2017.7.19 |
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遺伝子は全体の2パーセントしか働いていない |
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筑波大学名誉教授、村上和雄氏の心に響く言葉より…
定年で会社を辞めたとき、「自分がいままで苦手で手を出せなかったものに挑戦する」と宣言して、絵とカラオケを習い始めた人がいました。
何しろ、自他ともに認める音痴で、絵の宿題は、全部絵のうまい兄弟に頼んでいた人です。
そのことを知る友人たちは、からかい半分で、その姿を見ていました。
「まあ、やってごらんなさい」といったところだったのでしょう。
ところが一年後、彼は、歌でも絵でも、決して上手とは言えないまでも、驚くほどの進歩を遂げ、周囲をびっくりさせたのでした。
こういうとき、人は「人の可能性は無限のもの」と思うのかもしれません。
しかし一方では、「カエルの子はカエル」で、それ以外のものにはなれないという事実もあります。
つまり、人の能力や可能性は無限ではないという考え方です。
確かに、遺伝子にかかれている情報には限りがありますから、そこに書かれている以上のことはできません。
こんなことを言うと、自分の気に食わないところを、親からの遺伝のせいにする人がいるかもしれません。
実際、「頭が悪いのは、お母さんのせいだ」「走るのが速いお父さんに似ればよかったのに、運動神経は、お母さんの遺伝子を受け継いでしまった」などと言った覚えのある人は、意外と多いのではないでしょうか。
しかし、そういうふうに考えるのは、とんだお門(かど)違いです。
人間の全DNAで常にたんぱく質をつくるために働いているのは、じつは2パーセント、多くても10パーセントにすぎません。
つまり、細胞の中の全DNAは、30億もの膨大な遺伝情報を持ちながら、そのほとんどはオンになっていないのです。
一方、大腸菌などの下等生物の場合は、オフ部分はきわめて少なく、ほとんど全開状態で活動しています。
一般的に、高等動物になるほど、オフ部分が増えます。
そういう意味で、人はもっともオフの部分が多い生物と言えます。
これは、言い換えるならば、それだけ未知なる可能性を秘めているということです。
これから、どんな可能性が花開くかわからないのですから、あることができなくても、けっして親のせいにして諦めてしまわないことです。
遺伝子は全体の2パーセント程度しか働いていないのですから、私たちが「こうだったらいいな」と思うことは、ほぼ可能性の範囲にあるはずなのです。
ということは、逆に言えば、思わなければ可能性は広がらないということです。
ライト兄弟が飛行機を発明できたのは、「空を飛びたいな」と思ったからです。
エジソンが電気をはじめ、いろいろな画期的な発明をしたのは、すべて「こいうものがあったらな」「こういうことができたらな」と思ったからです。
『そうだ! 絶対うまくいく! 幸せ遺伝子オンになる生き方 (PHP文庫)』PHP文庫
「私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ」
というトーマス・エジソンの言葉がある。
「絶対に無理」、「もうダメだ」と思ったらそこで全ては終わってしまう。
「できない、無理」と思ったそのときが「スタートのとき」。
そこからもう一回試してみる。
頭を柔らかくして、何か打つ手はあるはずだ、何か方法はあるに違いない、ともう一度チャレンジする。
「遺伝子は全体の2パーセントしか働いていない」
我々は無限の可能性を持っている。 |
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