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2019.4.7

2020年人工知能時代の僕たちの幸せな働き方

藤野貴教氏の心に響く言葉より…

「20年後、あなたが望もうが、望むまいが、現在の仕事のほとんどが機械によって代行される」

GoogleのCEOラリー・ペイジが2014年に語った言葉です。

AIが人間をコントロールしてしまうような世界を私は望みませんが、世の中の大きな潮流として、「人の仕事が少しずつ置き換えられていく」ことは間違いな流れだといえます。

事実、AIは日進月歩です。

人工知能時代の働き方の3ステップである「知る」「使う」「創る」の段階を上り続けるために、まずはAIの最新情報について「知る」という場をたくさん持つことが重要です。

例えば…

《スキマ時間はニュースを見よう》

「人工知能 ニュースサイト」で検索すると、たくさんのメディアが出てきます。

お気に入りのサイトを見つけて、スキマ時間にちょこちょこっと読んでみましょう。

《アンテナの高いオピニオンリーダーのSNSをフォローしよう》

孫泰三さん、国光宏尚さん、田端信太郎さんなど、IT業界のオピニオンリーダーのFacebookをフォローするのも私がやっていることです。

彼らのシェアする情報から、「こんな変化が起きているんだ!」というトレンドを感じ取ることができます。

「公開」形式で投稿してくれていますので、友達リクエストを送る必要はありません。

あえて挙げませんでしたが、日経新聞を読むことはやはりおすすめです。

テクノロジーのことがわかり始めてくると、新聞に書かれている記事の「背景」を想像することができるようになります。

AIをはじめとするテクノロジーが進化していく2030年までの間に、それぞれの職種がどのような変化をしていくか、経済産業省が詳しくまとめたレポートがあります。

「新産業構造ビジョン〜第4次産業革命をリードする日本の戦略〜」という資料です。

政府の見解においても、AIの進化は私たちの仕事に大きな影響を与えることが予測されています。

「人手不足の解消」につながるが、「雇用のボリュームゾーンである従来型のミドルスキルのホワイトカラーの仕事は、大きく減少していく可能性が高い」とはっきり述べられています。

一方で、ビジネスのカタチも大きく変わっていくため、「新たな雇用ニーズを生み出していく」といわれています。

AIによってビジネスがどう変化していくかを考えながら、1人1人が自分の仕事を進化させることを政府も求めています。

このレポートでは、仕事を9つに分類して、「その仕事に就く人が増えるか減るか」という数字の変化を具体的に予測しています。

予測シナリオは2つあります。

1つは、国、産業、個人が今回起きているテクノロジーの進化に対応せずに、これまで通りの産業・雇用体系を続けた場合。

これを「現状放置シナリオ」と呼んでいます。

もう1つは、テクノロジー進化が与える影響を深く考え、産業・雇用を転換・流動化させた場合の「変革シナリオ」です。

「痛みを伴う転換をするか、安定したジリ貧を取るか」という厳しい言葉を用い、「転換するならスピード勝負」であると名言しています。

現状放置シナリオならば、735万人分の雇用が減ると述べています。

2015年の従業者数を3334万人と捉えていますので、このままいけば10人に1人が職を失うリスクがあると述べています。

変革シナリオにおいてもマイナス161万人。

つまり、いずれにしろ「従業員数」は減少するという予測がなされています。

これは働き手からしたら悲観的になりたくなる数字予測です。

しかし国全体で考えると、そもそも人口減少・高齢化により全体従業員数は減少していきます。

テクノロジーが進化しようがしまいが、「働き手の数」自体はもともと減少することが予測されていたわけです。

ですから、テクノロジーが人の仕事を奪うと考えるのではなく、「どうやってテクノロジーを活用して仕事を効率化させていくか」を考えることが、この数字から見える本質です。

そして、「テクノロジーには代替できない、人にしかできない仕事に、どうやって私たち1人1人の仕事を進化させていくか」を考えていくことが必要なのです。

それはつまり、「創造的に考えることが必要な領域」「身体性や感情が求められる領域」においては、まだまだ人間のほうがAIより優位だと考えることができそうです。

実は20世紀とは、「人間をロボット的にする時代」であったともいえます。

1900年代前半に自動車の元祖であるT型フォードが誕生し、「大量生産」の仕組みが生まれました。

たくさんの人間を同じ場所(工場や会社)に押し込め、同じような仕事をさせていくことが、大量生産の時代においては最も効率がよかったからです。

21世紀に入り、人間は気づき始めました。

「効率」だけではどうにもならない時代になってきたことに。

効率だけ追い求めても、幸せになれないんじゃないかという「感情」「疑問」が生まれると同時に、人間の「身体」や「心」が悲鳴を上げるケースも出てきました。

そういった人間の「気づき」とともに登場したのが、AIなのではないかと感じています。

AIが人の仕事を奪うといわれています。

しかし本質的には、「ロボット的な働き方」をAIが代替えしていく、という表現が正しいのではないでしょうか?

