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2018.3.7

人間は偉くならなくていい


石川洋氏の心に響く言葉より…

野に咲くタンポポでさえ

詩人の魂をふるいたたせ

一匹のこおろぎでさえ

病める人の心を癒す

五体に障害を持つ人も

その微笑みで 人の心を照らし

そのまなざしで 愛を伝えることができる

生きとし生けるもの そのすべてには

授かったいのちの輝きと役割がある

たとえ何もできなくとも

微笑むことはできる

たとえ貧しくとも

謙虚な生き方はできる

それだけでも立派な奉仕なのだ

授かったいのちの尊さに目覚め

あなたなりの生き方で

生きた証の

美しい花を咲かせていこう

私は十七歳の時、一介の奉仕者になろうと決心して、一燈園の門をくぐった。

一燈園の創始者でわが生涯の師・西田天香さんは、無所有・無所得の托鉢生活をまっとうされた人である。

入園した若い私に、

人間は偉くならなくていい

人間は立派にならなくていい

人間はお役に立つ人になることである

と諭して下さった。

それ以来七十年、まだまだいたらない私だが、師の教えのような生き方をされておられる多くの方のご縁をいただき、励まされお育ていただいてきた。

『生きるんだよ』春陽堂


一燈園に入園した者は誰でも、何日かの托鉢行をする。

無一文、無一物で園を出て、行った先で掃除や草むしりなどの奉仕をさせてもらい、運がよければ食事や宿泊にありつける。

その托鉢に対する西田天香さんの言葉がある。

『托鉢者は行き詰まるだけ行き詰まってみるがよい。

日の脚は、こちらの行き詰まりを待ち合してはおらぬ。

日暮れ、腹は減る。

泊めてくれ手もない。

握り飯一つ誰も持って来ない、寂しい気持ちがする。

そうした時こそ真剣になる。

まだまだ行き詰まるがよい。

そこでどうするか。

手前の考えが何事も用を成さず、我というものがあまりにふがいなくなって、しみじみと考え込む。

祈りたくなる。

そうした時に知らず知らず、一段一段と自分の我慢(がまん)がはげていく、それが実に結構な修行なのだ。

どうか他人の得をぬすまぬように。

どうか自分の罪をかくさぬように。

どうかその場のがれの事を言わぬように。

どうかあまりに大事をとりすぎぬように。

あまりに自分はみにくいだらけである。

一段とこの四つのことを慎みたい。』

人生とは、「己の魂を磨き、少しでも光らせる修行」。

自分を磨くことだけを考え、人格を向上させるなら、他人の行いは気にならなくなる。

自分を守らんがため、人を非難し、人のせいにすることをやり続けるなら、やがて誰からも相手にされなくなる。

人間は偉くならなくていい、人間は立派にならなくていい…

人のお役に立つ人になりたい。


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