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2019.6.25

決断を先送りしない

経営共創基盤、冨山和彦氏の心に響く言葉より…

人間は、見たい現実を見たい生き物です。

これは、まさにカエサルの言う通りでしょう。

人間の本性。

放っておいたら、見たいものしか見なくなる。

だから、そう思って経営者は経営をしないといけないし、社員は仕事をしないといけない。

みんな変わりたくないのです。

例えば、テニスひとすじで生きてきたとする。

ところが、20年もやってきて、急にテニスが廃れるとわかった。

このままでは食えない。

そういえば、子供の時はサッカーだった。

じゃあ、サッカーに転向しよう…と思えるかどうか。

それこそテニスなら、世界ランキング100位だけど、サッカーでは小学校でちょっとうまかったくらい。

同級生はもう代表選手になっている。

そこでサッカーに転向することを考えられるかどうか。

「すぐにテニスは復活する」と思いたくなるものなのです。

転向は、大きなストレスだから。

これはビジネスも同じです。

なんとなく衰退しているとは思っている。

気づいている。

大事なことは、変化が起きているという認識から、それに合わせて自分の行動に落とし込めるかどうか。

「テニスは廃れる」と思っていても、「じゃあサッカーをやろう」と思えるか。

実際にはそんなに簡単ではないでしょう。

しかも、高年俸を捨ててまで。

それを捨てて、明日からサッカーの練習を始められるか。

とりあえずテニスで引っ張ろうとするでしょう。

テレビでやってきた人が、今さらネットビジネスに移れないのも同じことです。

見たい現実を見るというのは、もっと正確にいうと、見たい現実に従ってしか人間は行動できない、ということです。

だから、世の中の変化についていくというのは、簡単ではないのです。

ましてや組織になると、もっと不器用になる。

しかし、長きにわたってうまくいく人は、自分を変えていく。

ストレスに対する耐性が高いから。

「サッカーやっちゃおうかなぁ」と考えて、実際にやってしまう。

もしくは、「サッカーは無理そうだけど、これから流行りそうなやつとか、まだ競争がないやつとか、探してみよう」とフェンシングを始めたりする。

これができる人がいるのです。

日本人は変化耐性が弱い、というのは事実だと思います。

基本的には農耕型で共同体をつくって生きてきた。

だから余計に難しい。

狩猟型であれば、自分ひとりの判断、自分の行動だけで済むけれど、農耕型だとそうもいかない。

しかも、扶養家族もぶら下がっている。

共同体には、新卒で入ったばかりの赤ん坊もいます。

ぶら下がって食べている人もいます。

そこで「もうこれからはいっさい、モノはつくりません。ファブレスカンパニーになります」と言った瞬間に、「去年入った生産分野の若手社員はどうするんだ。仕事がなくなる」などということになる。

それで、「とりあえず続けるしかないな」となってしまう。

この“とりあえず”を10年、20年放置すると危ない。

なぜなら、世の中は変わっているから。

決断を先送りにしたばかりに、もっとメガな悲劇が起きかねないのです。

だから重要なのは、リーダーの先見性です。

放っておいたら、20年後に総玉砕してしまいかねないのが、現代なのです。

このまま行ったら危ないと判断し、「しょうがない。ここは耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで、今のうちから違うスポーツをやろう」と言えるかどうか。

そのストレス耐性が問われるのです。

もちろん難しさは別のところにもあります。

あまり言いすぎるとリーダー自身が追い落とされてしまう、ということです。

抵抗勢力に滅ぼされてしまう。

ただ、そうなったとしても結局、20年後に待っているのは悲劇です。

『有名企業からの脱出 あなたの仕事人生が手遅れ≠ノなる前に』幻冬舎


「見たい現実を見たい生き物」とは、見たいように都合よく現実の世界を変換してしまうということ。

つまり、嫌な現実は見ないでフタをしてしまい、見たいと思う現実、そうあって欲しいという現実しかみない。

それは、人間は基本的には変化を好まない生き物だから。

しかし今、世の中は大きく激しく変わっている。

そして、すぐ先にある分かり切った現実があるにも関わらず、それを見ようとしないで先送りしてしまう。

それは例えば…

自動運転に対する、タクシー業界、物流・運送業界…。

ネット情報化社会に対する、新聞、テレビ、マスコミ…。

電子マネーや仮想通貨に対する、銀行や金融機関…。

アマゾンや通販業界に対する、コンビニ、スーパー、流通業界、家電業界…。

そのほかにも、シェアリングエコノミーや、サブスクリプションといった新たなビジネスモデルの台頭に対する、既存の業界の対応…。

「とりあえず続けよう、と10年、20年放置する」

変化への対応を怠ったとき、大きな悲劇が待っている。

「決断を先送りしない」を肝に銘じたい。



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