2019.9.15 |
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バカなことをしよう |
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宇野千代氏の心に響く言葉より…
世間には人に笑われることを、しんからいやがる人があります。
しかし、人に笑われるのはそんなにいやなことでしょうか。
何か、とにかく今日から始めようと思うときには、何しろ何も知らないのに今日から始めるのですから、よく知っている人から見たら、どこかへんてこな、おかしなことがあるに決まっています。
そうではありませんか。
まぁ何に限らず、そういうものですね。
しかし、一ぺん人に笑われたら、あとは笑われた者の得だ。
私はそんな風にも思います。
あなたはあなたの一生の間に、一度もバカなことをしないで、暮らす積もりなのですか。
そんなことが出来るくらい、あなたは悧巧(りこう)なのですか。
私はあなたに、一度か二度くらいは、バカなことをしてごらんなさい、と言いたいのです。
私は一度か二度ではなく、四度も五度も、とてもバカなことをしたものですが、その度に、あっ、またやったな、と思って、その瞬間から、あと戻りして、やり直したものです。
あなたはバカなことをしたら、一生、とり返しがつかない、とでも思っているのですか。
人生とは、そんなに不自由なものではありません。
バカなことはしたくない、と言う気持ちの中には、バカなことをして、損をするのはバカらしい、と言う、損得の感情がひそんでいるのではないか、と思うのですが、どうですか。
あなたは吝嗇(けち)なのです。
物質的な意味ではないが、精神的な意味では吝嗇なのです。
その吝嗇な心をもって、人生の大きな損をとり逃がすようなことがあるのではないかと、私はそれを惧(おそ)れているのです。
『幸福は幸福を呼ぶ (集英社文庫)』集英社文庫
小林正観さんは、「毎日がむなしい」「毎日がつまらない」「自分が嫌い」という人が、した方がよいことがあるという。
それが、「バカなことをする」こと。
バカなこととは、金銭的、経済的に、まったくプラスにならないこと。
バカなこと、一銭にもならないこと、誰にも評価されないことを一生懸命にやること。
すると、自分が愛(いと)おしくなり、心が豊かになる。
アントニオ猪木氏のこんな詩がある。
「馬鹿になれ
とことん馬鹿になれ
恥をかけ
とことん恥をかけ
かいてかいて恥かいて
裸になったら見えてくる
本当の自分が見えてくる
本当の自分も笑ってた
それくらい 馬鹿になれ」
たまには、思い切ってバカなことをしてみたい。 |
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