2019.6.18 |
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誰にもできないくらい徹底して続ける |
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鍵山秀三郎氏の心に響く言葉より…
世の中には自分の仕事をただ漫然と、何の意義も価値も感じずにやっている人が何と多いことでしょうか。
そうではなしに、他人から見たらどんな些細な、取るに足りないことであっても、自分がやるからにはそこにしっかり意義と価値を感じ取ってやっていただきたいものです。
そうしたからといって一日や二日、一年や二年では何も変わらないかもしれません。
しかしこれが五年、十年、三十年と続くと、途轍もなく大きな差になってくるのです。
このことは私のこれまでの人生を踏まえて、皆さんに自信を持って言えることです。
その積み重ねは、ちょうど薄い紙を重ねていくようなものです。
一枚が二枚、三枚になっても大したことはありませんが、一万枚積み重ねたら大変な厚みになります。
それと同じなんです。
どうか皆さん方も人生に対して遠き慮りを持っていただき、薄い紙を重ねるように、些細なことを疎かにしないで積み上げていっていただきたい。
そう心から願っております。
人生にも仕事にも問題はつきものです。
会社も国も世界も、実にたくさんの問題が日々発生しております。
そこで勘違いしやすいのが、あんな問題が起こったから自分はこうなってしまった、というふうに問題のせいにすることです。
これは大きな見当違いで、問題が起きたことは問題ではないのです。
それにどう対処するか、それによって皆さんの仕事も、人生も変わっていくのです。
問題によって人生がダメになるということはありません。
すべて対処の仕方です。
もちろん、そこで失敗することもあるでしょうが、失敗することは問題ではありません。
私など失敗だらけです。
しかし失敗からすべて学んできました。
ですから、失敗がすべて次の成功へのエネルギーになったのです。
失敗を恐れて何もしないことのほうがよほどいけない。
ミケランジェロは、
「最大の危機は、目標が高すぎて達成できないことではない。目標が低すぎて、その低い目標を達成してしまうことだ」
と述べています。
イギリスの首相を務めたベンジャミン・ディズレーリは、
「いかなる教育も、逆境から学べるものには敵わない」
と言っています。
では、逆境に遭うことがすべてかといえば、そうではありません。
日頃から様々なことを通じて学んでいるからこそ、逆境から学べるのであって、何の備えもない人が逆境に遭うと、そこで潰れてしまいます。
やはり大事なことは、日々いろんな人や書物から学んで、それを自分の血肉にしていくことだと思います。
私にはこれといった才能はありませんが、本は本当によく読んできました。
鎌倉の円覚寺(えんがくじ)の初代管長をお務めになった今北洪川(いまきたこうせん)ご老師の『禅海一瀾(ぜんかいいちらん)』という本に、
「百萬経典(ひゃくまんきょうてん)日下之燈(にっかのとう)」
という言葉があります。
百万本のお経を読むほど膨大な知識を頭に詰め込んでも、実践しなければ、太陽の下のロウソクの灯と同じで全く役に立たないということです。
私はこの言葉にいたく感銘を受けまして、身につけた知識を少しでも実践に移すように努めております。
それは何も大それたことをする必要はありません。
毎日身の回りの掃除をきちんとする。
その日出会った方やご縁のある方に毎日欠かさずハガキを書く。
そうした目の前の小さな実践をコツコツと積み重ねていくことです。
こうした日常の本当に些細な、他人から見たらどうでもいいようなことであっても、それをコツコツと積み上げていく。
これが皆様方の人生を変えていくのです。
一日一日をどういう心構えで過ごしたか、皆さん方の人生は、その積み重ねのとおりにつくり上げられていくことを自覚する。
そうした深い慮りを持って、ぜひとも素晴らしい人生を切り開いていただきたいと願っております。
『続・凡事徹底』致知出版社
「十年偉大なり、二十年畏(おそ)るべし、三十年歴史なる」(幸せになる生き方、働き方)より。
という言葉がある。
まずは、十年続けてみること、これは偉大なことだ。
二十年継続することは、誠におそるべきこと。
そして、三十年続けると、それは歴史に刻まれる。
凡人が少しでも世に出るためには、小さなことをコツコツと積み重ねるしかない。
それも、一年や二年ではなく、十年、二十年と続けること。
このことしか、凡人が才ある人に勝つすべはない。
そのことを鍵山氏は「成功の秘訣は二つ。コツコツ」という。
それを、「凡事徹底」といい、言いかえれば、「誰にでもできる平凡なことを、誰にもできないくらい徹底して続けること」。
凡事徹底の実践を重ねたい。 |
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