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2020.5.15

自分の頭で考える力を養う

立命館アジア太平洋大学(APU)学長、出口治明(はるあき)氏の心に響く言葉より…

今から約50年前、僕が大学2回生のとき、恩師のひとりである故・高坂正堯(こうさかまさたか)先生(国際政治学者)が、原書購読の時間に、次のようなことを言われた記憶があります。

「古典を読んでわからなければ、自分がアホやと思いなさい。

間違っても、大学に残って研究者になろうなんて思ったらあかん。

さっさと就職しなさい。

一方、現代の本を読んでわからなければ、書いた人間がアホやと思いなさい。

そんなものは読むだけ時間のムダです」

同じ日本語で書かれているのに、古典を難しく感じるのは、なぜでしょうか。

理由は、「その本が書かれたそもそもの時代背景が、現在とは異なるから」です。

時代が違えば、同じ言葉でも意味が変わります。

これに対して、現代に書かれた本は、著者と読者が同じ時代を生きています。

それなのにわからないとしたら、その理由は、

「著者自身が題材をよく消化していない」

あるいは、

「著者が見栄を張って難しい言葉を使っている」

のどちらかです。

だから高坂先生は、そんなものは読むだけムダやと教えてくださったのです。

「教える」とは、相手にわかってもらうことです。

相手に腹落ちしてもらうことです。

「教える」とは、どんな人に対しても、真意を伝えることです。

どれだけ知識を持っていても、どれほどいいことを伝えたいと思っても、結果として相手に腹落ちしてもらわなくては、教えたことにはなりません。

一般に人間も世界も、原理原則はとてもシンプルなものだと思います。

本来、シンプルであるはずの人間が、物事を無理に複雑にしようとすると、真意が伝わらなくなります。

教える立場に立つのなら、相手のレベルに応じて、相手に伝わるように、相手が理解できるように、わかりやすく話す(書く)ことが、絶対的な条件なのです。

『「教える」ということ』角川書店


出口氏は「教育の2つの目的」についてこう語る。

1. 自分の頭で考える力を養う

*自分が感じたことや自分の意見を、自分の言葉で、はっきりと表現できる力を育てること(人格の完成)

2.社会の中で生きていくための最低限の知識(武器)を与える

*お金、社会保障、選挙など、社会人になるとすぐにでも直面する世の中の仕組みを教えること(社会の形成者として必要な資質を備えること)

そして、「尖った人」に関してはこんな文章がある。

『日本の教育は、スペシャリストよりゼネラリスト(いろいろな分野の知識を広く浅く持っている人)を育てる教育です。

これは、「一括採用、終身雇用、年功序列、定年」という、人口増加と高度成長の2つを与件としたガラパゴス的な労働慣行にフィットしたものです。

ゼネラリストという概念は、日本を除けば、世界のどこの国にも存在しません。厳しい競争にさらされている世界では、「ゼネラリスト人材を育成しよう」などと悠長なことをいっていられるはずがないのです。

確固とした自分の得意(専門)分野を持ち、なおかつ企業全体を見渡せる専門人材を育成するのが世界の常識です。

アイデア勝負の時代に必要なのは、自分の好きなことを究めて高い能力を発揮するスペシャリストです。

工場モデルに最適化した「素直で、我慢強く、協調性のあるタイプ」ばかりを育てるのではなく、スティーブ・ジョブズのような尖った人材の育成が急務です。

これからの日本でイノベーションを起こそうと思うのなら、極論すれば、日本人全員が自分の好きなことを究めなくてはいけないのです。』

この混沌とした時代は、先の見えない時代であり、前例のない時代だ。

「何百年に一度」とか、「戦後初めて」というような「まくら言葉」が付くできごとが頻繁に起こる。

前例のない時代を、「想定外」と言ったりする。

想定内とか前例踏襲の事例や事件ばかりなら、過去に起きたことや覚えたことを再現する能力に長けていれば活躍できる。

しかし、前例のない想定外の時代は、自分の頭で考える力のある人しか生き延びることができない。

世界中が、近世においてありえなかった、想定外のコロナ禍に直面している今…

自分の頭で考えることのできる人を育てる教育が、今まさに必要とされている。



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