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2017.3.8

落語を識っていると、逆境になった時に救われる


立川談志師の心に響く言葉より…

■修業とは矛盾に耐えることを覚えることといっていい。

■前座という修業期間には徒弟制度という矛盾に耐える稽古を積んできた者の方が、人間的な幅がつく。

ところが下手をすると、この形式に耐えてきたというだけで威張る者も出てくる。

■矛盾というか、いいたいこともいえないし、自分の意見や主張がまるでいえない状態に耐えてきた人の方が、後になって、後輩に対して思いやりがあるようになるもので、ストレートに育ってきた者より、はるかに理解力がある。

■人間は小義にこだわるものである。

落語のなかには、人生のありとあらゆる失敗と恥ずかしさのパターンが入っている。

落語を識(し)っていると、逆境になった時に救われる。

すくなくとも、そのことを思いつめて死を選ぶことにはなるまい、と私は思っている。

■「昔はそうではなかったよ、手紙なんぞは自分で書くものだよ」

「梅干しは自分で漬けたよ」

などという。

これを一般的には、「年寄の愚痴」というのだが、その愚痴はとっても大事なんだ。

■誰やらか、「日本人には宗教は無いのではないか」といい、また多神教であり、その時その時で神様を変えるし、日々頼んで駄目だと、“神も仏もないもんだ”と捨っ鉢になる、といった。

けどネ、日本人の何処かに「今日様(こんにちさま)」というのがあり、「お天道様は見通しだ」であり、桂文楽は何かてえと“天が許しません”といったっけ…。

いい言葉である。

■何が世の中不況だ!

何が失業率だ。

甘ったれるな。

少なくとも、日本の失業者のほうが中国の労働者より数百倍良い暮らしをしているはずだ。

失業、失業ったって、手前(てめえ)の好きな職業に就けないか、あるいは、労働条件が気に入らないだけのことで、仕事の中身について、ぐずぐず言わなきゃこの日本、仕事なんざァいくらでもある。

何処にでもある。

■二世が悪いって?

早い話が嫉妬だろう

■ふざけてでもいなきゃ、この世の中暮らせねえよ。

『談志の遺言』宝島社


立川談志は1936年に生まれ、16歳で5代目柳家小さんに入門した。

27歳で真打に昇進し、7代目立川談志を襲名する。

1971年参議院議員選挙に出馬し、当選。

83年に真打制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。

落語立川流を創設し、家元となる。

2011年、享年75歳で逝去。

まさに波乱万丈の生涯だった。

辛口でいながらずばりと本質をつくような言葉の数々。

落語家の枠に収まり切れない、一種の狂気のある落語家だった。

「落語を識っていると、逆境になった時に救われる」

たまには落語をしみじみ聞いてみたい。


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