2019.9.27 |
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「苦じゃない」という基準 |
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ひろゆき氏の心に響く言葉より…
《「好きなことで、生きていく」という考えに囚(とら)われない》
そもそも仕事って、誰かがやりたくないことを代わりにやって、お金をもらうという場合が多いです。
それに、「やりたいこと」や「天職」なんて、自分ではなかなかわからない。
すごくやりたかった職業でも、実際就いてみたり、しばらくやってみたりすると、なんだか思っていたのと違うな…なんて、よくあることです。
プログラマーなんかも、働くことが嫌いな人のほうが向いているんですね。
プログラムが大好きな人は、自分でアルゴリズムを考え始めちゃったり、いかに早くするかばかり検討することに時間や労力をかけてしまうんです。
でも、プログラムは、「自分の手をいかにかけずに、コンピュータにやらせるか」を考えるものであって、すでに作られたものをコピペして使っちゃうような人のほうが仕事が早いんです。
だから、「やりたいこと」と意気込むよりも、「やっていて苦じゃないな」くらいを基準に仕事を探せばいいんじゃないかと思います。
基本的に、あんまり簡単すぎると飽きてしまうし、難しすぎると苦痛に感じるので、自分の力よりもほんの少しレベルが高いくらいの仕事が、クリアしたときの適度な達成感が得られておすすめです。
そういう意味で、「まぁ苦痛じゃないな」くらいの距離感が適当だと思います。
あと、好きな仕事ややりがいを感じる仕事には、搾取されやすいという落とし穴があります。
アメリカ社会は企業が従業員を解雇しやすい仕組みで回っているんですが、意外なことに失業率は約4パーセント。
一方、解雇しにくいフランスはアメリカよりもずっと高く約9パーセント。
解雇しづらいから最初から人を雇わないようになってしまっているんですが、そうすると足りない労働力は外注することになる。
日本も解雇しづらい社会なので、そういった流れになっていくと思います。
外注なら、残業や解雇にも細かな決まりごとがなく働かせ放題ですからね。
そして、こういうときに搾取されやすいのが、アニメーターやゲームクリエイターやプロゲーマーといった、やりたい人がたくさんいる仕事。
2019年の6月から7月にかけて、民間の生命保険会社が中高生に「将来なりたい職業」を聞いたところ、男子の上位には、ITエンジニア・プログラマー、エンジニアや公務員と堅実的なものに並んで、プロeスポーツプレイヤーやゲームクリエーターなどが入っていましたし、女子の上位には公務員や看護師などとともに、絵を描く職業(マンガ家、イラストレーター、アニメーター)や芸能人が入っていました。
こういった多くの人が憧れる職業は、安くてもやりたいという人もいるために、低賃金構造から抜け出しにくいんです。
だから、こういった好きなことを本業にしてしまうのはツライですね。
これからの時代は、趣味なり本業とは別の副業なりを持っておいたほうが、自分だけの絶対的な幸せを手に入れやすいと思います。
趣味のつもりでもSNSで公開していたマンガがバズッて出版社から声がかかって単行本化。
本業よりも儲かっているなんて“ワンチャン”も起こりえる時代ですしね。
『凡人道 役満狙いしないほうが人生うまくいく』宝島社
美輪明宏氏は、「お給料はガマン料」と言った。
キツイことに耐えるからこそ、お金がもらえるのだ、と。
昨今の風潮、「好きなことして、生きていく」とは真逆の考えだ。
そして、美輪氏は、「あなたのために用意された仕事」などない、とも言う。
だから、文句を言うのではなく、その仕事の中に楽しみや喜びを見つけるという考え方が大事なのだ、と。
これは、仕事だけではなく、ありとあらゆる自分の身に起こる事象について言えること。
道に咲いている小さな花を見て、しみじみ幸せを感じる人もいれば、見ても何も感じない人もいる。
そこに、プラスの面を見つけてそれを面白がったり、楽しんだり、あるいは感謝するのか、それともマイナスの面を見つけ出して愚痴や泣き言や文句ばかりをいうのか。
すべての事柄は自分が選んだり自分が決めたりしたことではなく、「天から与えられたもの」、「(輪廻的にいえば)自分が生まれる前から決めてきたこと」、ということに気づくと気が楽になる。
だからこそ、「おかげさま」とすべてのことに感謝できる。
すべてのことを、好きだとか、嫌いだとかではなく、そこに楽しみや面白みを見つける。
すると、「苦ではない」「嫌いではない」という気持ちに行きつく。
「意気込む」「気合を入れる」という生き方もいいが…
淡々と生きる「苦ではない」という生き方も素敵だ。 |
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