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2018.11.15

マイナス心理にマイナス行動をとるな

ひろさちや氏の心に響く言葉より…

「マイナス心理にマイナス行動をとるな」。

そんなモットーを教わった。

たとえば、タクシーに乗って、運転手の態度にむかっとすることがある。

腹が立つ。

それがマイナス心理である。

だからといって、こちらが乱暴な態度をとってはいけない。

「なんだ、その態度は!?」と声を荒げたり、バタンとドアを閉めるといったマイナス行動をとると、いつまでも不快な気分が残ってしまう。

「そんな場合は、少し高めのチップを運転手にやって、“ありがとう”と言って降りる。相手は“おやっ?”といった顔をしますよ。そうすると、こちらの気分が爽快(そうかい)になります。それが、マイナス心理を消す秘訣ですよ」

そんなふうに言われた。

早速、わたしも実践してみたが、なるほど効き目があった。

仏教の開祖の釈迦は、こんなふうに言っておられる。

「悟りを開いた聖者も悟りを開いていない凡夫も、ともに第一の矢を受ける。しかし、凡夫はその第一の矢につづいて第二の矢を受けるが、聖者は第二の矢を受けない」

人に足を踏まれたとき、「痛い!」と感じる。

あるいは、美しい花を見て「きれいだ!」と思う。

それが第一の矢である。

聖者にしても「痛い」「美しい」と思うのだ。

その点では、聖者と凡夫に変わりはない。

しかし凡夫は、その第一の矢につづけて第二の矢を受ける。

「なぜ、俺の足を踏んだのだ。あやまれ!」と腹をたてつづけ、ときには仕返しを考えたりする。

それが第二の矢だ。

あるいは、美しい花をつんで、わが家に持ち帰ろうとする。

それも第二の矢だ。

そして聖者は、凡夫と違って第二の矢を受けない。

マイナス心理にマイナス行動をとるな…ということは、釈迦の言われた第一の矢と第二の矢の教えと同じものだと思う。

『捨てちゃえ、捨てちゃえ (PHP文庫)』


二人の若い禅僧の話がある。

あるとき、二人の若い禅僧が川を渡ろうと岸に来た時、一人の若い女性が向う岸に渡れなくて困っていた。

すると見かねた一人の禅僧が、さっさと女性を背負い、向う岸に渡って下ろし、何事もなかったようにまた歩き始めた。

その一部始終を見ていたもう一人の禅僧が、「お前は修業中の身として、女性を背負ったりして恥ずかしくないのか」となじった。

すると、女性を助けた禅僧は、「お前はまだあの女性を背負っているのか」と答えたという。

「放下著(ほうげしゃく)」という禅語がある。

こだわりを捨ててしまえ、放り投げろということだ。我々は、色々なものを後生大事に抱え込んでしまう。

まさに、第一の矢がそれだ。

マイナス心理がわき起こったとき、それにいつまでもこだわっていると、第二の矢というマイナス行動が生まれてしまう。

「こだわり」「しがらみ」「嫉妬(しっと)」「妬(ねた)み」「恨(うら)み」「怒り」「憎しみ」などの感情を手放すこと。

五日市剛氏は、その負の連鎖を断ち切るには、「ありがとう」と言うといいという。

マイナス心理にマイナス行動をとらない人でありたい。



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