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2019.11.7

「乾けない世代」こそが希望

尾原和啓氏の心に響く言葉より…

出世するため、お金のため、モテるため、美味しい食事やワインを楽しむために、人生をまるまる仕事に捧げる上司を見て、「自分はこうはなれない」「自分はこうはなりたくない」と思ったことはないでしょうか。

やる気がないわけではないけれど、そんな上司のようなモチベーションは自分にはない。

かといって、なんのためなら頑張れるか、分からない。

そんなことを思ったことはないですか。

実は、「なんのために頑張るか」という働くための価値観、つまりモチベーションが、ある世代を境に大きく変わってきています。

フジテレビの日枝久元会長、読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡邉恒雄さん、元総理の森喜朗さん…。

団塊世代より10年以上も上の彼らは、戦後の何もなかったころに、欲望と共に成功に向かって駆け抜けました。

お金を稼ぎたい、広い家を建てたい、いいクルマを買いたい、きれいな女性を抱きたい。

欲望への飢餓感と上昇志向と共に成り上がっていきました。

ないものを、いかに埋めるか。

それが最大のモチベーションだったのです。

しかし、時代は大きくうつり、今の30代以下は団塊世代以上とは全く異なる価値観を持っています。

生まれたころからすでに何もかもが揃っていたので、物や地位などを欲して頑張る埋めるべき空白がそもそもないのです。

そう、あなたには生まれたときから「ないもの」がない。

だから何かが欲しいと「乾けない」。

だから、あなたの世代のことを「乾けない世代」と呼ぶことができます。

あなたは、出世や金銭的な成功というニンジンを目の前にぶら下げられても走らない。

だからといって本当にあなたには欲望やモチベーションがないのでしょうか?

本書の結論はあなたこそが、この変化の時代特にAI(人工知能)によって仕事がなくなっていく時代のなかで希望の世代であるということです。

『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 (NewsPicks Book)』幻冬舎


尾原氏は、「乾けない世代」について本書の中でこう書いている。

『「乾けない世代」のモチベーションは「家庭」「友人」「自分」という、「小さくて身近な枠」で作り上げられています。

なぜなら、上の世代がある程度社会を作り上げてしまったので、「乾けない世代」は「すでに作り上げられた社会」の上に立たされているからです。

「大きな枠」はもはや変えようがないから、「小さくて身近な枠」を大切に生きていく。

けれど、働き方のルールだけが変わらないから、もう何かを建てる余白は残っていないのに、上の世代からは「これを持って戦え!」と、とりあえずトンカチを持たされている。

そんな、とんちんかんなズレが生じています。』

『今は、「何が楽しいの?」「何をやりたいの?」ということを常に問われ、すべて自分で決めていかなければいけない時代です。

右向け右で、固定された目標に向かって歯をくいしばって頑張る人よりも、好きなことに夢中でいつも楽しそうな人のほうが、魅力的になっていきます。

今は、好きなことで楽しそうに仕事をしている人のもとには、自然と、お金や人が集まってくる時代になってきているのです。』

『「乾けない世代」は、決められた目標に対してただ邁進(まいしん)してきた上の世代とは、戦う理由が違うということです。

そして、まさに「これをやれば成功する」という黄金律がない時代の今だからこそ、自分だけにしかできないことを突き詰め、楽しみをお金に換えていくことができる「乾けない世代」は強いのです。

あなたの心と身体のなかにも、まだ目覚めきっていない無数の可能性がざくざく眠っているはずです。

どんな人の中にも、その芽は眠っています。

あとはそれをいかに見つけ、どんな嵐がきても、まっすぐ成長させていけるかどうかです。』

『「ビジネスはアイデアが大事だ」とうたわれるようになって久しいですが、今はユーザーの潜在的な欲求や、購買意欲のツボである「インサイト(新しい視点)」をすくい上げる時代です。

10代を中心に大人気のSNS「スナップチャット」を立ち上げた社長は、開発当時はまだ22歳でした。

このことからも、いかにユーザーの目線で、「これがあると今までよりちょっと便利になる」とか、「人よりもかっこがつけられる」というような、潜在的な欲求を探し当て、体験をプロデュースできるかに、ビジネスの焦点が当てられているのがわかります。』

アメリカでは10代や20代から会社を立ち上げ、成功して莫大な資産を築いている起業家が多くいる。

それは例えば…

Facebookの創業者、マーク・ザッカーバーグは20歳で創業し、現在の推定資産額は約4兆円。

Instagramを創業したのは当時27歳だったケビン・シストロム。わずか8週間で開発したというが、その総資産は約400億円。

YouTubeを創設したのは当時28歳のチャド・ハーリー。株をGoogleに売却し、資産は約400億円。

「乾けない世代」こそが希望。

才能ある若手の活躍を、心から応援できる大人でありたい。



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