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2019.1.16

ポリテックとは

落合陽一氏の心に響く言葉より…

「ポリテック」という言葉を初めて耳にする方も多いでしょう。

これは「政治」を意味する「Politics」と、「技術」を意味する「Technology」を掛け合わせた造語です。

僕は「ポリテック」という考え方は、今の日本が抱えている様々な課題を乗り越え、この社会を新しい段階に進化させるための、重要なカギのひとつになると考えています。

いまやグローバルな組織や先進的な国家では、社会問題を解決するにあたって、まず最初に「テクノロジーをいかに活用するか」を考えるのが当たり前になっています。

場合によっては、人にテクノロジーをよりそわせるのではなく、テクノロジーに人を合わせるような解決策もとられています。

しかし、日本ではそうした発想がなかなか浸透せず、その結果、技術的にも実績的にも世界から遅れをとっているように思います。

たとえば、後ほど小泉(進次郎)さんがお話をされますが、アメリカなどでは、土地改良にあたっては、事前にIOTシステムを使って土地を調査し、最も付加価値が高くなる場所を選定して工事を行うような取り組みがすでにされているそうです。

日本ではこうした公共的なインフラの政策は、利権に関わる関係者間の利害調整によって決まるケースが多い印象があります。

テクノロジーを中心とした価値観がすべてだとはいいませんが、結果としてどちらのやり方がより豊かな社会の想像につながるかは明白ではないでしょうか。

それだけではありません。

同じアジア圏にある中国と比較しても、日本は、社会システムの選定に技術動向を盛り込むという点で様々な面で後れをとっています。

日本では法規制により参入が阻まれたライドシェアアプリのUber、その中国版ともいえる「滴滴出向(ディーディチューシン)」というサービスが中国本土で勢力を拡大し、2016年には本家のUberが展開していたUber Chinaを買収しています。

日本では旧来的な法規制や古い業界の慣習がいまだに根強く残っており、新興企業が革新的なサービスを広めたり、新たなテクノロジーを社会に実装する機会が生まれづらい状況にあります。

管理的な中国の制度には賛否がありますが、単に技術といった意味では、これも日本がアメリカや中国に後れをとっている一因といってよいでしょう。

さらに、中国では政府による強力な支援のもと、最新技術の開発への投資が盛んに行われています。

巨額の債務を抱える政府と既得権益に執着する企業に阻まれ、なかなか未来のための投資に踏み切れていない日本とは、まったく違った状況が生まれています。

この点では素直に学ぶべきところが多いのではないでしょうか。

たしかに今、日本が抱えている問題のすべてをテクノロジーで解決できるかといえば、難しい面もあるでしょう。

しかし、戦後につくられた社会制度の多くが耐用年数を過ぎて劣化し、様々な局面でポリティックス(政治)が機能不全を起こしている現状において、テクノロジー(技術)による問題解決を選択肢のひとつとして持っておくのは、この国の未来のために望ましいことだと思います。

また、政治体制を考えていた時代に、思いもしなかったテクノロジーが実装されつつある社会背景もあります。

政治とテクノロジーがより深いレベルで融合することで、これから何十年も続く人口減少傾向の中にあっても、人々が幸せに暮らせる社会をつくる。

これが「ポリテック構想」の掲げる目標です。

『日本進化論 (SB新書)』


落合氏は本書の中でこう語る。

『これから日本が立ち向かわなねばならない喫緊(きっきん)の課題は、「人口減」と「高齢化」でしょう。

2050年代には、日本の総人口は1億人を切るといわれています。

また、65歳以上の人口は、日本の全人口のうち3割を超える見通しです。

その一方で、テクノロジーの発展には目覚ましいものがあります。

5Gの登場でスマホの通信速度は100倍になり、次世代GPSによって維持情報はセンチ単位になり、AIやロボットは着実に社会の中で存在感を増しています。

まだ誰も見たことがない社会がはじまろうとしている今、まさに平成という年号も終わろうとしています』

人口減少や高齢化の問題は、普通に考えれば日本にとって、最悪と言ってもいいほどのマイナス要因だ。

しかし、技術革新の歴史をみれば、困ったことや、不便なことという「欠乏感」からしか新たな革新は生まれてこなかった。

豊かで、満足している社会では新たなニーズは生まれないからだ。

しかしようやく、今、日本では、その強烈なニーズが発生しつつある。

それが、「人口減」と「高齢化」。

つまり、現代日本に、技術革新をしなければ生き残れないという、激しい必然性が生まれたからだ。

ポリテック…

あらゆるものがテクノロジーと融合する時代。

すべての事象をチャンスとして捉えられる人でありたい。



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