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2018.10.20

とにかく「与える」ことが大事

内藤誼人氏の心に響く言葉より…

アドラーによると、人に好かれる人には、共通してみられる特徴がある。

それは、相手から何かを「とろう」とするのではなく、むしろ自分から相手に何かを「与えよう」とするのである。

知り合いの誕生日には贈り物をし、お中元、お歳暮も欠かさない人がいるとしよう。

旅行に出かければ、必ず、お土産を忘れない人がいるとしよう。

自分がアイスを食べたくなったときには、ついでに他の人のぶんまで買ってきてくれるような人がいるとしよう。

そういう人が、周囲の人たちに嫌われるということは、あまり想像できない。

なぜなら、彼は「与える」人だからだ。

私たちは「与えてくれる人」が大好きなのであって、そういう人とつきあいたいと思うものなのである。

ケチな人は、人とうまく交わることができない。

ケチな人は、自分から何かを与えようとはしない。

そんなことをすると、自分がソンをしてしまうことになり、ソンをすることは彼にとっては許せないことだからである。

オランダにあるユトレヒト大学のアーク・コンターは、相手に贈り物をする行為は、相手との感情的な結びつきを強める、と述べている。

コンターによると、特に「見返りのない贈物」が重要であって、そういう贈物をする人は、だれにでも好かれるらしい。

世界でナンバーワンの営業成績を出すような、伝説的な人たちの本を読むと、とても興味深い。

彼らは、他の営業マンに比べて、話術が巧みであるとか、説明上手であるとか、そういうことはない。

彼らは、ただ、他の人がやらないようなこと、たとえば、お客さまの誕生日に、必ずバースデーカードを出す、といった「与える」行為をしているのである。

たったハガキ一枚で、差をつけているだけなのだ。

田中角栄さんといえば、「人たらし」で有名であったが、特に難しいことをしたわけではない。

角栄さんは、結婚する人がいると聞けば、だれよりも早くご祝儀を出すとか、家族に亡くなった人がいると聞けば、律儀に花輪を出す、ということをしていただけである。

「私は、お金持ちではないので、そんなに贈物ができません」という人もいるだろうが、それは言い訳にすぎない。

別に高価なモノを贈りなさい、などといっているのではない。

ハガキでも手紙でもいい。

とにかく「与える」ことが重要なのであって、その金額は関係がないのだ。

『アドラー心理学 あなたが愛される5つの理由』ぱる出版


「与える人」の反対は、「奪う人」。

奪う人は、ちょうだい、ちょうだいと何でも欲しがる人であり、人から、物だけでなく、時間や、情報や、エネルギーを奪う。

そして、もらってばかりいて、与えることをしない。

人にストレスを与え、不平不満を口にし、相手の気持ちを冷やし、がっかりさせる人。

与えるとは、物やお金だけでなく、「ほめること」「喜ばすこと」「元気」「夢」「癒(いや)し」「愛のある優しい言葉」「笑顔」等々。

人を喜ばせ、幸せにする人だ。

だから、まわりにどんどん人が集まる。

しかし、奪う人からは、仲間は逃げていく。

一緒にいても何のメリットもないからだ。

ケチくさいことをせず、惜しみなく「与える人」でありたい。



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