ご注文はこちらから

パクチーのサプリメント・パクチーエナジーゴールド(コリアンダーのサプリメント)
トップページ製品紹介特長・成分会社案内特商法に関する表記買い物カゴよくある質問人の心に灯をともす


2019.12.26

AI時代の「超」発想法

一橋大学名誉教授、野口悠紀雄氏の心に響く言葉より…

アイディアの価値が高まっています。

優れたアイディアを生み出した企業が事業を発展させ、経済を牽引しています。

その代表が、GAFAと呼ばれるアメリカの企業群です。

これは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのことです。

これらの企業は、いまアメリカ経済を牽引する中心的な存在となっています。

これらは、20年前には、ごく小さな企業でした。

これらの企業が急成長したのは、新しいアイディアを生み出して、新しいビジネスモデルを確立したからです。

グーグルの場合、きわめて優秀な検索エンジンを開発し、利用者が集まりました。

しかし、最初は、これを収益化する手段が見つかりませんでした。

利用料金を課せば、利用者は他の検索エンジンに移ってしまうでしょう。

そこで無料で検索サービスを提供したのですが、それでは収益はあがりません。

グーグルが検索エンジンから収益を得られるようになったのは、「検索連動型広告」という新しいタイプの広告を始め、しかも、それが効率的に機能するようなさまざまな仕掛けを考案したからです。

フェイスブックについても、同じことがいえます。

SNSサービスを通じて利用者の精細な個人データが得られるので、それを広告に結びつけるアイディアがあれば、巨額の広告料収入を得られました。

アイディアさえあれば、工場や販売店などの施設に特別の投資をしなくとも、巨額の収入をあげることが可能になったのです。

アップルは、ファブレス(工場なし)という新しい製造業のビジネスモデルを作りました。

製造過程を中国などの企業に任せ、自らは製品の開発と設計に特化したのです。

これによってきわめて高い利益率を実現しました。

アマゾンは、物流過程の効率化を進めるとともに、「購入者に関するデータを利用してリコメンデーション(お勧め)を行なう」という仕組みを作り、従来の書店では扱うことのできなかった販売点数が少ない書籍を扱うことに成功しました。

こうして、実店舗で販売する従来の流通業とは全く異なるビジネスモデルを確立したのです。

従来の経済活動においても、アイディアや発想は重要でした。

しかし、アイディアだけで巨額の収入をあげることはできませんでした。

アイディアが持つ潜在的な価値を現実のものにするためには、工場を新設したり、販売店を増設したり、大量の人員を雇ったりする必要があったのです。

現代の世界で、そうしたものが全く不要になったわけではありません。

ただし、つぎのような意味で、物理的な施設や人員の重要性が減少し、その半面でアイディアの重要性が増大したのです。

第一は、先進国における製造業の比重の低下です。

製造業では、巨大な生産設備の建設がどうしても必要です。

製造業は長い間先進国の経済の中心的な活動だったのですが、1990年頃以降、中国をはじめとする新興国の工業が進展し、安価な労働力が供給されるようになりました。

このため、従来は先進国で行われていた製造業活動の多くが新興国に移行したのです。

第二に、新しい情報技術の進展に伴い、情報やデータを用いて収益をあげる活動がさらに進展しています。

まず、AI教育・訓練にデータが用いられています。

これによって、従来は不可能と思われていたパターン認識などが可能になってきています。

この技術は、自動車の自動運転などに用いられ、世の中を大きく変えていくことになるでしょう。

もう一つの利用は「プロファイリング」と呼ばれるものです。

これは、ビッグデータによって対象者の性格を推定しようとするものです。

これによって、ターゲティング広告(検索連動型広告のように、対象を絞った広告)の性能の向上、信用度の測定、あるいは、選挙での利用などが進められています。

アイデアを出せる企業や人が、これからの社会を作っていくことになるでしょう。

このような大きな変化の中で、われわれがいかに仕事をし、生活していくべきかを考え、そのために新しいアイディアをつねに生み出していくことが求められています。

『AI時代の「超」発想法 (PHPビジネス新書)』


野口氏は、本書の中で、「アイディアを殺す組織」についてこう述べている。

『個人がいかに創造的であっても、属する組織が反発想症に冒されていると、能力は発揮されないままに終わります。

その典型は、官僚組織です。

先例主義、新しい試みの拒否、形式主義が蔓延する環境は、発想には最悪の環境です。

かつて役所で仕事をしていたときのこと、決裁を取りに行ったら、「局長の考えをまず聞いて来い」といわれたことがありました。

局長がイエスならイエスだというわけです。

また、日本の大企業の多く(とくに伝統的な産業の企業)は、官庁より官僚的です。

こうした組織が、創造的な日本人の潜在力をなんと無駄にしていることか。

これらのエネルギーが解放されたら、日本は大きく変わるでしょう。

問題は、個人の能力でなく、それを殺してしまう社会制度なのです。

組織の指導者や経営者の最も重要な仕事は、組織をこのような病から守ることです。』

多くの日本の組織において問題なのは、失敗が許されないことだ。

日本の官庁では、失敗や判断ミスはありえないことになっている。

だから、「とりあえず試行して、結果を見る。駄目なら修正する」という行動方式がとれないのだ、と野口氏はいう。

こうした環境では、試行錯誤はできず、絶対確実なことしか行われない。

これは、ジャーナリズムの責任も大きい。

アメリカでは、新しく生まれるベンチャー企業の8割は失敗すると言われている。

そして、日本では認められない敗者復活戦もある。

その結果、日本では、小さな失敗を認めないために、知らないうちに大きな失敗を犯してしまうという、笑えない現実がある。

失敗が許される組織、アイデアを生かす組織に…

AI時代、新たな「超」発想が求められている。



人の心に灯をともす 一覧へ戻る