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2020.3.17

チャンスの女神の前髪を掴むには

ひろゆき(西村博之)氏の心に響く言葉より…

おそらく古い常識は、あなたの柔軟な考えを邪魔してくる。

たとえば、「銀行に就職が決まった」と親に言ったら、「一生安泰だね」と言われるかもしれない。

けれど、金融庁の調べによると、地方銀行の利益の合計額は年々落ち続けていて、5年以上連続で赤字を出している銀行が増えている。

銀行業界は、体力のないところから潰れていくことが決まってしまっているわけだ。

いくら世間体のいい銀行勤めでも、あなたが優秀で努力家だとしても、日本全体の銀行が少なくなっていく波には逆らえない。

それなら、追い風が吹いている業界に移ったほうがいい。

大事なのは、自分の感覚だ。

若い人だとネットバンキングを使うのが当たり前だし、ATMがあればお金が下せるので、銀行の窓口なんて近所になくてもそんなに困らない感覚がある。

その一方で、高齢の人だと、ネットバンキングは使わないし、振り込みは窓口に行ってやるので、近所に窓口があることが必要になる。

10年後、窓口をたくさん作る銀行と、ネットバンキングの充実とコンビニATMを使えるようにした銀行のどちらが経済的にうまくいくか。

こんな答えのわかりきった問題ですら、考え方の古い高齢者は間違えてしまう。

それくらい「考え方のクセ」はなかなか取れない。

若い人にはあと何十年もの人生があるが、いまの時代に必要な知識を持っていない高齢者のせいで損をするのは若い人のほうだ。

年寄りは逃げきってしまうから、どうでもいい。

努力をしないで成果が出せる環境はどこなのか。

それは、現在の情報や知識を仕入れて、賢い判断で選ばなければわからない。

僕は、1976年生まれの「就職氷河期世代」だ。

この世代の特徴は、「自分の頭で考えることができる」ということだと思う。

僕らより上の世代は、バブル世代であり、時代を謳歌してきた。

会社からも守られてきただろう。

彼らの世代が、いま、早期退職でリストラの嵐に巻き込まれている。

僕の世代は時代が悪かったぶん、考えることを余儀なくされ、おかげで能力が身についた。

皮肉だが、悪い環境には人を育てる側面があり、時代が悪いことがチャンスにもなる。

僕より上の世代は、「昔はよかった」と話す人が多い。

しかし、ちゃんとデータを見ることができれば、昭和の時代より平成のほうが、殺人事件や餓死が少なく幸せの総量は多いことがわかる。

人生で選択肢が目の前にあるときに、どういう基準で考えるのかは人それぞれ違う。

そこには、「判断軸」が存在する。

「考え方の考え方」みたいな部分だ。

長期的な目線を持ち、「よりよい選択肢をとる」というクセがつくように、根っこの部分をつくる必要がある。

『1%の努力』ダイヤモンド社


ひろゆき氏は「1%の努力」についてこう語る。

『アリの巣を観察すると、大きく分けて2つのタイプに分かれるという。

「働きアリ」と「働かないアリ」だ。

「働きアリ」は、任された仕事を一生懸命にこなす。

巣を掃除し、エサを運び、せっせと働く。

「働かないアリ」は、ダラダラと何もせず過ごし、たまにぷらぷらと外を出歩く。

サボっているように見えて、たまに「バカでかいエサ」を見つけて、巣に戻って報告をする。

それを他のアリたちが運んできてくれる。

そんな「働かないアリ」であれ。

「働かないアリ」のように、お金や時間にとらわれない状態になると、チャンスが見えるようになる。

2時間でやるべきことを1時間で終わらせて、1時間を余らせること。

さらに、30分で終わらせることはできないかと考え続けること。

天才は「1%のひらめき」をして、凡人は「99%の努力」をする。』

『「幸運の女神の前髪」という話がある。

幸運の女神には後ろ髪がついていないから通り過ぎたら捕まえることはできない、という例えだ。

あるとき、あなたの元に起業メンバーにならないかという誘いがくるかもしれない。

当日誘われた飲み会に運命の人が来ているかもしれない。

それもこれも、つねに「余裕」を持っていないと掴むことはできない。

また、順風満帆な人生にピンチがやってくるときもある。

そんなときも、スケジュールに余裕がないと頭の中はパンクしてしまい、視野はどんどん狭くなる。

ヒマは全力で作っておいたほうがいい。

時間は余るものじゃない。

作り出すものだ。

世の中には、予定をパンパンに詰め込んで片っ端から対処するタイプの人もいる。

その場合、幸運の女神が現れたら、両手はお手玉をしながら器用に前髪を掴めるのかもしれない。

ただ、凡人には難しい。

少なくとも片手は空けておかないと、チャンスを掴むことはできない。

「努力で解決しよう」「頑張ればなんとかなるかも」と考えている人は、つねに両手が塞がっていてチャンスを取り逃す。』

中国の古典、「大学」の中に次のような言葉がある。

「心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味」

(心、ここにあらざれば、見れども見えず、聞けども聞こえず、食らえどもその味を知らず)

心がここになくて、うわのそらだったら、何を見てもそれが見えないし、何を聞いても聞こえないし、何を食べてもその味がわからない。

意識がそこにいっていないからだ。

多くの人は見たいと欲するものしか見ない。

心がここにないということは、余裕がないということ。

余裕がないと、目の前のことに忙殺されてしまい、ものすごいチャンスが目の前を通り過ぎても見過ごしてしまう。

余裕がある人は、そこにどっぷり浸からず、物事を色々な角度から眺めることができる。

同時に、短期的にではなく長期的にものを見ることもできる。

また、枝葉ではなく、本質でものを見ることもできる。

「チャンスの女神の前髪を掴むには」

常に心に余裕を持ち、色々な角度から物事を見ることができる人でありたい。



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