2020.7.19 |
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日本のよき価値観 |
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志賀内泰弘氏の心に響く言葉より…
わが家には一つの合言葉があります。
それは「期待しない」です。
例えば、夫婦で映画を見に出掛けることになったとします。
正規の値段なら1人1800円。
わが家の場合、カップルデーに行くと割引対象になるので、1人1000円になります。
それでも、DVDを借りるよりはずっと高い。
昔はよくケンカになりました。
「この映画を見に行こうって言ったのはあなたよ!無駄遣いしちゃったじゃない」
「だって、あちこちの新聞や雑誌でベタ褒めだったから」
「面白いって言うから、期待しちゃったのよ。ガッカリ…」
「オレだって…」
そうなのです。
大いに期待していた。
だからガッカリするのです。
夫婦生活を20年以上も続けていると、少しは知恵がついてきます。
何より大切なのは、夫婦がいつも仲良くいられること。
いや、もっと現実的に話すと、いかにケンカをしないで最低限の平和を保っていられるか。
それこそが「幸せ」だと気付きます。
そこで、いつの間にか夫婦で生まれたのが、あの合言葉です。
映画を見に行くと決めた時から、家の鍵を閉める時、車でシネコンに向かう時、ロビーでお菓子でもつまんで待つ間、そして上映が始まる瞬間まで、お互いに合言葉を言い合うのです。
うっかり私が誤って、「何かどんでん返しがあるらしいよ」などと口にしてしまうと、妻が「期待しない、期待しない」。
そこでハッとするわけです。
「期待しない」といいことがあります。
どんなにお粗末な映画を見ても、「面白くなかった」と腹を立てることがないのです。
それどころか本筋とは別のところで楽しみを見つけて(あの場面で出てきたバイクは親戚の〇〇おじさんが乗ってたよな、なつかしいな…などなど)幸せな気分に浸れます。
これは映画に限ってのことではありません。
レストランで食事をする時も、旅行に出かける時も、ベストセラーの本を買う時にも「期待しない」効果は発揮されます。
「期待しない」という言葉は、夫婦という人間関係においても金言となっています。
私は妻に、「〇〇して欲しい」と求めない。
妻も私に、「△△して欲しい」と求めない。
お互いに「求めない」こと、「欲ばり」にならないことが、幸せな生活を送るコツになっているのです。
「早く家に帰ってきて欲しい」「夜遅く帰宅したとしても、起きていて欲しい」などと、求めないし、期待しないのです。
「期待しない」と、思わぬ喜びがあります。
「自分も忘れていたのに、誕生日に大好きなお店のケーキを買って来てくれた」
「『疲れたなぁ』と言ったら、マッサージしてくれた」
もし、これが「期待していたら」どうなるでしょう。
「誕生日なのに、何もプレゼントをしてくれない」
「疲れて仕事から帰って来たのに、テレビに夢中」
すべての「不幸」は自分の「欲」が招いたもの。
「期待しない」「求めない」ことが、「幸せ」な人生を送るためのキーワードなのです。
『他人と比べない生き方』フォー・ユー
小林正観さんは、こう語る。
『思い通りにならない、それが「苦」。
「思い」がなければ、思い通りにならないという現象は起きない。
「苦」は生じない。
「思い」を持たない。
それは、目の前で次々と起きる一般的に不幸だといわれている現象に対しても、「ああ、そうなりましたか」と単なる日常の1ページとして、淡々として受け入れていくということです。
病気や事故、愛する人との別れといった、思いがけず自分の身に起こる出来事を、人生の一部として受け入れていく。
「何でこんなことが起こったのだろう」という「思い」を持たない。
目の前で起こるすべての現象を、「ああ、そうなりましたか」と受け入れていく、それだけです。』(心を軽くする言葉-宇宙を味方の「か・が・み」の法則/イースト・プレス)より
「期待しない」というのは、「思いをもたない」のと同じ。
小林正観さんは、現象には色がついていないという。
私たちが勝手にその現象に感想をつけて、「うれしい」「悲しい」「つまらない」という色をつけている。
どんな現象も「ああ、そうなりましたか」と淡々と受け入れていく。
「思いを持たない」こと、「期待しない」ことは、人生においてとても大事なこと。 |
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