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2019.2.21

サブスクリプション・マーケティング

アン・H・ジャンザー氏の心に響く言葉より…

私は、ここ数年、自分の購買行動が微妙に変化しているのに気づいた。

「モノ」を以前ほど買わなくなったのだ。

断捨離をしたわけではない。

買わないのは、買う以外にも選択肢があるからだ。

以前なら購入していたようなものを、今はサブスクリプションという形で利用することができる。

音楽をよく聴くが、以前のように何枚ものCDを買ったりはしない。

DVDも買わずにネットフリックスかレッドボックス(米国のDVDレンタル大手)でレンタルする。

ネットフリックスかアマゾンのストリーミング配信サービスを利用することもある。

私のオフィスの棚にソフトウェアの箱やマニュアルがぎっしり詰まっていたのは過去の話。

ウェブサイト、メールのプラットフォーム、文書作成ソフト、マイクロソフトのoffice365など、ほぼすべてのものを私は定額料金で利用している。

こうしたデジタルサービスを利用できるのは、ブロードバンドとスマートフォン(この2つも定額制で利用)のおかげである。

また、以前からずっとサブスクリプション方式で契約してきたものもある。

地元のYMCAのメンバーシップと『ニューヨーク・タイムズ』だ…何が言いたいのか、おわかりいただけたと思う。

日々の生活で私はさまざまな選択をしなければならないが、多くの場合、選択肢の一つにサブスクリプションがある。

あなたの場合もたぶんそうだろう。

あなたは何種類のパスワードを使い分けているだろうか。

ますます拡大するサブスクリプションの世界にどこまで入り込んでいるか、パスワードの数から見当がつく(賢明な人なら、パスワードの増加というありがたくない状況に対処するため、パスワードの管理をしてくれるサブスクリプションサービスを利用しているかもしれない)。

これは世代という要素も関わっている。

成人した私の子どもたちは私よりはるかに多くのサービスを利用している。

半調理食品、衣類、カミソリの刃。

数え上げればきりがない。

私たちの社会は、サブスクライバーの社会になろうとしている。

サブスクリプションは判断を下すときの煩わしさを和らげてくれる。

所有や維持に伴う負担を軽減してくれる。

自動的、あるいは定期的にサービスが提供され、便利である。

また、サブスクリプションボックス(毎月一定の料金を支払うと、販売会社の選んだ品が届く定期購入サービス)なら、楽しさも味わえる。

私たちは「今すぐ購入する」ボタンではなく、「サインアップする」「登録する」ボタンをどんどん押すようになっている。

『サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方』英治出版


本書の中の「サブスクリプション」の解説にはこう書いてある。

『サブスクリプションとは、製品やサービスの購入ではなく利用に対して代金を支払う方式。

定額制や利用期間・利用度合いに応じた従量制などがある。

雑誌等の定期購読やソフトウェアの利用形態として採用されてきたが、近年、さまざまな業種で取り入れられている』

『サブスクリプションの売上高が増えると、一方で、成長を阻害する最大の要因であるチャーン(解約、離脱)も増えていく。

チャーンとは、顧客が去っていくこと、継続的な収入が消えてしまうことである。

チャーンは成長の対極にある。

伝統的なビジネスモデルでは、マーケティングや営業の担当部署は新しい客が競合他社に流れることを心配した。

ところが、サブスクリプション型も出るでは既存顧客を競合他社に奪われかねない。

定期的に支払いをする顧客は、このまま顧客としてとどまるのか(更新)、他者へ移るのか(チャーン)、繰り返し判断を下している。

あなたの会社が先行投資をしなければ、顧客は鞍替えしようという気になるかもしれない』

アメリカのサブスクリプション(定額制)には、色々なサービスがある(本書より)。

例えば、「医者の往診」「法律相談」「セラピー」「人材紹介」「ファイナンシャル・プランニング」「会計」。

また、シェアリング・エコノミーの典型的な例であるカーシェアリングも、最初にしなければならないのは会員登録(サブスクライブ)。

携帯のアプリの多くは有料のサブスクリプションがある。

時代は、所有から利用へ、すなわち、サブスクリプション(定額制、継続課金)へ急速にシフトしている。

サブスクリプション・マーケティングを研究し、自らのビジネスに実装したい。



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