2019.7.25 |
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自分の価値を最大化する方法 |
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頼藤太希氏の心に響く言葉より…
ビジネスの場においても、ここ10年くらいで「ゼネラリストよりもスペシャリストを目指せ」「会社員として働くより、フリーランスとして働く」ということが意識されるようになっています。
どのチーム、どのコミュニティに入ってもそつなくこなせる…ではなく、それぞれの「個」を活かした活動がフォーカスされる時代なのです。
個を活かすということは、結果としてチーム力やコミュニティ力を高めることにつながります。
ゆえに「個を大事にしよう」という考え方です。
誰ひとりとして、同じ人間はいません。
ですから、個性は絶対的に、本質的に備わっています。
「〇〇といえばこの人」といった特徴がどんな人にもあるのは、当然といえば当然です。
ここで、ひとつの疑問がわいてきませんか。
なぜいまさら「個性を大事にしよう」という風潮になってきてるのでしょう。
かつては、なぜ「没個性」であることが、ある意味「よし」とされていたのでしょうか。
その理由は、日本の文化・環境にあります。
国や企業は代えが効く人間を必要としていたからでしょう。
企業文化にフォーカスすれば「没個性」、つまり平均的な人間が求められていました。
平均的というと、言葉が正確ではないかもしれません。
より適切にいえば、万遍なく一定のクオリティで業務をこなせる人間がよいとされてきたのです。
日本の以前の企業文化といえば、「終身雇用」「年功序列」「ゼネラリスト」が当たり前でした。
こうした文化は現在進行形で少しずつ変わってきていますが、かつてのままの企業もたくさんあります。
ひとたび会社に就職すれば、その雇用は将来にわたり約束され、長く働けば昇格・昇給していき、定年まで勤めあげれば、まとまった金額の退職金を受けとることができる。
満遍なくひと通りの業務を、一定のクオリティで遂行できれば、会社員生活は安泰だったわけです。
高度経済成長からつづいたこうした企業文化に影響を与え、変化を起こした要因のひとつは、米国の「実力主義」「成果主義」でしょう。
「年齢やキャリアに関係なく、結果を出した人間を評価する」「仕事を長時間するよりも、決められた期限内に成果を上げる」という考え方です。
この考え方は、日本の企業にも浸透しつつあり、平均的である人間よりもスパイキーな(尖った)能力を磨き、特定の分野で突出すること(スペシャリストであること)や、プロセスよりも結果を出すことがフォーカスされるようになっています。
そして、勘違いしてはならないのは、ナンバーワンになるのが目的ではなく、オンリーワンのスキルを身につけて、すばらしい結果を出すということです。
ロボットやAIが台頭してきたことも、この考え方を後押ししている要因でしょう。
ロボットやAIには望めない人間力や、人間ならではの感性を活かした能力、スキルが求められる時代になってきています。
まさに「個の力」が求められる時代が到来しているのです。
平成が終わり、令和の時代がはじまりました。
令和はまさしく「個の時代」といえます。
平成の時代では、SNSの登場で、個の力を世の中に簡単にアピールできるようになりました。
Twitter、Facebook、Instagram、YouTube、blogなどが代表的なものです。
SNSが登場した当初は、インターネットを介して人と交流したり、プライベートの情報を共有したりすることがメインのツールでした。
それがいまや、誰もがスマホやタブレットを使いこなし、いつでもSNSにつながるようになり、ビジネスでも積極的に活用されているのはご存じのとおりです。
そしてSNS上での評価が、製品の人気や売り上げに大きな影響を及ぼしているのです。
個が与える影響力は年々増しています。
たとえば、グルメサイト「食べログ」にはユーザーの口コミと写真があふれています。
どれものが消費者目線のレビューであり、レビューを参考にして飲食店選びをする人が多くいます。
同様に「Instagram」も個の影響が大きいツールです。
飲食店で個人が撮影した料理の写真、ガイドブックには載っていない観光スポット、見映えよく加工された写真などが並び、その写真たちが新たな消費行動を刺激しています。
『SNS時代に自分の価値を最大化する方法』河出書房新社
頼藤太希氏は本書の中でこう語る。
『個の力はそれだけで職業にもなっています。
個をアピールして、ファンを増やしそれが仕事になった典型としてはYouTuber(ユーチューバー)があります。
「HIKAKIN(ヒカキン)」さんや「はじめしゃちょうー」さんといったYouTuberが有名で、いまや彼らを知らないという人を探すほうが大変なほど、職業として認知されてきています。
「個のそれぞれの力」を、「自分の価値」と呼ぶことにします。
これからは、「自分の価値」×「SNS」で、誰もが活躍できる可能性がひろがっている時代になっていきます。
とはいえ、SNS時代で活躍するには、「自分の価値」をどんどん高めていくことがきわめて重要です。
SNSの投稿テクニックで一時的にちやほやされたとしても、自分の価値を高める努力を継続的にしていかなければ“化けの皮”はすぐに剥(は)がれ、将来にわたり活躍していくことは難しいからです。
いっぽうで、自分の価値がどんなに高くても、SNSを巧みに活用できなければ、あなたの個としての影響力は大きくはなりません。
伝え方とは、キャッチコピーだけの世界ではありません。
見せ方も重要です。
現に何十万人、何百万人と言うフォロワーを誇る人たちを見てみると、実力や実績があることはもちろんですが、投稿している写真やプロフィール文、文章、タイトルなど、どれをとっても「見せ方がひじょうにうまいなあ」と感心します。』
いつの時代も、どんなに価値があろうが、それが伝わらなければ無いのと一緒。
現代は、SNSを使うか使わないかによって、さらに格差が顕著(けんちょ)になっている。
常に自分の価値を高める努力をしているか…
自分の価値を最大化する方法を常に模索する人でありたい。 |
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