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2020.1.1

元旦によせて(令和2年)

修養団・元伊勢道場長、中山靖雄氏の心に響く言葉より…

《伊勢の神宮のように、古くして新しいものが常に栄えます。その感覚を日本人は大事にしてきました。》

「古くして新しいもののみ栄える」と昔から言われてきました。

「古くして古いものは滅び、新しくして新しいものも滅びる。古くして新しいものが常に栄える」のです。

「古くて新しいもの」とは何かと言うと、たとえば「親孝行」がそうです。

ほかにも「魂で生きる」とか、「元にかえる」とか、昔は当たり前に大事にしていたことが、少しずつ忘れられて、そして今再び新しい感じがすると思うのです。

その姿の最たるものが伊勢の神宮です。

神宮は20年おきに遷宮されます。

遷宮とは、神宮のすべての建物を20年おきにお建て替えすることです。

2000年前の昔の建物の姿のままでありながら、今そこに新しい姿で存在しています。

遷宮の際は、建物だけはなくて、橋や、装束、金具などもすべてを造り替えています。

日本の文化遺産の中には、木造の姿で1300年前から建っているものもあります。

しかし、神宮様はあえてそれをしていないのです。

形は2000年前のままです。

古いけれど、20年に1度遷宮をしているので新しい。

それがなぜできるかというと、20年に一度遷宮をするおかげで、建物だけではなく、装束や金具をつくる人々が途切れないのです。

20年おきだから、やった人がまだ生きている間に次の人に伝えることができる。

だからこそ残っていくのです。

これはすごいことですね。

2000年と同じようにつくれる方が今もおられるのですから。

また、太陽も古くして新しいものです。

太古の昔から、太陽が昇った時に人々は嬉しい思いが湧いてきます。

まるで今日初めて見たような思いがする。

太古の昔からあるのだけれど、今日、昇った日の出を見た時は、まるで初めて見たような感動が湧きます。

ずっとあり続けているけれど、いつも新しく清々しいのです。

魂も古くして新しいもののみが栄えていくものです。

それは、昔からあり続けながらも、毎朝新しくなる魂です。

昔の人はそれを知っていたのですね。

『すべては今のためにあったこと』海竜社


伊勢神宮について、中山氏は本書の中でさらにこう書いている。

『伊勢では、神主さんが朝早くから起きられて、山に登って水を汲み、そして木で火をおこします。

そして、その火でご飯を炊いて、朝夕、神々様にたべていただくためにお供えをしています。

これを、下宮(げぐう)ご鎮座(ちんざ)1500年、毎日やっておられるわけです。

昔と同じ方法で毎日神々様に、「まず最初にできたてのお食事を」と今もやっておられるのがすごいことだと思うのです。

そういうふうにずっと続いた日常を大事にしながら、喜びながら生きようとし続けていたのが日本です。

誰が見ていようがいまいが、天照大神様はじめ神々様がそこにおわしますがごとく、目に見えない世界を日常生活の中で大切にして生きてきたのです。

本当にそのように生きていると、昔から日本にあった「お天道様が見ている」とか「誰が知らなくても天が知っています」という人間の行動規範の大事な部分を、天の世界が担ってくれれているのだとわかってきます。

いろいろなことを体験した人は、体験したことを話すようになっているし、綺麗ごとを言った人は、綺麗ごとを言ったにふさわしいところを通らされるのではないかなと、そんなことを強く思います。

歌人西行(さいぎょう)は伊勢の神宮について、

「なにごとの おわしますかは知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」

と詠みました。

天照大神様がおらえる時と同じ日常を続けることで、天照大神様の思いが時代を超えて伝承されているのです。

ですから、参拝する人は言葉にできなくても感動したり懐かしがったりするのですね。』

以前、伊勢神宮の神職の方のお話をうかがったことがある。

その中で、海の正倉院といわれる、九州の沖ノ島にある宗像大社(むなかたたいしゃ)の話が感動的だった。

神の島として長い間、一般の立ち入りが禁止されていたため、1954年に初めて祭祀遺跡(さいしいせき)の学術調査が行われたそうだ。

その時に出土したのが、約12万点以上の祭祀遺品。

しかし、その使い方や、名前がわからない。

そこで、伊勢神宮に問い合わせがきたそうだ。

その結果、ほとんどの祭祀遺品が判明した。

1200年前の出土品の使い方や、名前が分かるところは、世界中どこを探してもない。

現物は出土しても、その使い方のマニュアルや、操作方法など、一緒に埋まっているはずがないからだ。

しかし、伊勢神宮では、1300年にわたって、20年ごとに神宮で使う全ての、祭具や装束や建物を、全て新しく作り、その技術まで伝承している。

つまり、1200年前の、沖の島の出土品が、そっくりそのまま伊勢神宮では、今も使われているということだ。

技術の伝承は、20年が限度といわれる。例えば、若い人が20歳、その上の親方が40歳、その上の大親方が60歳という年齢構成だと、技術は廃(すた)れずに継承される。

一見無駄のように思える20年ごとのご遷宮が日本人の叡智と、技術の伝承を守ってきたのだ。

日本のルーツでありDNAである伊勢神宮を守っていくことは歴史や伝統といった、日本そのものを守ることでもある。

江戸時代にはおかげ参りといって一生のうち一度はお伊勢さまに、と人口の6分の1の500万人が参詣した。

江戸からだと一日40キロを歩いても約2週間かかる。

1日に10時間歩かないと達成できない距離だ。

それほど古くから、大切にされた伊勢神宮。

以前、ある銀行から伊勢神宮に神職(経理担当)として出向された方が話してくれたが、神宮に配属され一番驚いたことは、「廊下で出会った神職の方々が、常に一旦立ち止まり、深々と礼をして挨拶してくれたこと」だという。

そこには上下も新参者もない、「真の礼」という凛とした美しい礼儀作法と、相手を敬う心があったそうだ。

そして、巫女(みこ)さんたちのことを、「ひめさん達は…」と優しく言っていたのが印象的だった。

「古くて新しいもの」

まさに、「常若(とこわか)」 だ。

常若とは、常に新しいこと、いつまでも若々しいこと。

式年遷宮が1300年も続いたのは、「継続することが目的」だから、だという。

コンクリートや鉄ではなく、わざと朽ちやすい木を使うからこそ、20年ごとに建て替える。

そして、それが常若となる。

令和2年元旦。

今年一年、ご縁のある皆様の弥栄(いやさか)とご多幸を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。



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