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2020.7.24

日本はこの20年間で、相対的に貧しい国に落ちぶれてしまった

渡邉正裕(まさひろ)氏の心に響く言葉より…

OECDのデータによると、世界の主要国のなかで、民間部門の時間あたり名目賃金(実際の金額であり、物価の変動で調整しない)が、過去20年間で下がったのは日本(マイナス7%)だけだった。

2018年までの20年間で、英国は83%、米国は75%、フランスは66%、ドイツは56%も増え、IT化を急速に進めた韓国に至っては2.7倍にもなった。

日本はこの20年間で、相対的に貧しい国に落ちぶれていった。

USドルベースで比較した年間平均賃金(OECDデータ)で見ても、1998年は主要16か国7位と“先進国クラブ”と呼ばれるOECDの平均値よりも上位にいた日本が、20年たってみると、下から4番目の13位まで下がってしまった。

日本だけが4万ドル前後で20年間も全く増えない間に(増加率1%)、他の主要国は軒並み右肩上がりで賃金を上げていった結果、英国・フランス・カナダ等に追い抜かれ、もはや日本は、韓国にも追い抜かれそうな下位グループに落ち、OECD平均値(4万6686ドル)より13%も賃金が安い国に成り下がった。

過去20年間の年収増加率トップ3は @ノルウェー(49%増) A韓国(38%増) Bスウェーデン(37%増)。

いずれもキャッシュレス化が急速に進んだ国で、たとえばスウェーデンでは国内銀行支店の過半数で窓口の現金取り扱いを終了したという。

逆に下位3か国(日本、スペイン、イタリア)は現金比率が高く、キャッシュレス比率と賃金は綺麗に正比例する。

現金(キャッシュ)を減らすほど、現金(給料)が生み出される…というのは一見、皮肉にも見えるが、キャッシュレス化→労働生産性向上→賃金アップは、当然の理屈だ。 

現金が経済活動に役立つのは唯一、電気が止まった災害時のみであり、それ以外は裏社会のマネーロンダリングや脱税といった犯罪者のツールとしてしか有用ではない。

先進各国は、この時給アップと賃金総額アップを、総労働時間の減少と並行して実行してきた。

短時間労働で、高収入。

最も理想的な社会の進歩である。

日本は依然、労働時間が多いグループに属する。


最も労働時間が短いドイツは、過去20年で1494時間→1363時間に短縮。

1680時間の日本より19%少ない労働時間で、4万9813ドルと、日本より23%多い年収を得ている(2018年)。

経済規模も日本がGDP世界3位、ドイツ4位と、近い。

まず、「閉店法」がしっかり運用され、日曜は完全に定休日。

日本のイオンやららぽーとにあたるショッピングモールが毎週日曜日は閉店。

旅行者には不便なことに、スーパーも同様に一斉休業で、深夜営業のコンビニも存在しない。

絶対的な労働時間が、明らかに短いのだ。

鉄道駅は信用乗車方式で、そもそも改札口が存在せず、職員も見当たらない。

その代わり、ボタン1つで質問できる機械が、駅構内や電車内に設置されていた。

最小の人数でいかに業務を回すか、が考え抜かれているのだった。

「連邦休暇法」によって、企業経営者は社員に毎年最低24日間の有給休暇を与えなくてはならず、実際の運用上では、ドイツの大半の企業が社員に毎年30日間の有給休暇を認めており、祝日(12日)を足すと、土日以外に、年間42日間も休めるという。

これだけ労働時間が短いのに、30代前半のメーカー社員や公務員で年収は約8万ユーロ(1000万円弱)だというから、日本よりはるかに労働環境がよい。

長時間労働とパワハラで過労死が後を絶たない日本は、経済規模は同じくらいでも、労働環境でボロ負けしている。

ではどうすれば、1人あたりの「総賃金」、そして働き手個人の「時給」は、上がるのか。

方法は3つしかない。

第一に、企業の粗利にあたる付加価値の絶対額を増やし、パイそのものを大きくする。

第二に、付加価値(粗利)の配分を変える。粗利は一定のままでも、働き手の取り分である「人件費」を増やす。

第三に、粗利の多寡にかかわらず、テクノロジー(IT、AI、ロボティクス)への積極投資によって少人数でも(短時間労働でも)同じ業務が回るようにし、食い扶持を減らす。

以上3つのうち、最も実現可能性が高いのが、第三の方法だ。

人間がやっている業務を機械やITに代替させることで、着実に人間の労働時間を計画的に削減できる。

たとえば、これまで8時間×3人で担当していた仕事が、自動化によって8時間×2人でできるようになれば、人件費は3分の2に削減される。

これは、1人あたりの「労働生産性」が1.5倍になったことを意味する。

同じ販管費内の、機械の設備投資や維持管理コストを無視して考えると、給料を1.5倍にする原資が生まれたことになる。

幸いなことに、日本は働き手不足がずっと続くため、適切に働き手にパイが還元されやすい労働市場環境が続く。

『10年後に食える仕事 食えない仕事: AI、ロボット化で変わる職のカタチ』東洋経済新報社


渡邉正裕氏はざっと3分の1の職業が消えるという。

中核業務がいずれテクノロジーに置き換わるという意味で、「ロボティクス失業」が28.5%、「AI・ブロックチェーン失業」が5.5%の計33.9%だ。

ロボティクス失業は例えば、販売店員、一般事務従業者、総合事務員、自動車運転従事者、庶務・人事事務員、営業・販売事務従事者、生産関連事務従事者、受付・案内事務員、その他の販売類似職業従事者、電話応接事務員等々だ。

また、「AI・ブロックチェーン失業」 は、会計事務従事者、小学校教員、高等学校教員、中学校教員、建築技術者、薬剤師、その他の教員、その他の営業・金融・保険専門業従事者、税理士、広告宣伝員等々だ。

その中の例えば、教員がなくなるということでは、大半が公務員であるため雇用の心配はないが、恒常的な長時間労働の問題がある。

10年後20年後の教育は、グローバルで見ればデジタル化が進む一方で、日本は取り残されている可能性が高い。

それは、各分野で一番パフォーマンスの高い人間教師が1人いればよい。

たとえば東大の国語受験なら「今でしょ!」の林修氏が1人いればよくて、2番手以下の人間教師の価値は失われる。

もしくは家庭教師的なサポート役、という別の役割へと変換が求められる。

グローバルで見れば、ディスカッションやディベートといった「答えのないテーマ」に関する授業のみとなっていくだろう。

答えに創造力が試されるため人間教師にしかできない。

現在の偏差値教育のように、決まった答えが必ずある問題を解答に導くのはAIの得意技であり、それを教えるのもAIで事足りる。

林修氏の10倍すごい天才教師の面白い授業が、公教育として始まったらどうなるか、考えてみてほしい。

勉強は楽しくなり、教育大国となる一方で、中間以下の教師は不要となって実質的に失業する。

(以上、本書より抜粋引用)

日本は、様々な既得権益者によってITやAI化が進まない。

そうこうしているうちに、日本はこの20年間で、相対的に貧しい国に落ちぶれてしまった。

日本人は昔から、追い詰められて、切羽詰まらないと変わらない特質がある。

本当は、今がその時なのだが、まだ多くの人はのんびりしている。

今こそ…

すべての産業で、テクノロジーを通じて生産性を高める努力が必要とされている。



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