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2019.12.12

フィンランドの教育はなぜ世界一なのか

岩竹美加子氏の心に響く言葉より…

フィンランドは、人口約550万人、北欧の地味な小国だが、2000年代以降、PISA(15歳児童の学習到達度国際比較)で、読解力や科学的リテラシーなどの他分野において1位を獲得し、世界一の教育と日本でも注目されるようになった。

私が体験したフィンランドの教育の良さは、何よりもそのシンプルさにある。

入学式や始業式、運動会などの学校行事がない。

授業時間は少なく、学力テストも受験も塾も偏差値もない。

統一テストは、高校卒業時だけだ。

服装や髪形に関する校則も制服もない。

部活も教員の長時間労働もない。

日本では、「学校、家庭、地域」と言うが、フィンランドには教育に関して地域という考えはなく、さまざまな連絡協議会、青少年育成委員会など、学校を取り巻く煩雑な組織がない。

そうしたシンプルな教育を支えるのは、徹底した教育無償化と平等、子どもの権利やウェルビーイング、子どもたち自身の教育への参加などの理念である。

ウェルビーイングは、日本では福祉と訳されることが多いが、フィンランドでは生きていく上での快適さ、満足感、充足感、安心、自信、健康など、幅広い意味を持つ。

学校がシンプルであることは、親にとってもストレスが少ない。

小学校では、教科書やノート、教材等も無償で支給される。

学級費やその他、諸費用はない。

給食も、保育園から高校まで無料である。

入学に際して、ランドセルや新しい服など高価な買い物は必要ない。

教科書や教材は学校に置いていくので、小さな子どもが、毎日重いカバンを背に通学する必要はない。

持ち物すべてに名前を書く必要もない。

学校と保護者の間の連絡や情報交換には、メールシステムが使われ、学校からの手紙やプリント類はほとんどない。

教育が無償であることに加え、国が17歳以上の人に給付型奨学金、学習ローン、家賃補助から成る学習支援を行う。

この中で返済の必要があるのは学習ローンだが、保証人は国なので、親や親戚が保証人になる必要はない。

フィンランドの教育が目指すものは、子ども一人ひとりが自分を発展させ、自分らしく成長していくことである。

それは、知識を習得したり、学力を高めたり、偏差値を上げたりすることではない。

いかに学ぶかを学ぶこと、創造的、批判的思考を身につけ、自分自身の考えを持つこと、アクティブで良識ある市民として成長することである。

そうした能力を持つ市民は、国家や権威を批判、抵抗することもあるだろう。

しかし、さまざまな議論が行われる事が、民主主義を持続、必要な修正を行いながら発展させていく基盤になる。

フィンランドに受験はなく、受験のための勉強もない。

中学卒業後は、高校と職業学校に進路が分かれ、普通、18歳で卒業する。

また、18歳で成人になり、大人として人生を出発していく。

卒業後、進学する場合は、大学と応用化学大学がある。

その2つの違いは、大学がより学問的、論理的なことを学ぶのに対し、応用科学大学はより実際的、実学的なことを学ぶことである。

面白いのは、高校卒業の方が、大学・応用科学大学入試より重要な出来事であることだ。

高校卒業の日は、親が親戚などを招いて、大きなパーティを開く。

それは成人し、そう遠くない将来、親元を離れて自立していくお祝いでもある。

フィンランドの教育は、平等を原則とする。

優良とされる学校や大学はあるが、その順位は、日本のように明確ではない。

また、出身校によるエリートと非エリートの区別はない。

どこの学校や大学を出たかよりも、何を学んだか、さらにどう生き、何をしていくかが重要になる。

フィンランドには学習義務はあるが、学校に行く義務はなく、自宅などで学ぶことができる。

学校に行かないことを決めるのは親や保護者で、行政から許可を得る必要はない。

ただし、小中学校教育の規定された学習量を満たすことは求められる。

また教科書や教材、学用品は無料では得られず、親・保護者が自分で調達する必要があるが、使用しなければならない教科書はない。

学校に行く義務はないが、学校まで遠い場合は「通学費の権利」が保障されている。

自宅から最も近い学校まで5キロ以上ある場合、或いは、年齢的に見て通学に困難やストレス、危険が伴う場合、子どもには無償の通学手段を得る権利がある。

具体的には、無償のタクシーによる通学などである。

フィンランドには、さまざまな教育機関が安価で用意されていて、いくつになっても学んだり、学び直したりすることができる。

学校に行くことや学習を止めてしまった過去があったとしても、再び学びたいと思えば、いつでもそれが可能となる教育機関がある。

『フィンランドの教育はなぜ世界一なのか (新潮新書)』


岩竹美加子氏は本書の中でこう語っている。

『日本は、OECD諸国の中で教育への公的支出が低く、2018年は最下位である。

学校のICT化も、国際的に見て非常に遅れている。

精神主義が強く、合理化が進まない。

また、権利の教育を受けてきていないため、PTAのような組織にも抵抗しにくい。

日本のPTAに似た組織にフィンランドの「親達の組織」はがあるが、加入率は10%程度だ。

また、フィンランドの教育では、何事に関しても自分から行動を起こす、アクティブな市民であることが推奨される。

ソーシャル・スタディーズのクラスの一環として、高校に国会議員を招き、議員としての仕事や、いかに影響を及ぼすかについての話を聞き、ディスカッションすることなども行われている。

大学は、すべて国立である。

授業料は、外国人にも無料だったが、2017年からEU圏外からの学生は有料になった。

教員数と授業数が少ないのも特徴である。

基本的に一つの学科に教授一人、講師一人程度である。

授業料をとらないので、予算不足も理由の一つだろう。

しかし、小学校の時から授業量は日本の半分と言われており、その文脈で考えると、大学の授業量が特に少ないとは言えなかもしれない。

高校までに、いかに学ぶかを学ぶ。

大学は、先生に教えてもらう場ではなく、自立して自主的に学ぶ場である。

また、フィンランドには兵役がある。

18歳になる年の初めから、60歳になる年の終わりまで、兵役義務を負う。

60歳までの兵役義務というのは、予備軍人としての義務である。

そして、フィンランドでは、愛国教育も行われている。

最も顕著なものの一つは、高校の卒業式後、各地で「英雄墓地」を訪問、花輪を置くことだろう。』

フィンランドの教育は、日本とはあまりに違うシステムや考え方に戸惑うことが多い。

学校にしても、PTAにしても、地域のコミュニティにしても、同調圧力が強い。

「みんな一緒」という考え方だ。

異端は許されないという考えでもある。

しかし、これも今後大きく変わっていくだろう。

そうでなければ、日本は世界の中で取り残されてしまうからだ。

そのためには、一人ひとりが、広く世界の知識を謙虚に学び、もう一度教育を一から作り直す気概を持つ必要がある。

ある面で、今は明治維新と同じなのかもしれない。

なぜなら、今まで日本はなんとなく上位にいると思っていたのが、様々なところで順位を落とし、最下位の方に行ってしまったからだ。

これは、経済や経営の指標だけではない。

それを挽回するのが、教育だ。

これからの子どもたちが、世界の中で生き抜いていける考え方やスキルを身につけために…

今一度、世界の「教育」から学ぶ必要がある。



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