2017.6.13 |
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時代に乗り遅れないために |
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赤羽雄二氏の心に響く言葉より…
現在、AI(人工知能)や自動運転などの言葉を聞かない日はありません。
インターネットの普及以来、技術の発展が驚くほど加速してきました。
たとえば囲碁は非常に複雑な競技なので、AIが囲碁の世界のトップレベルの棋士に勝つのは、かなり先だと言われていました。
ところが昨年、グーグルの子会社、ディープマインド社が開発した「アルファ碁」が世界の囲碁界の最強棋士のひとり、イ・セドル9段に勝ってしまいました。
2012年から急速に研究が活発になったディープラーニング(深層学習)により、教え込まなくても、勝手に賢くなるシステムが普及し、AIのレベルが一気に上がったのです。
ディープラーニングにおいては、AIが膨大なデータから特徴を見つけ出し、情報をより深く伝達しながら学習を繰り返すことで急速にレベルアップしました。
プログラミングですら、人が書かなくても一部あるいは大部分をAIが進めてくれる時代が迫りつつあります。
人が構想をまとめれば、それに沿って自動に作業を進めてくれようになると期待しています。
自動運転にしても、ここにきて世界中で実証実験が行われるようになりました。
運転手のいないロボットタクシー、無人トラックが一般道路を走るのもそれほど遠いことではありません。
インターネットの事業機会をもっともうまく活かした、米国のフェイスブック、グーグル、アップル、アマゾンが4強と呼ばれ、全世界で圧倒的な力を発揮しています。
時価総額も40〜80兆円と日本企業の数十倍になり、次々に有力ベンチャーを買収してさらに競争力を上げています。
AIや自動運転への巨額投資も彼らの特徴で、日本企業が逆立ちしても追いつかない状態です。
自動運転の普及に伴い、車を買うよりも必要に応じて使えばいい、というシステムになっていきます。
自動運転になると、必要なとき、「運転手のいらないタクシー」、すなわち「ロボットタクシー」をさっと家の前に呼べるようになります。
移動先で駐車場を探す手間もいりません。
もちろん、車を保有する税金も必要ありません。
通勤や週末用に自動車を購入していた個人にとっては、その分費用が浮き、余裕が生まれます。
車が保有から利用される時代には、車を購入する人が大きく減ります。
トヨタ、ホンダなど、世界的な競争力を持つ国内自動車メーカーも、急速に業績が悪化する可能性があります。
自動車メーカーだけではなく、それらに大量の部品を提供している部品メーカー、あるいは組み立てメーカーの仕事も減っていくでしょう。
その結果、整備工場、自動車保険などの仕事も大幅に減っていきます。
電気自動車専業の米国のテスラモータースの販売台数が好調で、時価総額も5兆4000億円と、ビックスリーの一角を占めるフォードを抜いて、全米の自動車メーカー2位になりました。
勢いからいって、最大手GMを抜く可能性も出てきました。
EV(電気自動車)の最大の特徴は、ガソリン車と比べて部品点数がはるかに少なく、モーター、バッテリー、制御装置、タイヤなどの部品を購入すれば、技術力がそれほどなくても比較的簡単に製造できることです。
自動運転により事故がほぼ起きなくなるため、剛性の高いボディやシャーシが不要になります。
家電製品や携帯電話のほうが自動車より参入しやすいように、EVメーカーへの参入障壁はぐんと下がります。
その結果、トヨタ、ホンダなどは、競合が増えて業績が悪化する可能性が高いでしょう。
代わって経営力があり、センスの良いメーカーが多数登場するはずです。
今後10年間、ブロックチェーンが産業、企業、個人に大きな影響を与えていきます。
ブロックチェーンは、AI、ロボット、自動運転、ドローン、IOTなどを安心して動かすベースになります。
簡単に言うと、ブロックチェーンとは、インターネット上に構築される「改ざんの心配がほぼない分散型台帳」です。
ただのデータベースですが、参加者それぞれが同じデータベースを持ち、新しい取引の記録がどんどん足されていくので、誰かの悪意で書き換えたりすることができなくなっています。
お金の動きだけではなく、契約内容やそのほかの取り決めも合わせて、改ざん不可能な状態で記録するものです。
参加者がそれぞれ記録しますので、中央の組織がすべをコントロールする中央集権型から、フラットな分散自律型に変わると言われています。
また、どこかが攻撃されても多数のコピーがあるので、貴重なデータが失われる心配もないというのが最大の特徴です。
ブロックチェーンは、暗号通貨で有名なビットコインのベースでもあります。
こうした暗号通貨や金融だけではなく、ブロックチェーンは、あらゆる産業で有用であり、大きな影響を与えます。
世界を代表する政治家や実業家が討議するダボス会議では、今年、ブロックチェーンについての議論がメイントピックでした。
多数の世界的企業がブロックチェーンを本格的に取り入れようと、真剣な取り組みをしています。
『3年後に結果を出すための最速成長 (ベスト新書)』ベスト新書
赤羽雄二氏は本書の中でこう語る。
1.AI、ロボット、自動運転、EV、ドローン、IOT、ウェアラブル、ビッグデータ、医療、ブロックチェーンなどの技術の発展に伴い、今後少なくても10年以上、激動の時代が続く。企業は何とか生き残ろうとしますが、変化できない大企業、中小企業、ベンチャーは退場することになります。
2.今後、能力が高く貢献できる人は、年齢に関わらず活躍し続けることになる。
3.かなり多くの肉体労働や単純な事務作業は、10年もしないうちに減っていく。
4.人間でなければできない高度な判断業務、クリエイティブな仕事、接客などが、一番最後まで残る。それ以外の仕事は、技術の発展により減っていくでしょう。
つまり、仕事をしたくても仕事がなくなっていく、という状況が当分の間続くということ。
歴史上、何度も今が一番「激動の時代」と言われ続けてきた。
しかし、今度こそ、本当の意味での激動の時代がやってきた。
たった10年の間に、大半の職業が無くなる、などという事態は今までなかったからだ。
時代に乗り遅れないために…
時代の変化に対し、常にアンテナを立て、情報をとり続ける努力が今最も必要とされている。 |
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