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2019.9.2

敵対しないで受け入れる

精神科医、作家、樺沢紫苑氏の心に響く言葉より…

病気は人生のパートナーと考えられるようになると、自分が病気であることのストレスは消失するのです。

病気と闘おうとすればするほど、「病気であることのストレス」が、大きくのしかかってくるという矛盾。

病気を受け入れ、「一生、病気と共に生きていこう」という覚悟は、そう簡単にできるものではありませんが、そういう考え方ができるようになったことで病気を乗り越えた、真の意味で「治癒」した、と言えます。

これは、「病気」以外の避けられない悩み事についても同じです。

変えられないことと闘うのが最大のストレスですから、闘えば闘うほど状況は悪化していきます。

しかし、その「悩み」や「問題」を受け入れた人は、うそのように「苦しい」状況から解放されるのです。

「受け入れる」とは、「闘うことをやめる」のと同じです。

「腹をくくる」「ジタバタしない」と言ってもいいでしょう。

「受け入れる」と正反対の状態が「敵対する」です。

「敵対心」は、あなたを苦しくします。

敵対心が強いと、ストレスホルモンであるアドレナリンとコーチゾールが高くなるからです。

敵対心が強い、何事にも腹を立ててイライラする。

ほかの人と自分を比較して、敵対心を燃やす。

そうした人たちの25歳から50歳までの死亡率は、敵意を習慣的に持たない人と比べて4倍、ないしは5倍も高くなります。

敵意の強い人、よく他人を攻撃する人。

そういう人は、人に「苦しい」をぶつけているようで、実は自分自身を、より「苦しい」状況へと追い込んでいるのです。

ご注意ください。

『「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ~ 「つらい」を科学的になくす7つの方法~』あさ出版


良寛和尚が71才の時、三条市を中心に大地震が起こった。

そのとき知人にこんな見舞の手紙を送っている。

「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候  死ぬる時節には死ぬがよく候  是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候」

災難にあったらジタバタせず、腹をくくって災難を受け入れなさい。

死ぬ時が来たら、あわてず騒がず、淡々と死を受け入れなさい、これが災難を逃れる唯一の方法だ、という意味。

すべての災難は、腹をくくると、気持ちが落ち着く。

「しかたなし」という、むしろ前向きな意味での「諦(あきら)め」だ。

「災難は、敵対しないで淡々と受け入れる」

それが、災難をのがれる最良の方法。



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