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2018.3.18

異端の人


エリック・バーカー氏の心に響く言葉より…

ウィンストン・チャーチルはイギリスの首相になるはずがない男だった。

“すべて完璧にこなす”政治家とほど遠い彼が首相に選ばれたことは、衝撃的な出来事だった。

たしかに切れ者ではあるが、その一方で偏執的で、何をしでかすかわからない危険人物というのがもっぱらの世評だったからだ。

チャーチルは26歳で英国議会議員になり、政界で順調に頭角を現したが、次第に国家の要職には適さない人物だと見られるようになった。

60代を迎えた1930年代ともなると、その政治的キャリアは事実上終わっていた。

いろいろな意味で、チャーチルは前任者のネヴィル・チェンバレンの引き立て役に甘んじていた。

チェンバレンといえばすべてを完璧にこなす、まさに典型的なイギリス首相だったからだ。

イギリス人は、首相をうかつに選んだりはしない。

たとえばアメリカの大統領と比べて、歴代の首相は概して年長で、適正を厳しく吟味されて選ばれるのが通例だ。

異例の早さで権力の座に上りつめたジョン・メジャーでさえ、アメリカ大統領の多くに比べ、首相職への備えができていた。

チャーチルは、異端の政治家だった。

愛国心に満ち溢れ、イギリスへの潜在脅威に対してパラノイア的な防衛意識を貫いた。

ガンジーさえも危険視し、インドの自治を求める平和的な運動にも猛反対した。

チャーチルは自国を脅かすあらゆる脅威に声高に騒ぎたてるチキン・リトル(臆病者)だったが、まさにその難点ゆえに、歴史上最も尊敬される指導者の一人となった。

チャーチルはただ独り、早い段階からヒトラーの本質を見抜き、脅威と認識していた。

一方チェンバレンは、ヒトラーは「約束をしたら、それを守ると信じられる男」という考えで凝り固まっていたので、宥和政策こそナチスの台頭を抑える方策だと確信していた。

ここぞという重大な局面で、チャーチルのパラノイアが本領を発揮したといえる。

いじめっ子に弁当代を渡したら最後、もっと巻き上げられるだけだ、奴の鼻を一発ぶん殴らなければならない、と見抜いていたのだから。

チャーチルの熱狂的な国防意識…危く彼の政治生命を滅ぼしかけた…は、第二次世界大戦前夜のイギリスになくてはならないものだった。

そして幸運にも国民は、手遅れになる前にそのことに気づいた。

偉大なリーダーの条件は何だろうか。

ハーバード大学ビジネススクールのムクンダは、それまでの研究結果に一貫性がなかった理由が、リーダーが根本的に異なる二つのタイプに分かれるからだと分析した。

第一のタイプは、チェンバレンのように政治家になる正規のコースで昇進を重ね、定石を踏んでものごとに対応し、周囲の期待に応える「ふるいにかけられた」リーダーだ。

第二のタイプは、正規のコースを経ずに指導者になった「ふるいにかけられていない」リーダーで、たとえば、会社員を経ずに起業した起業家、前大統領の辞任や暗殺により突然大統領職に就いた元副大統領、あるいはリンカーンのように予想外の状況下でリーダーになった者などを指す。

「ふるいにかけられた」リーダーはトップの座に就くまでに十分に審査されてきているので、常識的で、伝統的に承認されてきた決定をくだす。

手法が常套(じょうとう)的なので、個々のリーダー間に大きな差異は見られない。

しかし、「ふるいにかけられていない」リーダーは、システムによる審査を経てきていなので、過去に“承認済みの”決定をくだすとは限らない…多くの者は、そもそも過去に承認された決定すら知らない。

“バックウラウンド”が異なるので、予測不可能なことをする場合もある。

その反面、彼らは変化や変革をもたらす。

ルールを度外視して行動するので、自ら率いる組織自体を壊す場合もある。

だがなかには、少数派だが、組織の悪しき信念体系や硬直性を打破し、大改革を成し遂げる偉大なリーダーもいる。

「ふるいにかけられた」リーダーはことを荒立てずに済まそうとする。

「ふるいにかけられていない」リーダーは逆で、ことを荒立てずにはいられない。

システムや制度を破壊することもしばしばしばだ。

「ふるいにかけられていない」リーダーはなぜインパクトが大きいのか?

それはほかのリーダーと決定的に異なるユニークな資質を持つからだ。

ユニークな資質とは、日ごろはネガティブな性質、欠点だと捉えられていながら、ある特殊な状況下で強みになるものだ。

そうした資質は、たとえばチャーチルの偏執的な国防意識のように、本来は毒でありながら、ある状況下では本人の仕事ぶりを飛躍的に高めてくれるカンフル剤になる。

ムクンダはそれを「増強装置(インテンシファイア)」と名づけた。

この概念こそが、あなたの最大の弱点を最大の強みに変えてくれる秘訣なのだ。

『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』飛鳥新社


古来よりの歴史をひもとくと、世の中が引っくり返るような大変化のときには、通常の指導者やリーダーでは対応できない。

ある種の狂気や、パラノイア(偏執症)を持った人が危機を救っている。

もちろん、その資質ゆえに、状況を悪化させたり、ダメにしてしまっている人もいる。

閑吟集に次のような言葉がある。

「 くすむ人は見られぬ  

夢の夢の夢の世を  

うつつ顔して  

何せうぞくすんで  

一期は夢よただ狂へ」

まじめくさった人なんて見られたもんじゃない。

まるで夢のようにはかないこの世を、さも悟(さと)ったような顔をしたところでどうなるものか。

我々の一生は夢のようなもの。

ただ面白おかしく狂えばよい」

世の中が引っくり返るような大変化のときとは、狂気の時代。

狂気に対しては狂気で向かうしかない。

現代は、ITによる超大変革の時。

通常の対応では、ほとんどの会社も、組織も生き残れない。

政治も同じだ。

いまこそ、異端の人を認めなければならない時がきた。


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