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2019.1.6

一生懸命にプラスのものをほじくりだして言う

無能唱元氏の心に響く言葉より…

夏の暑い日盛りに、私はタクシーに乗りました。

すると運転手が、「お客さん、暑いですなあ、やりきれませんなあ」と話しかけてきた。

皆さん、天気のことで人にあいさつするという意味は、「私はあなたと仲よくしたい」ということだそうです。

交流分析という精神分析法によると、これは裏面(りめん)交流という呼びかけだといってます。

「暑いですな、やりきれませんな」というあいさつに、同病相憐(どうびょうあいあわ)れむという心境で、イントネーションを相手よりもっとグレーに、マイナスにして、「ほんと、たまりませんよ」とこう答えれば、お互いに「よかった仲よくなった」とこうなるんです。

ところが、ここに落とし穴があるということを考えてください。

困ったことに、天気のあいさつのほとんどがマイナスの言葉なんです。

そこで、うっかり同調すると危ない。

「いや実に暑いねえ、やりきれませんなあ」。

そこで止まればいいんですが、「お客さんの商売は」「〇〇です」「どうです景気は」「だめですな」と、無意識のうちに、言葉がどんどんマイナスのものになっていきやすい。

マイナスの言葉を口にするのに努力はいらないが、プラスの言葉を見つけるには努力がいるんですね。

「お客さん、暑いですね、うっとうしいですね」と言われたら「暑いですね」とまず答えてもいいんです。

「しかし、きょうは何か空気が乾いてサラッとしてます。軽井沢にでも行ったような気分ですね」と私は答えたんです。

するとその時の運転手さんは、気まずそうに沈黙してしまった。

私のほうから同じネクラの返事がなかったからです。

この私のようなやり方は、多分まわりからあるていど反発をうけるかもしれません。

それは世の中が圧倒的に否定型、マイナスのことに満ちているからなんです。

しかし、マイナス好きな人が多いというのは、非常に有利ですよ。

なぜなら競争者がほとんどいない、ということなんですから。

あなたはこれで非常に成功しやすくなる。

じめじめした梅雨どき、「毎日、雨がかり降って、うっとうしいですね」と言われて、「まったく、洗濯物が乾かなくて」と、イントネーションも泣き調、これではいけない。

「でも、アジサイの色がきれいじゃありませんか」「農作物には恵みの雨ですね」なんて、もう一生懸命にプラスのものをほじくりだして言う。

ここが大切です。

我々は、普段自分の使っている言葉に支配されております。

しかし、言葉は自分で選択できるんです。

だから選び方しだいで、言葉を支配することができる。

このことは実に大事です。

心して、日常使用する言葉を選んでください。

日常自分が何気なく語っている言葉を見張っていて、たとえば「できない」という言葉が口からでそうになったとき、パッと口を押える必要がある。

そしてできそうもないと思いつつも、「できる」と自分にウソを言う必要がある。

ウソでもいいから「できます」と言う。

「これ以上無理」と言いそうになったら、「もっとやれる」と言う。

「疲れた」とよく言いますね。

「お疲れでしょう」「ええ、もうグッタリ」なんて答えたら、疲れがどっとでてきちゃう。

「いや大したことありません」、クタクタでもそう言わなければならないんです。

『【新装版】得する人 (アラヤ識シリーズ)』日本経営合理化協会


愚痴や悪口、うわさ話などが好きな人と話をすると、つい自分も愚痴や悪口、うわさ話を言ってしまうことがある。

その人との関係を壊したくないと、つい合わせてしまうからだ。

特に、悪口やうわさ話は、神さまから試されている「引っかけ問題」のようなもの。

対処法としては、基本的にはそういうマイナスの人とは深く付き合わないこと。

しかし、たまたまどうしても会ってしまったり、仕事の関係上会わなければならない時などは、修行と思い、一生懸命にプラスのものをほじくりだして、明るい話題にもっていく努力をすること。

「マイナスの言葉を口にするのに努力はいらないが、プラスの言葉を見つけるには努力がいる」

だからこそ、世の中は圧倒的に否定型、マイナスのことに満ちている。

どんなときも、プラスのものをほじくりだして言葉にする人でありたい。



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