2020.4.25 |
|
まさに、今という時代 |
|
渡辺和子氏の心に響く言葉より…
ニューヨーク大学のリハビリテーション研究所の壁に一人の患者の残した詩があるということです。
日本語に訳してみますと、次のようになります。
『大きなことを成し遂げるために力を与えてほしいと神に求めたのに、謙遜を学ぶようにと、弱さを授かった。
より偉大なことができるように健康を求めたのに、より良きことができるようにと病弱を与えられた。
幸せになろうとして富を求めたのに、賢明であるようにと貧困を授かった。
世の人々の称賛を得ようとして成功を求めたのに、得意にならないようにと失敗を授かった。
人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに、あらゆることを喜べるようにと生命を授かった。
求めたものは1つとして与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた。
神の意に添わぬ者であるにもかかわらず、心の中で言い表せないものは、すべて叶えられた。
私はあらゆる人の中で、最も豊かに祝福されたのだ。』
1990年の夏、私は米国のセントルイスという街を訪ね、たまたまイエズス会の修道院に、この原文を見つけました。
それは、J・ロジャー・ルーシーという神父が書いたものだということでした。
多分、思わぬ病気か怪我をして、自分の“欲した”ことが成しとげられず、苦しみ、その苦しみいのあげくの果てに到達した境地なのでしょう。
最後のほうにある「求めたものは一つとして与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた」という言葉や「心の中の言い表せないものは、すべて叶えられた」という言葉に惹(ひ)かれます。
《願ったことが一つも叶わなくても、すべて叶えられたという境地…(ありがたくないものをくださるのは神様のはからい。それに気づくのは、苦しみや悲しみを乗り越えたあと。)》
『どんな時でも人は笑顔になれる』PHP研究所
今、世界はコロナ禍の真っただ中にいる。
行動の制限、ストレス、感染への恐怖、孤独…
この先の見えない現実に対する不安だ。
経済面では、特に、飲食店や、ホテル、スポーツクラブ、映画館などなど、数えきれな業種の実店舗の営業ができない状態が続いている。
そして、今回は、今までの価値観がことごとく否定されてしまった。
いわく、「人との距離をとれ」「近づくな」「集まるな」「出歩くな」「人にふれるな」。
かつては、もっときずなを深めよう、仲間と集まろう、色々なところへ出かけよう、ハグしよう、ハイタッチしよう、だったのに…
神に我々は、なんでもないあたりまえの日常を願っただけなのに、とても特別な非日常をくださった。
それは…
謙虚を学ぶように
より健康でいるように
より賢明であるように
得意にならないように
今生きていることに感謝し喜べるように
「願いはすべて聞き届けられた」
今一度、この与えらえた日常の意味を考えてみたい。 |
|
|