2019.5.29 |
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100万分の1の「レアカード」になる |
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教育改革実践家、藤原和博氏の心に響く言葉より…
中高生にも、自分の希少性を高めて「レアカードになれ!」とアドバイスすることになります。
もう何度もこの手のキャリア教育の授業をやっているのですが、彼らなりに理解しますし、かなり納得感が高いようです。
安易に「みんな一緒」のほうにいくのではなく、「それぞれ一人一人」がユニークさを増していくような生き方。
同じピラミッド構造の中で競争するのではなくて、ユニークなポジションをとればいいのだということを解説していきます。
「レアカード」の一例として、私は「20年前には存在しなかった仕事の話」をします。
たとえば「アロマセラピスト」や「ネイルアーティスト」。
20年前、今よりは少数ながら「アロマ」をやっていた人はいたし、「セラピー(癒し)」も、昔からある仕事です。
マッサージ師もセラピー業だし、占い師も僧侶もそうでした。
でも、この「アロマ」と「セラピー」を組み合わせたところが新しかったのです。
同じように、昭和のお母さんたちだって自宅でマニュキュアをすることはありました。
でも、それをプロが施すアートにまで高めたから「ネイル」に芸術的な付加価値が付いて、よりレアな仕事になったわけです。
このように、2つの仕事を組み合わせることで、付加価値の高い“レアな仕事”を創造することができるということ。
今やアロマセラピストもネイルアーティストもごまんといますが、真っ先に始めた先駆者はほんの一握りのレアな存在で、大いに稼いだはずです。
彼らはレアな仕事をゼロから“創造”したのではなく、既存の仕事を組み合わせることで、レアな仕事を“編集”したことも注目したい点です。
結局、意外な要素を掛け算で「つなげる力」、つまり「情報編集力」がモノを言うのです。
希少性を高める方法を、私自身のケースを使って説明していきましょう。
私は大学卒業後、リクルート社に入社しました。
そこで、20代は「営業とプレゼン」の練習に1万時間をかけ、左足の軸を固め、100人に1人の営業マンになりました。
次に、30代の1万時間で、もう一つ「リクルート流マネジメント」という右足の軸を固め、さらに100人に1人のマネージャーになったのです。
これを掛け算すると、【100分の1×100分の1=1万】となります。
20代と30代で同じことをやっていたら、永遠に左足だけで立つのみの“点”になってしまいます。
30代で転職してもいいし独立してもいい。
サブワークをやる、留学をするなど、やり方はいろいろ。
同じ会社に勤め続けていても、種類が違う“軸となる技術”を学ぶことです。
広報と広告とか、営業と販売とか、人事と財務とか。
左足の軸の次は、右足の軸となる別の技術を身につけることが大切です。
今、それぞれの軸をつくるのに1万時間と言いましたが、1万時間というのは、ビジネス書で私が一番評価している1冊、「天才!成功する人々の法則」に出てくる数字です。
1万時間である仕事をマスターするというのは、1日3時間やれば年1000時間で10年かかるということ。
1日6時間取り組めるなら5年で達成可能です。
何の仕事であれ、5〜10年やれば仕事をマスターするというのは、通常の経験則からもずれてはいないと思いますが、いかがでしょう。
さらに、47歳からの5年間、東京都では義務教育初となる民間校長を務めました。
1日10時間は生徒の未来を拓くにはどうしたらいいかだけを考え抜き、実行と修正を繰り返しましたから、1年に200日以上で年に2000時間、5年で1万時間に達していたと思います。
ここでも100人に1人の校長になれたわけです。
これで【100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1】となり、夜空に輝く星座のような大三角形が完成したことになります。
《天才でない人が「希少性」を高めたければ、キャリアを3つ掛け算しましょう。》
《50代=100万人に1人というオリンピック・メダリスト級の「レアカード」を持つ。》
『藤原先生、これからの働き方について教えてください。 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方 (DISCOVER21世紀の学校)』ディスカヴァー
すさまじい変化の時代、個人としても、企業としても生き残るには、他と違っていなければならない。
それも、単に100人に1人くらいの変わりようではすぐさま埋没してしまう。
それが、1000万に1人なら、東京都で1人、日本でも10人しかいない特別な人材、と言うことになる。
希少性が増せばますほど、食べていける率は高まる。
そして、大事なことは凡人が希少性を身につけるには、組み合わせしかないということだ。
たとえば、サッカーや野球の世界で有名選手になるには、たぐいまれな資質と超人的な努力が必要となる。
凡人とはかけ離れた話だ。
『凡人に必要なのは、意外な要素を掛け算で「つなげる力」、つまり「情報編集力」がモノを言う』
100万分の1の「レアカード」を目指したい。 |
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