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2019.2.5

インパクトカンパニー

神田昌典氏の心に響く言葉より…

福沢諭吉が、『学問のすすめ』を世に出したのは、約150年前…

東京で蒸気機関車が走り、全国で郵便が届けられ、そして横浜でガス灯が輝き始めた「文明開化」の時代である。

常識を覆(くつがえ)すテクノロジーが続々出現し、過去から培ってきたスキルが通用しなくなり、自分の未来が見えづらくなった人々に対し、生活の糧(かて)となる実学を学べ、と勇気づけた『学問のすすめ』は、当時の10人に1人が読む大ベストセラー書となった。

その文明開化と同様に、私たちは今、急激な技術進化を経験する時代サイクルの中にいる。

これまで人生は80年と信じていたのに、いまや人生は100年となり、10年先かと思っていた人工知能や自動運転サポートは、すでに日常に入り込み、SFの世界だった宇宙旅行やゲノム編集技術は、実用へのカウントダウンが鳴り始めている。

「新文明開化」と言ってもいいほどのスピードで激変する世界で、私たちの頭の中は、まったく現実が変化するスピードに追いついていない。

住所をナビに入れる運転手は、自動運転技術が実用化すれば、さっそく機械に置き換えられていくことになる。

にもかかわらず、タクシー会社は、新人ドライバーを雇い続けている。

このように「未来」と「現在」、「思考」と「行動」が噛(か)み合わない会社が、いたるところにある。

機械翻訳で言語の壁は消えていくと外では言っているのに、社員には英語試験のスコアを求め、クラウト会計やクラウド人事の導入で、作業するだけの人材は必要なくなるのに、人手が足りないと嘆いている。

ルーティーンの仕事は、機械に置き換えられていくから、デジタル変革に成功した企業は大きく儲かる。

一方で、機械にはできない雑用は増えていくから、ホワイトカラーはさらに忙しくなるのに、スキルも給与も上がらない。

その結果、高齢化が急激に進む日本では、好況が続いている裏側で、子どもの貧困、介護離職、高齢者の孤立など、さまざまな社会的矛盾が、いっせいに表面化し始めている。

しかし、このように先が見えない時代だからこそ、明確な使命を打ち立て、本格的な成長を実現していく会社がある。

それが本書のテーマである、インパクトカンパニーである。

インパクトカンパニーとは、経済的に成長しながら同時に、事業を通じて社会問題の解決を目指す中小企業のことだ。

大企業やベンチャー企業ほど目立たない存在ではあるが、これからの社会にとって決定的な影響力(インパクト)を及ぼす。

なぜなら、圧倒的に、その母数が多いからだ。

中小企業は、日本の法人数の99.7%、全従業員数の69.7%を占める。

大都市圏を除くと、中小企業に勤める従業員比率は85.0と、さらに増える。

この巨大セグメントが、新しい時代への適応に遅れたら、地元の雇用は少なくなり、地域社会の衰退はまぬがれない。

逆に、ほんの一部の会社でも、社会問題の改善をもたらしながら、成長を実現する事業に取り組み始めたら…これは、とても面白いことになる。

高齢化社会・先進国の日本だからこその、地域社会創生のモデルを、世界に向けて描き出せるといっても大げさではないだろう。

「インパクト」という言葉は、すでに金融分野で使われている。

「インパクト投資」とは、経済的利益を確保しながら同時に、貧困や飢餓、差別、環境破壊といった社会的問題の解決を目指す投資手法だ。

ベンチャーが0から事業を立ち上げるのに対して、インパクトカンパニーは、成熟した既存事業から、新しい成長を創り出す。

その際、既存事業の延長で成長するのではなく、ビジネスモデル自体を劇的に進化させるのだが、そのプロセスには、一定のパターンがある。

大抵の場合、それは会社存続の危機から始まる。

業績が壁にぶつかった結果、捨てるべき事業、引き継ぐべき事業が総点検される。

事業を絞り込んだ後、ほどなく自分たちにしか実現できない未来が浮かび上がる。

価格競争を繰り返す会社の日常が、社会的要請に突き動かされる日常に変わる。

個人プレイがチームプレイへと進化する。

マスコミに頻繁に報道され、地方の小さな会社でも、世界から注目されるようになるといった具合だ。

要は、限られた市場の中で硬直しかねない事業が、未知なる領域へと飛び出し、未来から応援される事業へと変わるのであるが…、私の観察によれば、インパクトカンパニーへと進化し、本格的な成長をスタートできるかどうかの転換点が訪れるのは、創業20年へと向かうタイミングである。

『インパクトカンパニー 成熟企業を再成長させる、シンプルな処方箋』PHP


時代は音を立てて変わっている。

そして、誰もが、その変化の先にあるものが何であるか、ある程度予測がついている。

やがてやってくる未来だ。

いつか、あらゆる乗り物が自動運転になることを。

いつか、ほぼすべての仕事がITやAIと密接につながることを。

いつか、シェアリングエコノミーが様々な分野に浸透することを。

いつか、働き方が多様になり組織のありかたが激変することを。

いつか、世界の言葉が瞬時に自動翻訳されることを。

いつか、現金がなくなり電子マネーになることを。

いつか、金融業界や士業が激変することを。

いつか、人が乗れるドローンで空飛ぶタクシーができることを。

いつか、100才が平均寿命となり、ほぼすべの人が生涯現役で働くようになることを。

いつか、介護を始めあらゆる分野にロボットが配置されることを。

変化のスピードはますます早くなり、その結果、多くの会社が生き残れるか否かの判断が、ここ10年か15年のうちに決してしまう。

「私たちの頭の中は、まったく現実が変化するスピードに追いついていない」

頭を切りかえ、インパクトカンパニーを目指したい。



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