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2018.6.1

オリンポスの神々と「幸せの秘訣」


致知出版、藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…

昔、ある人にこういう話を聞いた。

オリンポスの神々が集まり、「幸せになる秘訣をどこに隠したら、人間がそれを見つけた時にもっとも感謝するか」を話し合った。

「高い山の上がいい」「いや、深い海の底だ」「それよりも地中深く埋めるのがいい」と議論百出。

すると、一人の神が「人間の心の奥深いところに隠すのが一番だ」と言い、全員がその意見に賛成した、という話である。

幸せの秘訣は人間の心の奥深くにある。

自分の花を咲かせる秘訣は心の中にある、ということである。

だが、心の奥深く隠されているが故に、秘訣に気づかぬままに人生を終える人も少なくない。

どうすればその秘訣に気づき、自分の花を咲かせることができるのか。

まず、自らの命に目覚めること。

自分がここにいるのは両親がいたからであり、その両親にもそれぞれ両親があり、それが連綿と続いて、いま自分はここにいる。

どこかで組み合わせが変わっていたら、あるいは途絶えていたら、自分はここにはいない。

自分の命は自分のものではない。

すべては与えられたものだ。

その自覚こそ、自分の花を咲かせる土壌になる。

次に大事なのは「一つ事」を見つけること。

この一事をもって人生に立っていく。

あるいはいま携わっている仕事をもって自分の一つ事にする。

そう決意することである。

第三に大事なのは、その一つ事に本気になること。

「本気になると

世界が変わってくる

自分が変わってくる

変わってこなかったら

まだ本気になってない証拠だ。

本気な恋

本気な仕事

ああ

人間一度

こいつを

つかまんことには」

…坂村真民…

「なんでもいいからさ

本気でやってごらん

本気でやれば

たのしいから

本気でやれば

つかれないから

つかれても

つかれが

さわやかだから」

…相田みつを…

『小さな修養論2』致知出版社


「汝(なんじ)自身を知れ」

デルフォイの神殿に刻まれていたといわれる有名な格言だ。

神と比べれば人間の知恵など取るに足らない、自分の無知や無力さを知ることが、すべての出発点になるとして、 ソクラテスはこの言葉を好んで使ったといわれている。

知っているようで、一番知らないのが自分のこと。

自分の力で生きているように思っているが、実は多くの力によって生かされていたことに気づかない。

そもそも、両親がいなかったらこの世に生まれることもできないし、多くの不思議なご縁によって今がある。

たとえば、ジグソーパズルのように、たった一つのかけら(ピース)が欠けただけでも、今の自分はない。

人は、メーテルリンクの童話「青い鳥」のように、幸せの青い鳥を探しに遠い旅に出る。

しかし、くたくたになって家まで帰ってくると、結局は、幸せの青い鳥は家にいた、という話だ。

それを禅語では、「明珠在掌(めいじゅたなごころにあり)」という。

大切な宝はすでにあなたの手の上にある。

どこかに探しに行かなくても自分が持っている、ということ。

だからこそ、もうすでにある、目の前の一つ事に命をかける。

どこか遠くに幸せの秘訣があるわけではないからだ。

そして、それを本気でやる。

オリンポスの神々が隠したという「幸せの秘訣」を見つけ出したい。


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