2019.11.6 |
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辻仁成の人生の十か条 |
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作家、辻仁成氏の心に響く言葉より…
運がいいね、と誰かがいいます。
悪い気がしませんが、この「運」はいつどの瞬間にやってきたのでしょう。
運のいい人というのは楽観的な人に多い気がします。
運を呼び寄せる人というのは、最初からいい運だけを見ている。
言い換えれば、運がやってくることを疑わない人です。
運がないと言い続けている人は「運がない」と言い続けたからこそ運に見放されるんじゃないかな、と少年ながら思ったことがありました。
「大丈夫、絶対なんとかなるよ」と、どんな逆境にいても言い続ける人がいます。
この根拠のない確信こそがその人に「運」を運んでいるのかもしれない。
「うまくいかないのはすべて世の中のせいだ。俺は間違っていない」という人にいったい誰が「運」を運ぶでしょう。
ということは、「運」は「運」じゃなく、人間が自ら引き寄せているもの。
そう考えるとちょっと未来が明るくなりますね。
自らの力で運を切り開く。
運気を上げていきましょう。
運命は定めですから、もうダメだ、と思えば、もうダメでしょう。
運命は命を運んでいるということだから、うまく運べば違う運命に出会えるかも。
そういうものだと思えば、恐るるに足りない。
不意に訪れる事故も確かに運命です。
「運命には逆らえない」というのは本当だと思います。
本当だからこそ、小生はわずかな可能性を信じて努力をし続けよう、と大人になった今、悟ったのです。
たぶん、死ぬまで、運命と本気で向き合うつもりです。
いつか運命を手懐(てなず)けてやるぞ、ぐらいの気持ちで。
まだまだ、最後までわかりません。
いくつもの小さな結果が積み重なって、一生となります。
そして、一生の最後に訪れる結果こそが運命なのでしょうね。
《幸せ基本十か条》
その一。 自分を不幸と思うべからず
その二。 不平愚痴に不幸は近寄るなり
その三。 幸せな人たちに紛れ込むべし
その四。 小さな幸せかき集めるべし
その五。 一人きりを避け、自己否定の禁止
その六。 楽しいこと計画すべし
その七。 暗い歌口ずさむべからず
その八。 明るい未来イメージすべし
その九。 不幸に慣れるな
その十。 不幸そうなものが近寄ってきたら笑顔バリアー発動
『人生の十か条 (中公新書ラクレ 634)』
運のいい人は、事故にあっても、病気になっても、「この程度ですんで運がいい」という。
そして、少し経ってから、このことがあったら今の自分がある、「ありがたい」と感謝までする。
しかし、運の悪い人はこの逆だ。
事故にあって運が悪い、病気になってツイてない、という。
そして、後から、「あのことがなければ、今はもっとうまく行っているのに」、と嘆く。
同じような事が等しくみんなに降り注ぐのに、ある人は「運がない」と嘆き、ある人は「運がいい」という。
人生とは、見方、捉え方によりどうにでもなる。
好転もできるし、悪化したり暗転もできる。
それが、日頃の口癖や、考え方の癖や習慣。
本当は、幸も不幸も、運も不運もない。
その人の、見方、考え方、捉え方次第で、どちらにもなる。
自ら運を引き寄せる人でありたい。 |
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