2018.4.6 |
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嫉妬したら、負け |
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堀江貴文氏の心に響く言葉より…
強硬な政治家から「鉄の女」と呼ばれ、1979年から90年までイギリスで首相を務めたマーガレット・サッチャーは、こんな名言を残している。
「金持ちを貧乏にしても、貧乏な人は金持ちにならない」
サッチャーが首相になった当時のイギリスは、行きすぎた福祉政策や労働争議、基幹産業の国有化などによって、経済が活力を失い、イギリス病と言われる不況に悩まされていた。
そこでサッチャーは、それまでの福祉優先の政策や政府による過剰規制を廃し、経済を活性化しようと試みた。
しかし、サッチャーが推し進めようとしていた改革は、左派から「金持ち優遇策」として批判され、それでサッチャーは先の言葉を述べて、自らの正当性を訴えたのだ。
そもそも、金持ちが金持ちになれたのは、基本的には「お金を稼ぐ能力をもっていた」から、と言える。
貧乏人が金持ちになるためには、お金を稼ぐ能力を身につけなければならない。
ところが、多くの人は、能力のある人の足を引っ張ることで満足して、それでおしまい。
それでは到底、生産的とは思えないが、なぜそんなことをするかというと、「嫉妬(しっと)」と呼ばれるものがそうさせているのだ。
「嫉妬」というのは厄介なもので、自分では気づかないうちに芽生えてくる。
例えば、数年前にAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』という楽曲が流行した。
このとき、企業や自治体による「踊ってみた」動画が多数公開され話題になったが、あまりにも流行っていると、「何だよ、ただの真似じゃないか」なんて冷めた見方をする人も多くいた。
ただ、それって結局は「流行しているものに対する嫉妬」からきているのではと思うのだ。
何かが流行したときには、「何だよ!」などと思わずに、「どうしてこんなに流行っているのか?」と考えるべきだ。
『恋するフォーチュンクッキー』が大流行したのは、秋元康さんの確固たる思いがあったからだとう思う。
楽曲が発表された当初、AKBのメンバーは、メロディに不満があったそうだ。
ところが、秋元さんは、リリース前から「絶対に流行る」「ファンの皆はもちろん、多くの人が踊ってくれる曲になる」と語っていたという。
秋元さんのアイデアは、わざと振りつけを盆踊り並に簡単にして、誰でも踊れるようにした点にあったと思えてならない。
簡単にできそうであれば「自分たちでも踊ってみよう」という人たちは現れるもの。
今は、ソーシャルメディアが発達しているから、すぐ拡散できるのだ。
実際、秋元さんの思惑通りになったし、AKBのメンバーたちも楽曲が好きになっていったとあとから聞いた。
だから、やっぱり秋元さんはすごい!
とはいえ、何かが流行しているときに、斜(しゃ)に構える人は、結構多い。
ユーチューバーが流行り始めたときだって、世間の大人たちの反応は「子ども向けばっかりだし、大して面白くないじゃん」というものが多かった。
そうは言っても、ユーチューバーが流行っているのは事実だし、中には莫大なお金を稼いでいる人もいる。
「何だよ!」なんて言って斜に構えていると、自分のほうが立場が上になったように錯覚するから、気はラクになるかもしれない。
でも、それで得することなんて何もないのだ。
僕の場合は、『恋するフォーチュンクッキー』が流行ったときに、秋元さんサイドからオファーがあり、自分でも踊ってみて、「面白いな」と感じた。
ユーチューバーのブームがおきたときも、ユーチューバーの代表格であるHIKAKINくんとすぐ会って、仕事をした。
斜に構えた段階で、その人はもう「負け」。
自分にできないことをやっている人を見て、嫉妬したら「負け」。
何事も学びのチャンスだと思い、自分に取り入れられることを見つけたほうがいい。
人の成功に嫉妬することの無意味さを、肝に銘じてほしい。
『(146)自分のことだけ考える。: 無駄なものにふりまわされないメンタル術 (ポプラ新書)』ポプラ新書
経済評論家の長谷川慶太郎氏は、「日本の経済運営のまずさは、政治家や官僚の嫉妬心にある」と言った。
つまり、儲かっている企業や、多くの報酬をもらう経営者、資産家等々に対する嫉妬心だ。
多くの資産を持っている資産家に対しては相続税を強化し、儲かっている企業には様々な規制をかけてくる。
多くの人々の心の奥底には、成功している者や目立つ人に対する嫉妬心がある。
芸能人や政治家に対しては、とりわけそれは大きく作用する。
ちょっとした言葉のミスや、スキャンダルで大きく炎上し、引きずり降ろされる。
成功した人に嫉妬する人は、あまりにも器(うつわ)が小さい。
成功した人を心から賞賛する人は、器が大きい。
「嫉妬したら、負け」と肝に銘じたい。 |
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