2019.7.22 |
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パラレルキャリア |
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成毛眞氏の心に響く言葉より…
メインの仕事とは別で、副業や社会貢献に打ち込む「パラレルキャリア」の広がりが時代の流れになっているのは周知のとおり。
パラレルキャリアは経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した概念で、「現在従事している仕事とは別の仕事を持つ事や、非営利活動に参加すること」を指す。
教育改革実践家の藤原和博さんは「1万時間の法則」を唱えている。
これは対象が何であろうと、1万時間かけて訓練すればマスターできる、というものだ。
ちなみに22歳から60歳まで働いた場合、職場にいる時間は、残業を除くと平均で7万時間弱。
何かを取得するためには、職場にいる7分の1くらいの時間は少なくともかけなければならない、ということだ。
これからの日本社会では、人口動態が大きく変わる。
一方でAIやビッグデータなどテクノロジーの進展もめまぐるしい。
20年後、30年後どころか、10年後に我々が住む社会が、会社が、仕事がどうなっているか、誰にもわからない。
「さすがに10年後くらいならわかるだろう」という人は、ちょっと前まで「iPhone」がこの世になかったことを思い出してほしい。
環境が激変する時代には、柔軟に対応する能力や、変化を楽しめる視点が今まで以上に重みを増す。
決して変化を恐れてはいけない。
それなのに、同一の価値観を持つ人とだけ過ごしていては、変化に対応する能力や好奇心を培えない。
今、目の前の仕事に没頭している人も、仕事以外のライフワークを持つことをここでおすすめしたい。
終身雇用に基づいた安定神話が完全崩壊し、副業解禁の一方で、国や企業に護ってもらえない時代の到来。
それを不安がる声が多く聞こえてくる。
果たしてこれからどうするか。
進む道をどう「決断」するか。
誰にとっても悩みだが、特に40代以上の世代には重くのしかかる。
フットワークが鈍る一方で、下手な知恵や見栄まで付いてくる年代だからだ。
もちろん、あなたが身を置く業界や立場によっては「逃げ切れる」のかもしれない。
しかし、そもそも「逃げ切れる」という発想が旧態依然としたものであることに、ここで気付いてほしい。
ベストセラー「ライフシフト」によれば、人生を教育、勤労、引退の3つのステージで考える時代はもはや現実的でなく、まもなく終わるとされる。
人生100年時代には、定年後の時間があまりにも長く、それでいて、安穏とした引退生活を送ることが容易ではないからだ。
人生というものはどんなに綿密な計画を立てても、決して予定どおりにはいかないものである。
これまでに世界が歩んだ歴史が証明していることでもあるが、来るべき超高齢化社会によって、これまで以上に外部環境が大きく変わるなら、それはなおさらだ。
あくまで大事なのは、人間とは、いつまでも、どのような状況でも、成長することができるという視座だ。
それを持つことができるかどうかで、その人生が大きく変わってしまう。
おカネや人脈、楽しみというものは、そういう視座を持つことで、後から付いてくる。
それで死ぬまで充実した、満足のいく人生を送れるだろうし、環境がどんなに変化しても生き延びることができるだろう。
雑誌やネットでは「AI時代に必要なスキルはこれだ」などと特集されている。
ここで断言するが、そんな時代に通用するわかりやすいスキルなど、この世に存在しない。
既存の産業や社会が行き詰まりを見せる日本では、これから「見たこともない景色」が広がることになる。
昨日までの正解が、次の日には不正解となるかもしれない。
しかし、目の前の変化に柔軟に対応し、挑戦を続けていれば、きっとあなたの「決断」も幸せなものとなるはずである。
『決断-会社辞めるか辞めないか (中公新書ラクレ 660)』
パラレルキャリアとは、ドラッカーが1999年に発表した著書『明日を支配するもの』の中で提唱した概念だ。
今から約20年も前に発表した考え方なのに、いまだに新しい。
本業を持ちながら、第二の活動をすることという意味だが、第二の活動の範囲は広い。
ボランティア活動や別の会社への参加(副業、役員、顧問など)または、自営業(起業)など。
そして、ドラッカーは、「歴史上初めて、組織より人間の寿命が長命になったため、第二の人生をどうするか考える必要が出てきた。」といった。
今や、組織の寿命が25年以下と言われる時代となってしまったからだ。(以上、BizHintより抜粋引用)
昨今、働き方改革などでよくいわれる「副業」との違いは、収入の発生しない活動が含まれること。
それらの活動は、主として自分の価値を高めるためや、スキルアップ、社会貢献、あるいは人脈をつくるために行われる。
もちろん、収入の発生する仕事でもそれが得られるのがベストであることは言うまでもない。
変化が加速すればするほど、組織の寿命は短くなる。
人生100年と言われる今、今後ますますパラレルキャリアが必要とされる時代となってきた。 |
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