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2017.6.12

相手と同じことをしようとした瞬間に負け


嶋田毅氏の心に響く言葉より…

《相手と同じことをしようとした瞬間に負け》

昨今のマーケティングの重要課題は、顧客の関心(アテンション)の奪い合いです。

経済が成熟化した結果、多数の商品が市場に溢れるようになってきたからです。

競合とは明確に違うことを行い、顧客に強く印象づけることが求められるのです。

スティーブ・ジョブズはこういいました。

「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ」

マーケティングでは、ポジショニング(差別化イメージ)が非常に重視され、近年特にその意味合いが大きくなってきていますが、その理由も結局は同じことです(なお、マーケティングでいうポジショニングは、戦略論のポジショニングとは意味が異なり、顧客の頭の中に、競合とは違う明確な差別化イメージを植えつけることです)。

ライバルとは異なる明確な差別化軸を打ち出し、成功した例にシルク・ドゥ・ソレイユがあります。

彼らは通常のサーカスとは一線を画し、動物を使った曲芸は行いません。

その代わりに、芸術性の高いパフォーマンスを全面に打ち出し、オペラやロックなども積極的に取り入れています。

それが彼らを唯一無二の存在にし、世界中で人気を博すことにつながっているのです。

この例からもわかるように、ターゲットとポジショニング、製品コンセプト、提供価値は表裏一体のものであり、密接に連関していることが必要条件です。

逆にいえば、これらがバラバラだと、顧客も混乱し、その製品が市場で地位を築くことはできません。

想定顧客を明確にイメージした上で、彼らの頭の中に強烈な差別化イメージを作ることが大事です。

『MBA100の基本』東洋経済新報社


「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?

そう思った時点で君の負けだ」

の後に、スティーブ・ジョブズはこう続けた。

「ライバルが何をしようと関係ない。

その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ」

いかなるときも、同じ土俵の上に乗ってはダメ。

同じ土俵に乗った途端、力と力の勝負、血で血を洗う壮絶な消耗戦に突入するからだ。

しかし、戦うフィールド(土俵)が違えば、勝負にならないし、戦いにもならない。

そのためには、相手が何を望んでいるのかを知ること。

全てのビジネスの基本はそこにある。

「相手と同じことをしようとした瞬間に負け」

戦わずして勝つ方法を見つけたい。


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