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2018.11.14

「アタマのやわらかさ」の原理

編集者、松永光弘氏の心に響く言葉より…

世の中には「ちょっと変わったもののとらえ方」ができる人がいます。

たとえば、コーヒーといえば、ふつうは「飲み物」「苦い味」「黒い色」「眠気覚まし」といったことを思い浮かべます。

でも、なかには、こんなことをいいだす人がいたりもします。

コーヒーって、「人と人の距離を近づけるもの」ですよね。

コーヒーを飲むというだけで、それほど親しくない人とも一緒に時間を過ごせますし、それをきっかけに仲よくなったりもしますから。

新しい問いかけといってもいいかもしれませんが、さまざまな物事について、こういうとらえ方ができると、ぼくらの可能性は大きく広がります。

つまらないと感じていた仕事に意義を見つけられたり、自分のいる環境をチャンスに変えることができたり、問題解決の糸口をつかめたり、平凡な生活のなかにちょっとした楽しみを発見できたり…。

見慣れた日常、ありふれた物事に、新しい価値や新しい魅力を見いだすことができるのです。

同じモノを手にしていたり、同じ状況に置かれていたりしても、もののとらえ方がちがえば、そこから得るものは大きくちがってきます。

その結果として、日々の暮らしの感じ方や満足の度合いもちがってくるし、創造的に仕事ができたり、人生の選択肢が増えたりもする。

そういう意味では、もののとらえ方は、幸せを左右するとさえいえるかもしれません。

その変化を生みだすエンジンになっているのが、ここでいう「アタマのやわらかさ」です。

文字どおり、柔軟に物事を見つめなおし、とらえなおしていく思考力のこと。

手がかりとしたのは、クリエイターです。

ご存じのとおり、広告をつくったり、映像をつくったり、デザインをしたりと、みずからのクリエイティビティを生かして仕事をしている人たちで、柔軟な発想で「ふつう」を乗り越えていくのは、まさに彼らの真骨頂です。

『「アタマのやわらかさ」の原理。 クリエイティブな人たちは実は編集している』インプレス


松永光弘氏は本書の中で、こう語っている。

『クリエイターの考え方にはひとつ共通しているところがあるんです。

それは「視点」で考えること。

「切り口」といったり、「アングル」といったりする人もいますが、とにかく考える対象となる物事を、さまざまな視点から見つめてみる。

そうするなかで有効なメッセージ、つまりは「新しい価値」が見つかる、と多くの広告クリエイターが口をそろえていいます。

サントリーオールド「恋は、遠い日の花火ではない。」をはじめ、数々の名広告を生みだした伝説的なクリエイターとして知られるクリエイティブディレクターの大島征夫さんは、広告表現の考え方について、つぎのようにおっしゃっています。

「ぼくらの仕事の基本はここにあると思う。

つまり、ものの見方はひとつではないということだ。

この基本的な原則を、血液や筋肉レベルで実感できているかどうか。

ぼくはその一点でクリエイターの才能を見ている。

すぐれたクリエイターは、最初からそれをわかっている。

コピーを書くのも、アートディレクションをするのも、テレビのCMを考えるのもすべて同じだ」』

脳力開発の大家、城野宏先生は、「物事の考え方」についてこう語っている。

■中心骨組で考え、全貌と核心をつかんで考える習慣

■「ものごと」の両面を捉え、どちらが主流かを考える習慣

■立場(希望・利害・価値)と観点を整理して、多角度から考える習慣

■確定的要素と非確定的要素を分け、確定的要素を判断の土台とする習慣

■行動のつながりを捉えて、具体的に考える習慣

つまり、さまざまな角度や考え方といった、色々な「視点」で物事をとらえていくということ。

物事を多くの視点でとらえればより本質に近づける。

より本質に近づいた人を「深い人」という。

アタマのやわらかい人でありたい。



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