2018.12.3 |
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とんでもない意見が会社を救う |
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萩本欽一氏の心に響く言葉より…
僕はね、会議っていうのだけはダメ。
会議はしないの。
つまり、そこにみんなの意見を採り入れても成功しない。
僕は大きな仕事って、ひとりのとんでもない意見で成り立つと思っているんです。
だから、番組をつくる時もほとんど会議は開いてないですね。
会議をするから、時間がかかる。
あれもいい、これもいいって、あれこれ採り入れる。
いろんないい意見が出てくると、それをつなげるんですよ。
それで、できあがると最悪。
みんなの意見を平等に聞くっていう民主主義では、大成功はないんです。
まず、ひとりがきちんと意見を言う。
意見を言ったんだから、責任を持つ。
失敗しても、意見を言わなかった人は責任をとることはない。
社長がバーンと言ったら、社長が責任をとるんだよね。
社員が責任をとることはない。
僕がやった番組はそうでしたから。
全部、僕が責任をとった。
そうすると、ものすごく仕事が早いのと、切り替えが早い。
失敗しても、「僕が失敗した」って、すぐ言うしさ。
で、その言葉を聞くと、ディレクターが「しめた!」って顔をして、「だったら、こう変えたらどうかな」って、すぐ意見を言ってくる。
「わかった。そうしよう」って、僕もすぐ答えるしね。
だから、仕事が早いんですよ。
会議がないからさ。
僕は番組をはじめるときは、いつも言ってるの。
「みんなで相談というのはやめてくれ」って。
だから、僕の番組で相談というのはしないの。
全部自分が責任を持つために、「僕がこうする」って、はっきりと言う。
で、失敗した時は、「僕がまずかった」って、きちっと言う。
その時に、次のやつが、「だったら、こうしよう」って、責任持って言ったほうがが早いし、うまくいくんだよね。
大きい会社って、失敗したら、すぐに「どうしましょうか?」って、何でも会議するでしょう。
だから一度赤字が出ると、どんどん赤字が大きくなってくるんじゃないの。
僕の場合は、番組の作家が、「ここは僕に任せてください」って、名乗り出ると、「よし、任せた!」って、そこをポンと預ける。
僕の番組って、必ずコーナーが4つあったんです。
だから、ひとつコケても次々に変えていけるし、そのなかの1本が成功すれば、番組は成功するんです。
だから、最初に番組をはじめた時は、全部自分から発してますよ。
でも、僕の言ったことで残っているのは、最終的には2割程度ですよ。
あとは全部、ディレクターや作家やプロデューサーの趣味でころころ変えられてますよ。
でも、「僕がこう言ったのに、なぜそうしないのか!」なんて、言ったことはない。
「ここは違うだろう!」って、ディレクターと衝突したこともないですね。
そういう根性のないところも、よかったのかもしれないね。
だから、会議をしなくても、みんなの才能が生きた。
そういう意味では、自分の番組をつくっていた時の僕は、社員のいい生かし方をした社長だったと思うよ。
それで、みんながいい仕事をしてくれたんじゃないかな。
『人生にはチャンスが三度ある―成功する人の演出力』ビジネス社
「理想的な組織とは会議のない組織である」
と言ったのは、経営学の巨人といわれたドラッカー。
人は会議をしながら仕事をすることはできない。
だから、年中会議ばかりしている会社は仕事をしていない会社である、と。
長く会議をすればするほど、尖(とが)った意見は採用されず、無難な意見だけが残る。
悪しき平等主義であり、悪しき民主主義、つまりポピュリズムだ。
「みんなで相談する」と言って、いい意見が出たためしがない。
ユニークな意見、尖った考えは、たった一人から生まれるからだ。
とんでもない意見が会社を救う。 |
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