2017.6.15 |
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全産業の“タテの壁”が溶ける時代 |
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堀江貴文氏の心に響く言葉より…
「多動力」とは何か。
それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。
しかし、「多動力」がある人は、次から次に、興味が移り変わってしまい、まったくもって落ち着きがない。
モノは忘れるし、なくすし、不注意で怪我だってする。
やるべきことをしていないのに、やりたいことばかりしてしまう。
たとえば、テスラ・モーターズCEOのイーロン・マスクは服を着られないらしい。
服を着ている間に、次にやりたいことを思いついてしまうから、ボタンを留めることができなのだ。
まるで3歳児がテレビやおもちゃなど目の前のことに夢中になってしまって、いつまでたっても服を着替えられないのと同じである。
この「多動力」。
かつては、マイナスでしかなかったかもしれない。
「多動力」を仕事に生かす場面は少なく、おかしな人だと思われていたはずである。
しかし、これからの時代は「多動力」こそがもっとも必要な能力だ。
東大在学中の1996年にオン・ザ・エッジを設立すると、僕はインターネットがもつ無限の可能性をたちまち体感した。
僕は、このときから、いずれはインターネットがすべての産業を横串で刺し、あらゆる仕事の基幹システムになるだろうなと確信した。
その理由は、インターネットというものが「水平分業型モデル」だからである。
「水平分業型」の反対は「垂直統合型モデル」で、その代表としては、テレビ業界がわかりやすい。
テレビ業界は各局が番組制作から電波の送信まであらゆるレイヤーの業務を垂直に統合している。
また、リモコンを見ればわかるように、限られたチャンネルによる寡占状態なのでイノベーションは起きにくい。
反対に、インターネットは「水平分業型モデル」だ。
電話もフェイスブックも、動画もゲームも電子書籍も、すべてスマホ上のアプリという一つのレイヤーの中に並べられる
そこには、2、3年でプレイヤーが入れ替わるような熾烈な競争がある。
グリーやモバゲーの勢いがあったのははるか昔のように感じられ、数年前には存在しなかったLINEやメルカリが生活の中心になり、1年後には、まったく新しいアプリが登場しているだろう。
インターネットの世界は、しかし、だからこそ改良が進み、消費者には常にベストなプロダクトやサービスが提供される。
そして、いよいよ僕が20年前に確信していたように、本来無縁そうに見えた産業にもインターネットが行きわたり始めている。
IOTという言葉を最近ニュースでもよく耳にすると思う。
これは、ありとあらゆる「モノ」がインターネットにつながっていくことを意味する。
調査会社ガートナーによると、2014年時点でネットにつながっているデバイスの数は38億個。
その数が2020年には200億個を超えると予想されている。
つまり、テレビなどの家電はもちろん、自動車も、家も、ありとあらゆる「モノ」がインターネットにつながるということだ。
すべての産業が「水平分業型モデル」となり、結果“タテの壁”が溶けていく。
たとえば、テレビとインターネットにつながると、テレビはスマホアプリの一つになり、電話やフェイスブックと同じレイヤーで競争することになる。
フジテレビのライバルは日本テレビではなく、恋人からのLINEになるのだ。
また自動車がインターネットにつながり、自動運転が進めば、もはや自動車の形である必要はなくて、ただの移動するイスになるかもしれない。
そのとき、自動車業界もインテリア業界もタテの壁はなくなる。
この、あらゆる産業のタテの壁が溶けていく、かつてない時代に求められるのは、各業界を軽やかに越えていく「越境者」だ。
そして、「越境者」に最も必要な能力が、次から次に自分が好きなことをハシゴしまくる「多動力」なのだ。
『多動力 (NewsPicks Book)』幻冬舎
多動とは普通、「じっとしていられない」とか、「集中力がない」とか、「考えずに行動してしまう」というような症状がみられる場合の発達障害のことをさす。
しかし、ここでの「多動力」とは、同時進行でいくつものことをこなす能力のことを言っている。
インターネットの時代は、全産業の“タテの壁”が溶けていく、と堀江氏は言う。
全産業が、インターネットを軸につながるからだ。
テレビを見る時に、リモコンでチャンネルを次々に切り替えて視聴することを「ザッピング」というが、まさに、あらゆる産業のザッピングが始まったのだ。
それは、自分の業界の将来の競争相手が誰か、まったく予測できなくなる時代。
さまざまな事に興味を持ち、行動し、越境し、好きなことをハシゴしまくることが必要な時代。
フレキシブルな多動力を身につけたい。 |
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