2018.12.27 |
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「そもそも掘り」をする |
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本田晃一氏の心に響く言葉より…
人から魅力的に思ってもらえる自己アピール、自己紹介の方法は覚えておいて絶対に損はないと思います。
その鉄板のスキルはたったひとつしかありません。
それは「そもそも堀り」です。
そもそも自分はなぜこれをしてきたのだろう。
これにこだわっているんだろう、という「そもそも掘り」をしていくわけです。
「そもそもどうして?」「そうなったのはそもそもなぜ?」「それはどうして?」と「そもそも掘り」をしていくと、「おおっ!」というダイヤモンドの原石が出てきます。
その輝きが人をひきつけるのです。
僕が「そもそも掘り」に気がついたのは、父の会社のホームページを作ったとき。
「そもそもなんでゴルフ会社をやったの?」
と父に聞くと、最初は「もうかるからだよ」みたいなことを言っていました。
「でもほかにもうかる仕事はあったでしょ?それなのになぜ、ゴルフを選んだの?」
そうやって、父がこの会社を作った「そもそも」を掘っていったんです。
そしたらこんなことを言い出しました。
「だってさ、20歳ぐらいのときにゴルフを始めたんだけど、ゴルフやる前って、遠足のときのようにワクワクして眠れないんだよ。それぐらいゴルフって楽しくってさ。そういうのを伝えられる会社だったら、なんかいいんじゃないの、と思ってさ」
あれ、意外といいこと言うな、と僕は思いました。
それで父の会社のホームページに「そもそも」の動機を書いてみたんです。
「明日ゴルフだ!と思うと、遠足のときのようにワクワクして眠れないことはありませんか?」みたいなことを。
そしたらいきなり売上げが3倍になりました。
もちろんほかにもやりましたけれど、ホームページに「そもそも」を書いたことが、売上げに大きく貢献したのは間違いありません。
ゴルフの会員権を扱う会社はいろいろありますが、どうせ買うなら、「そもそも」の原点に共感できるところから買いたいじゃないですか?
父と「そもそも」のハートでつながった人たちが、買ってくれたんだと思います。
そのときから僕の座右の銘は「ハートが開くと、財布も開く」になったんです。
「そもそも」の深いところでハートがつながると、財布が開きます。
僕は最初、このやり方を商売のために使っていました。
お金もうけのことしか考えていなかったので、ほかの会社のコンサルタントをするときも、「こうやれば、もうかりまっせ」みたいなことで教えていたんです。
ところがある社長が、このスキルを婚活に使ったんですね。
会社の魅力アピールに使うんじゃなくて、自分の魅力のアピールに使ってみた。
「そもそも僕はこういう両親に育てられて、こういうものが本当に大事だと思っていて、こんな夢を持っています。それをわかってくれる人と結婚したいなと思います」
そしたらモデルのようなきれいな奥さんがゲットできて、その人をつれて、僕の前にさっそうとあらわれたんです。
「うお、奥さん、モデルさん?」と聞いたら、「うん」と言うので、当時彼女がいなかった僕は心の中で「マジ、ふざけんなよ〜」と思いました。
こうやって「そもそも掘り」していくと、必ず美しいものが根底にあります。
「目的はお金もうけだ」と豪語している人でも、「そもそも」を掘っていくと、そのお金で家族を安心させたいとか、親にラクをさせたいとか、美しい愛の原点にだどりつくんです。
「もしかしてこれって愛かも?」というところまで掘っていって、原点をパカーンとオープンにすると、そこに共感して素敵なものがいっぱいやってきます。
お金だけじゃなくて、理想のパートナーにめぐりあえたり、いろんなチャンスや幸運がやって来るんです。
「そもそも」から広がっていく世界観を語ることができたら、立派なビジョン、つまり夢になります。
「その『そもそも』が広がっていったら、どうなると思う?」というのを掘り下げていってください。
美しい原点から出発していますから、必ず世の中にいい影響を与えられるビジョンになります。
アップルのスティーブ・ジョブズはプレゼンテーションが上手だったことが有名ですが、彼の話の特徴は世界観を雄弁に語る点にありました。
新しいiPhoneが出るときもiPhoneのスペックは語りません。
「これがあるとどんな新しい生活ができるのか」という世界観を語るんですね。
すると、聞いている人はまださわったこともないiPhoneを持って生活している自分の姿がありありと浮かんできます。
ちなみに、先ほど話した友人ですが、結婚したあとのビジョンをありありと書いたそうで、奥さんもそれを読んだら「この人だ!」とピンと来たそうです。
こんなふうに「そもそも」を掘って、それを広げ、世界がどう変わっていくのかをビジョン、つまり夢が示せれば、あなたの魅力が最大限相手に伝わりますし、夢にも一歩近づけるでしょう。
『はしゃぎながら夢をかなえる世界一簡単な法』SBクリエイティブ
梯谷幸司氏は「そもそも」についてこう語る
『ビジネスがうまくいかない、病気が治らない、という方が相談に来られると、私はこういう質問します。
「そもそもあなたは何のために命を使いたいのですか?」 ほとんどの人の反応は、「・・・・」。
そこで質問の方向性を変えて、「どうして売上げを伸ばしたいのですか?」と聞くと、「売上げが伸びないと社員を養っていけないから」。
「何のために病気を治したいのですか?」と聞くと、「とにかく死にたくないから」「痛いのが嫌だから」。
これらはごく表面的な答えでしかありません。
「健康になって、その次の目標がないんですか?」「・・・・」。
「売上げを伸ばして、そのあとの目標がないんですか?」「・・・・」。
これでは残念ながら病気は治りません。
売上げも伸びません。
そもそも自分を社会のルールに当てはめて生きている人が多いので、本当の自分が何を望んでいるのかがわからない。
それがビジネスも健康もうまくいかない現象となるのです。
本当の生きる目的を見出し、そのための行動をとり始めると、結果は驚くほど変わります。』(偽りの自分"からの脱出・幻冬舎)より
仕事においても、病気においても、「そもそも」を深掘りし、突きつめることは大事だ。
「売上げを伸ばしたら、そのあとどうしたいのですか」という、ビジョンや使命にまで到達する必要がある。
結婚や、売上アップや、病気を治すことがゴールではない。
その先にある、自分の命を燃焼させる何かを見つけなければならない。
「そもそも」を深く堀って極めたい。 |
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