同じことをただただ繰り返す仕事や、効率だけが求められる仕事をロボットに任せたとき、人間の仕事が「楽に」なります。

創意工夫をしながら感情豊かに働くほうが、より仕事は「楽しく」なっていくはずです。

20世紀のとらわれから自由になり、「人間は人間らしい仕事をする」ことが人工知能時代の幸せな働き方です。

『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』かんき出版

孫正義氏は、新時代にどう生きるかについて述べている。(「平成から令和へ」インタビュー・Yahoo!)より

『これからも続く長いインターネットの歴史からすれば、平成の30年間というのは、まだインターネットが生まれただけ。そういうところだと思いますね。これからさらに広がりますから。』

『平成は失われた30年間。

日本は、まるごと下っていってしまった。

昭和末期の1980年代、日本が「電子立国」と言って、家電を中心にすごく自信満々な時期がありました。

そのときに、いわゆるソフトウエアのことをバカにしている人たちがいました。

僕らがいくら、「これからはソフトの方が大事ですよ。ソフトこそが頭脳で、ハードは言ってみればただの箱、道具にすぎません。ソフトが主役になる時代が絶対に来ます」ということを言っても、「ハードウエアこそが主役である」と。

いかがわしい若い小僧たちがソフトウエアだとはしゃいでいるけれども、わけがわからないし、アルバイトで雇って書かせておけばいいと。

そういう“大人”が多かった。

当時の日本の主流のビジネスマンたちは、モノをつくってなんぼ、モノづくりにこそ魂があるみたいなね。

結局、それが日本の決定的な遅れにつながったんですね。』

『インターネット自体は、植え込みの時代が終わり、昔でいう“読み書きそろばん”のような当たり前の存在となった。

これからは、収穫、ハーベストの時代です。

その収穫期において、収穫を大きく左右するカギとなるのは、やはりAI(人工知能)でしょう。

すなわち、AIが時代を明るくするカギにもなる。

もうAI以外の案件は持ってくるな、というくらい、今、僕自身もAI一筋です。

僕は今、もう99%、AIに集中している。

そのくらい振り切っても、世界ではなかなか難しい勝負になっています。』

『コンピューティングの世界には、性能を決める“3大要素”がある。

プロセッサーの演算能力、メモリー容量、それから通信するスピード。

それ以外の要素は全部誤差です。

その三つがそれぞれこの30年間で約100万倍になったわけです。

そして、ここから先、もう一度、約100万倍になるわけです。

中途半端に知っている人に限って「AIにも限界がある」「ムーアの法則はもう限界だ」とか、言いたがる人が多いんだけれども、僕は「バカか」と言っておく。

それはあなたの頭が限界にきているだけだと。』

『どんな時代でも、常に人に生きがいはあるわけですよ。

昔、機械がないときに人々は手で田植えをして、手で魚を釣って、手で土を運んでいたけれど、機械が登場しても職は奪われるどころか、むしろ新しい職が次々に生まれていった。

同じように、AIがどんどん人間の仕事をこなすようになっても、AIを道具として使って、AIとともに提案をしていくコミュニケーションの仕事が次々と誕生するはずです。

あるいは、AIによる代替で可処分時間が増えることによって、人はもっとアートやスポーツやエンターテインメントや料理といった、より人間らしいことに時間を費やし、生きがいを見いだしていくことができる。

逆に言うと、機械とAIができるような単純労働やルーティンワークは、そんなものをなんでわざわざ人間がするの?という時代が訪れる。

人間はもっと人間らしく会話をしようよ、触れ合おうよと。

人の温かみを感じるサービスや商品をリスペクトしようよと。

そういうことによって生まれる、新しい価値や新しい仕事、これはもう山ほど生まれてくるはずです。』

『日本の悪い癖は、自分たちがわかる過去の世界のことを本業と呼ぶ。

本業からはみ出すやつは危険なやつだと、邪道だと、すぐに言いたがって、いかがわしい目で見るわけです。最近で言うと、「月に行く」と言いだすと、メディアもよってたかって厳しい目を向けたりね。

いや、確かに彼らはいかがわしいですよ。

でも、そのいかがわしさが必要なんですよ、堰を越えて波に乗るためにはね。

新しい文化というのは常にいかがわしいところから生まれる。

ビートルズだって、当時、僕らが子どもだったころは、いかがわしいと。

あんなのを聴いたら不良になると言われたわけですよ。

でも今では音楽の教科書にも出てくるでしょう。』

『だから、今の大人たちも、全員とは言わず一部でもいいから、いかがわしい若者のエネルギーに対して、「もしかしたら、これが日本の未来にとって必要なことかもしれない」というふうに、理屈で理解できなくても直感で感じ取って、励ましたり応援したりする許容力をぜひ持ってほしいなと思いますね。

励ますというのは、なにか政府予算をつけるだとか、そういうことではなくて、たとえば「いいじゃないか」と言うだけで、それだけで空気は変わっていくんです。』

時代はすさまじい勢いで変わっていく。

そんなとき大人たちに必要なのが「いかがわしい」と思える若者たちの新しいチャレンジに対し、好奇心を持ち、それを応援すること。

「2020年人工知能時代の僕たちの幸せな働き方」

新たな時代に限りない好奇心を持ち、未来にとって必要なチャレンジを応援できる人でありたい。



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