2019.12.29 |
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幸せになる技術 |
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上阪徹氏の心に響く言葉より…
日本は世界第3位の経済大国。
モノも店も溢れている。
極めて豊かな国であることは間違いない。
だが、日本人の幸福度は残念ながら高いとは言えないようである。
国連の関連団体が発表している「世界幸福度ランキング」がある。
2019年は世界156ヵ国を対象に調査が行われたが、日本は58位だった。
過去5年の推移を見ても、46位、53位、51位、54位ときて、今年はさらに順位を落とした。
また、日本は自己肯定感が低いのも大きな特色だ。
特に子どもたちが低い。
こうした幸福度の低さや自己肯定感の低さにはいろいろな理由があるだろう。
だがその背景として、「日本人の価値観がかなり画一的である」ということが思い浮かぶ人も少なくないのではないか。
例えば、明るい未来を手に入れるには、勉強ができないといけない。
いい学校に入らないといけない。
幸せになるには、いい会社に入らないといけない。
お金を持っていないといけない…。
多くの人たちが、漠然とこんなイメージを植え付けられてしまっている。
要するに、「社会的な成功のようなものを手にしなくてはいけない」という呪縛だ。
こうした「答え」のようなものを作っているのは日本人自身である。
私は、社会が漠然とこうした「答え」を持ってしまう理由はとてもシンプルだと思っている。
正解が決められていれば、自分で「答え」を考えなくてもよくなるからである。
「答え」があるとラクチンなのだ。
うまくいっている人たちは多様な価値観を持っていた。
彼らはまさにこういう考えだった。
世間のいう成功なんて、どうでもいい。
そんなものに縛られない。
それより、自分で見つけた「答え」にこだわる。
そんな生き方をしていたのである。
AKBを生んだ著名なプロデューサー、秋元康さんはこんな話をしていた。
「今、ビジネスパーソンに最も必要なのは、人生観を固めることだと思っています。
つまり、自分なりの価値観をはっきりさせること。
出世して社長になったり、創業者利益で莫大な資産が手に入っても、必ずしも幸せになれるとは限りません。
大事なのは、自分にとって何が幸せなのか、どうすればドキドキできるのかを、しっかり理解しておくことです。
本当に何が好きなのかを考えてみる。
誰かの意見に流されたりお金に縛られて判断が間違っていないか自問自答してみる。
そうやって、自分の幸せをしっかり定義しておく。
それができていないと、常に何かを求め、何にでも手を出し、結局何も手に入らないことになりかねません」(プロ論。/徳間書店)
必要なのは、「誰がなんといおうと、おれはオレの幸せ」「私はこれでいい」「周囲がどう思うと関係ない」と言えることだ。
誰かが作った「答え」に縛られる人生は苦しい。
求められているのは、自分の幸せは何かという「問い」なのである。
『幸せになる技術 〜人生で一番大切なのに誰も教えてくれない』きずな出版
上阪氏は本書の中でこう語る。
自分が与えられた役割に、とにかく懸命に向き合う。
自ら喜びを見つけ、そこに充実感を持って生きていく。
そういう生き方がある。
笑福亭鶴瓶さんが、こんな言葉を残してくれている。
「別にゴールデンタイムみたいな仕事だけが偉いんやないんです。
小さな世界でも、そこで必要とされることに意味がある。
そこから始まっていくんですよ。
神様から「お前もなんかせい」と言われて人は生まれてきてるんやと思う。
だから、自分を信じるべきやと僕は思っています。
焦らんでいいんです。
種をまいて、花が咲くのを待つ。
もちろん、種もまかんのに花は咲かんし、水やりもちゃんと必要になりますよ。
でも、大事なことは上を目指そうと気持ちを常に持ち続けること。
いつも向上しようとしている人は、誰からみても素敵なものなんです」(プロ論。)
自分の夢や、人生の目的や使命が見つけにくかったりする人は多い。
もしかしたら、そういう人が大多数かもしれない。
しかしながら、夢を見つけられなかったとしても、心配することはない。
それが、「与えらえた役割や仕事に全力を尽くす」という生きた方だ。
大きな夢や、生涯をかけた目標も志も必要ない。
ただ、目の前にやってくる仕事や、頼まれた事を淡々と文句を言わずやっていく。
愚痴や泣き言や不平不満を言わず、ニコニコしながら、目の前のことに、楽しみや幸せを見つけるという生き方。
どんな出来事の中にも、自分の幸せを見つけることができる人でありたい。 |
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