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2016.4.20

マス文化の外にある「本当にいいモノ」


本田直之氏の心に響く言葉より…

和歌山県にカネキチ工業というニットの生地を作る会社があります。

創業は大正9年(1920年)。

約100年の歴史を持ち、1900年代初頭に日本に輸入された吊機という希少な旧式の編み機を使い、ニット生地を編み立てています。

この吊機を使った工場は日本に2つしかなく、世界でもごくわずか。

理由は大量生産、大量消費という時代に合わなかったからです。

量産を重視した高速の編み機が主流となり、生産性や採算性が低い吊機は次々と姿を消していきました。

実際、1台の機械が1日かけてもスウェット7枚分ほどのニット生地しか編み立てられません。

しかも、機械1台ごとに生地の風合いが微妙に異なる仕上がりになるそうです。

時間がかかり、正確性は低いという面もありますが、一方で、吊機だからこそできるニット生地の風合いは独特のもので、ここ数年、カネキチ工業には注文が殺到しています。

吊機が何百台と並ぶ工場内を歩きながら、わたしたちを案内してくれた社長さんはこんな話をしてくれました。

「戦後、昭和30年代後半から40年代にかけ、大量生産を求められるなかで周りの工場はみんな高速編み機を導入していきました。

正確に大量に生地を作ることができ、機械の故障も少なく、効率もいい。

吊機はメンテナンスが面倒で、年代もので、ボロい。

よく『あんたのところは遅れているね』と笑われました」

当時、周りの同業者のみならず、工場で働く人も「この工場は大丈夫かな」「お金がないから設備投資できないんじゃないか」と思っていたはずです。

ところが、昭和の終わりから平成に入り、状況は一変します。

大量生産に走った工場のほとんどは潰れてしまいました。

高速編み機を備えた中国などの工場にコスト競争で勝て故障も少なく、効率よく正確に大量の生地を作ることができるという優位性は長くは続かなかった。

周りの工場に歩調を合わせ、設備投資をし、機械を新しくした当時はその選択が正解だったものの、環境が変化してしまった。

すると、今までの武器だった効率性では違いが生み出せず、同じように個性がないならば安い方が勝つという消耗戦に巻き込まれていったのです。

そして、今は中国でも同じことが起きています。

大量生産、大量消費の流れの中で勝負できなくなった工場が次々と消えています。

一方、吊機を残し、時代の最後尾にいたはずのカネキチの工場には世界中から「そこでしか作れない生地」「独特の風合い」を求めて次々と注文が舞い込み、気づけば最先端に立っているのです。

かつてのルールでは「ロットごとに風合いが違うなんてありえない」と爪弾きにされ、「不良品」という評価すら下されていた生地が「味があっていい」に変わる。

不便で効率化されなかったからこそ、残った独自性が評価される。

まさに、劇的な大逆転。

社会が豊かになったことで、マス文化の外にあった「本当にいいモノ」に気づく人が増え、オリジナリティや他では手に入らないモノが求められる時代に変わってきたわけです。

この流れは個人個人の評価にも共通しています。

顔が見えて、仕事のできる人が求められ、必要とされていく。

周りの人に合わせ、同じことを平均的にやる能力にすがっていると、最後尾に追いやられてしまう日がすぐそこまで迫っています。

逆に、自分で確立したスキルを持っている人であれば、どこへ行っても通用する時代になったと言えます。

立派な学歴や大企業に勤めた経験など、古い価値観の中では高く評価された実績がなくとも、大丈夫。

大きく変化する時代には、誰にでも成功のチャンスがあるのです。

『何を捨て何を残すかで人生は決まる (青春新書インテリジェンス)』


藤村正宏氏はこう語る。

「モノではなく体験を売る視点を忘れてしまったら、スペック競争、価格競争、立地競争に巻き込まれ、不毛な商売になってしまうのです。

選んでもらえる強烈な理由がなければ、売れない時代になったのですから」

それが、開発ストーリーだったり、お客様とのつながりや関係性(親しさや共感性)だったり、それによってどういう体験(楽しさ)をえられるかだったりする。

何かを選ぶとき、スペック(性能・仕様)や条件で選ぶなら、それより条件のいいものが現れたときに不満になる。

機能や効率で勝負するなら、いつかは機能や効率で敗れる。

必ず、もっといいものが現れるからだ。

豊かになった現代人のモノやコトの選び方は大きく変化している。

マス文化の外にある「本当にいいモノ」。

変化に対応する柔軟な考え方を身につけたい。


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