2017.8.30 |
|
自分の使命を思い出させるものに毎日触れる |
|
|
トム・ラス氏の心に響く言葉より…
ペンシルベニア大学ウォートン・ビジネススクールの教授アダム・グラントが、大学院時代に同大学のコールセンターで働く職員のモチベーションを調べたとき、なにが起きたと思います?
コールセンターの職員たちは、一日中卒業生に電話して、奨学金のための寄付を依頼しています。
グラントは、この仕事(夜、卒業生に電話して、お金を要求すること)が難しく、離職率が高いことを知って、職員たちに実際に奨学金を受け取っている学生を引き合わせたら、モチベーションが上がるのではないかと考えました。
そこで、グラントと仲間の研究者たちは、奨学生を職員たちに引き合わせ、5分ほど話をしてもらいました。
その1ヵ月後、職員たちの生産性に驚くほどの変化が見られました。
1時間当たりの電話回数は2倍近くになり、職員1人当たりの獲得した金額も、週400ドルから週2000ドルに上がったのです。
グラントはこの調査以降10年以上にわたって、こうした「向社会的(人の役に立とうとする)」傾向について、いろいろな職場を調査してきました。
テクノロジー企業のコールセンターもその1つで、そこの職員にとっては、CEOの励ましの言葉よりも、職員たちの仕事の恩恵を受けた社員たちの話のほうが有意義だったそうです。
また病院では、医師や看護師向けの張り紙として、「手の衛生はあなたが病気に感染するのを防ぎます」という文面は、効き目がなかったのですが、文面を「手の衛生は患者さんたちが病気に感染するのを防ぎます」に変えたら、医師や看護師のせっけんや除菌用ジェルの資料量が1.5倍近く増えたそうです。
あなたが他人に及ぼしている直接的な効果を知る機会がほとんどないのなら、時間をとって、その機会を作ってみませんか。
ゼネラル・エレクトリック社(GE)はそうした機会を作ることの価値に気づいているようです。
同社で、ガンの発見や予防に役立つ大きなスキャナー(MRI装置)を組み立てている従業員に、ガンを克服した人たちを引き合わせました。
こうしたイベントを収録したGE社のビデオは、製造現場の従業員が自分たちの仕事の実際の効果(や喜びの声)を知って、仕事のどれほど大きな意義と目的を理解したかを物語っています。
あなたの使命を思い出させるものに毎日触れられる方法を見つけましょう。
あなたの仕事の効果を伝えるストーリーを手元に置いておくとか、あなたが「なぜ」仕事をしているかを思い出させる画像や引用句、ミッションステートメントを用意しておくといった単純なことでいいのです。
社会貢献へもモチベーションを保ちたいなら、あなたの使命をいくつも頭に入れておきましょう。
『元気は、ためられる』VOICE
本書の副題にはこう書いてある。
「人生にポジティブな充電をもたらすのは、他人の役に立つ生き方だった!」
ヴァージン・グループ創業者、リチャード・ブランソン氏は、こう語った。
「(成功の秘訣は)人を喜ばせたい、人の役に立ちたいという気持ちをいつも持つことです。 そして、それを仕事に反映させることです」
人の価値は、「どれほど人の役に立っているか」ということによって決まる、といっても過言ではない。
人の役に立たない生き方、すなわち「自分の損得のためだけに生きる」とか「自分さえよければいいという生き方」をしたときの人生の晩年は危い。
投げかけてきたものが返ってくるという。
自分のためだけに生きるという生き方を続ける(投げかける)なら、最後には声をかけてくれる人は誰もいなくなる。
自分の使命を思い出させるものに毎日触れていたい。 |
|