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2019.7.11

社会的報酬とは

脳科学者、中野信子氏の心に響く言葉より…

人間の脳が快感を覚えるのは、報酬系の回路が活動をした時。

この報酬系をなんとか活動させようと、人間は必死に行動をします。

その快感の中には、「社会的報酬」というものがあります。

昇進が決まって嬉しい、上司に仕事ぶりが評価された、自分は〇〇さんにこんなに評価されている…など。

社会的に評価されることによって感じる喜びのことです。

この社会的報酬は、人間にとって大きなウェイトを占め、さまざまな行動の原動力になります。

特に、男性は新しい刺激や快感を好む「新規探索性」が強く、自分が満足する社会的地位にいるかを確かめたいという欲求が強いのです。

キャバクラが好きな男性は、お姉さんたちから「〇〇さんって、すごーい」「なんか好きになっちゃいそう」と言われたくて行くのではないでしょうか?

キャバクラを選ぶのは、言語による快感を求めているということ。

慣れているお姉さんは、お客さんに「社会的報酬」を与えることが上手なのです。

そして、男性は彼女たちが与えてくれる疑似的な「社会的報酬」を買いに、キャバクラへ行くのです。

また逆に言うと、「聞く力」は相手の心をつかみます。

人は自分を深く理解してくれる人に感謝の気持ちをいだき、その感謝の心を示したいと思うもの。

科学的に言うと、「あの人はすごい!」と誰かに認められるような「社会的報酬」を求める生き物なのです。

大きな快感を覚える脳の報酬系は男性のほうが女性より活発な活動をしています。

男性の方が自尊心を満たそうとする傾向が、より強いのです。

話をよく聞くことは、相手の自尊心を満たします。

それが、相手の信頼を得て、心をつかむ第一歩になるでしょう。

『生きるのが楽しくなる脳に効く言葉 (カリスマの言葉シリーズ)』セブン&アイ出版


人は、ほめられたくて仕方がない生き物だ。

男性がキャバクラやスナックに行くのは、ほめてもらったり、認めてもらったりするため、すなわち「(疑似的な)社会的報酬」を得るためだという。

ほめてもらったり、認めてもらうことを「ストロークをもらう」という。

(疑似的ではない)ストロークをもらうのが上手な人は、日頃から他の人にもストロークを与えている。

「いつも微笑みかけている」「(ちょっとしたことでも)ありがとうと感謝する」「話を聞くのが上手」「挨拶がさわやか」「言葉に愛がある」そして、「ほめるのが上手」。

それらが自然にできる人を、自律した大人という。

その反対に、否定的なストロークというのがある。

「威張る」「怒鳴る」「上から目線で命令する」「非難する」「グチや不平不満を言う」「悪口や文句を言う」「(バカとか)汚い言葉を使う」「殴る」。

たとえ、ゴマをすったり、へつらったり、媚(こ)びたりする人がまわりに何人集まったとしても、そういう人からは本当の意味でのストロークはもらえない。

自分から与えることをしない人は、人からももらえない。

それを「返報性の原理」という。

自律した大人を目指したい。



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