で、転勤を命じたら黙ってついてくるという前提。

パートナーも仕事を持っていたり、地域とのつながりがあったりするでしょう。

だからグローバル企業では、転勤するのは希望者と経営者だけです」

しばらく下を向いていた彼は、再反論してきました。

「希望者だけ転勤させるようにしたら、札幌や福岡のような元気のある大都市にはみな手をあげますが、過疎地には行く人がいなくなってしまいます」と。

「希望者がいなければ現地採用すればいいだけの話です。過疎地にはあまり仕事がないので地元からは喜ばれるし、多様な背景を持った人材の採用にもつながるでしょう」。

そう返したら、彼は黙ってしまいました。

「企業が命令したら転勤するのが当たり前」というのは高度成長期のいびつな考え方を何も考えずにそのまま引きずっているものですが、少し自分の頭で考えれば、社員の地域との結びつきやパートナーの事情を一切考慮してない、人間性に反した慣行であることにすぐ気付くはずです。

転勤というシステムは、無意識に終身雇用を前提にしていて、企業にはいろいろな事業所があるので全部見せておいたほうが後々の仕事で役に立つだろうという漠然とした考えから行われています。

しかしいま、企業の寿命はどのくらいでしょうか。

この質問を大学生に投げかけると、長くて18年くらいという答えが多い。

仮にそのくらいだとすると、人生100年時代のキャリアとしては一生に3つから4つくらい企業を変わることになりますから、一つの企業のなかの、全国のいろいろな事業所などを、知る必要は全くありません。

それより、専門性をみがいたほうがはるかに役に立ちます。

出口治明氏はこう語る。

『偶然の出会いに任せることで、もしかすると自分の好きなことではない、無縁の分野と思っていた世界に新たな道が開けるかもしれません。

定年前はメーカーに勤務していた、文化的な教養とはまったく無縁のように見えた僕の友人がいます。

彼は友達に誘われて短歌の会に参加したところ、すっかり短歌に魅了されてしまいました。

いまではその短歌の会が出している機関誌の編集長を務め、「サラリーマン時代よりも忙しい」と嬉しそうに活動しています。

これはまさに適応の好例で、誰かに短歌の会に誘われたことが彼に前に現れた運でした。

だから大切なのは「人・本・旅」で、たくさんの人に会う、たくさんの本を読む、たくさんいろいろな現場へでかけていき、たくさんの出会いをつくることです。

すると、その中から運と適応により、思いがけない世界が広がるかもしれません。

「やったことがない」「行ったことがない」と未知の物事に門戸を閉ざすのではなく、やはり来るもの拒まず、去るものは追わず、で川の流れに自然体で流されて生きていくのが一番いいと思うのです。』

年齢を重ねれば重ねるほど、頭を柔らかくしないと、世の中の流れを止めてしまったり、若者の可能性を縮めてしまうブレーキとなってしまう可能性がある。

頭を柔らかくするには、出口氏のいう「人・本・旅」を多くするしかない。

新たな人と出会わなくなったり、新たな本を全く読まなくなったり、新しい場所へ行かなくなったとき、人は老いる。

これは、年配者だけではなく、若者、中年にも言えることだ。

興味と好奇心を持ち、自分の思いがけない世界を広げたい。



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