2019.9.23 |
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出世のススメ |
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角田陽一郎氏の心に響く言葉より…
今「出世」は「立身出世」の意味で使われることがほとんどです。
しかし、本来は「世を出る=仏門に入ること」を意味していました。
「出世」と「出家」は同じ意味だったのです。
2019年、元号が「令和」に変わりましたが、今、新しい時代を迎えたのは偶然ではない気がします。
人間本来の生き方も、20世紀の「大量消費を是とする資本主義」から新たなパラダイムへと急速に移行しつつあります。
社会にある既存の枠組みを「フレーム」と呼びますが、そのフレーム自体が大きく変わってきているのです。
今までの変化は、あくまで「フレームの中での変化」です。
でも、これからは「フレーム自体の変化」なのです。
そんな中、僕たちはどう生きるのか?
何を選択するのか?
僕は思うのです。
「出世」を立身出世ではなく本来の意味で捉える、すなわち「フレームから抜け出す」と再定義することが現代人に必要なのではないか…と。
これからは「自分というフレーム」に固執しないことです。
自分のフレームの中で考えず、移動しながら自分の思考のフィールドを広げていって、そこに渦ができたのならば身を任せ、巻き込まれてしまってもいいと思うのです。
あるいは自分が渦になって人を巻き込む。
これまでは、あるフレームの中で揺るぎない確信を持っている人が「頭がいい」と思われがちでした。
でも僕は、「いろいろなことが揺れまくるこのご時世、むしろ揺るぎない確信を持つ人ほど時代とブレるでしょ!」とさえ思います。
もうフレームはないのです。
人の渦(ヴォルテックス)はいたるところで発生します。
「渦の揺れに合わせて揺れまくる」くらいが時代の波に乗りやすいはずです。
『「中の人」から「外の人」へ 出世のススメ』日本実業出版社
角田氏は、『現代は「異常な生き方」が普通になる時代』、だという。
これほど、世の中の変化が激しいと、現状維持を目指している人は、あっというまに置いていかれ、浦島太郎状態になってしまう。
だから、人から見て、異常だとも思える生き方こそが、生き残る道となる。
「今までと同じことを繰り返して、違う結果を期待するのは狂気の沙汰」(大野百合子)
という言葉がある。
違う結果を出すには、「異常」「べらぼう」「とてつもない」「桁外れ」「異例」「へんてこ」「バカみたい」等々の「人と違った」を行動を起こすしかない。
人の生き方には大きくわけて二つあると思う。
一つ目は、子どもの頃からの夢を一心不乱になって努力し、それを実現するやり方だ。
イチローや、多くのアスリート、あるいはパイロットになりたいなどの夢の実現だ。
これが、角田氏のいう「揺るぎない確信を持つ人」。
もう一つは、「人から言われたことや頼まれたこと」などを淡々とこなしていく、という「渦に身を任せ、巻き込まれていく」生き方だ。
この生き方は、自分が思ってもみない方向にどんどん進んでゆく。
まさに、角田氏のいう「渦の揺れに合わせて揺れまくる」 からだ。
大変化の現代、「パイロットになりたい」という子どもの頃からの夢も、自分が大人になったときには、飛行機も自動運転でパイロット不要になるかもしれないし、飛行機そのものの概念も変わってくるかもしれない。
もちろん、そういう夢を否定する訳ではない。
しかし、これからは「渦の揺れに合わせて揺れまくる」 生き方の方が生き残りやすいのは確かだ。
それは、人からの頼まれごとを淡々とこなしてゆくという生き方でもある。
ただし、自分を高めていない人には、頼まれごとはやってこない。
ただ漫然と冗長に生きている暇な人に、頼む人はいないからだ。
「出世」をして、新たな生き方を見つけたい。 |
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