2019.4.3 |
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どんな人と一緒になっても、どんなことに出くわしてもつぶされない人格をつくる |
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致知出版社、藤尾英昭氏の心に響く言葉より…
我われは遠くから来た。
そして遠くまでいくのだ…。
若年期に出合ったこの言葉をいまも時折思い出し、口ずさむことがある。
ゴーギャンの絵に「我われはどこから来たのか。我われは何者か。我われはどこへ行くのか」と題された作品があるが、これに由来してつくられた言葉なのかもしれない。
太古から今日まで、生命は一貫して二つの原理によって存在している、という。
一つは代謝であり、もう一つはコミュニケーションである。
代謝によってエネルギーをつくる。
コミュニケーションによって新しい生命を生み出す。
この二つの原理によらなければ、あらゆる生命は存在し得ない。
この生命を生命たらしめている二つの原理は、人間の幸福の原理と対をなすように思われる。
即ち、あらゆる面で代謝(出と入)をよくすること、そして物を含めた他者とのコミュニケーションをよくすること。
そこに人間の幸福感は生まれるのだ。
聖賢の教えは、極論すれば、この二つを円滑にするための心得を説いたもの、とも言える。
脳の専門医、林成之氏は、どんな人の脳も三つの本能をもっている、という。
一つは「生きたい」
二つは「知りたい」
三つは「仲間になりたい」
という本能である。
この脳の本能から導き出せる「脳が求める生き方」は一つである。
「世の中に貢献しつつ安定して生きたい」
ということである。
脳の本能を満たして具現するこの生き方は、そのまま人が幸福に生きる道と重なり合う。
そこに大いなる宇宙意志をみる思いがする。
遠くから来た私たちは、宇宙意志のもとに、幸福を求めて遠くまで歩み続けているのかもしれない。
最後に、四十年ハガキ道を伝道してきた坂田道信さんの言葉を紹介する。
「どんな人と一緒になっても、どんなことに出くわしてもつぶされない人格をつくり、幸せに楽しくいられるような人になりたい」
大人の幸福論を説いて、これ以上の言葉ない。
『小さな修養論』致知出版社
すべての人間は、この世に生を受け、そして、あの世に旅立つ。
その人生の目的は、生まれたときより少しでもましな人間になってあの世に行くこと。
それは、魂を磨き、人格を高めること。
その多くは、人間関係によってつくられる。
つまりこの世には、人間関係を学ぶためにやってくるとも言える。
だからこそ、人間関係は一筋縄ではいかないし、簡単ではないのだ。
「どんな人と一緒になっても、どんなことに出くわしてもつぶされない人格をつくる」
よく学び、よき仲間をつくりたい。 |
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