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2017.2.20

立場や肩書で相手を見る人


精神科医、斎藤茂太氏の心に響く言葉より…

《立場や肩書で相手を見る人を、「損な人」という》

人の「第一印象」は、その人物の姿形よりも、最初に発するひと言ふた言に左右されます。

いかつい体で無骨な顔の相手が丁寧に挨拶をし、腰を低くして接してくれれば、外見にかかわらず好印象を持たれることは間違いありません。

ところが、「ああ、この人は損をしているな」と思う人がいます。

それは初対面のとき、自分の立場と相手の立場、同じく肩書などですぐに対応の態度を決めてしまう人です。

特に自分のほうが立場が上だと判断したようなときには、不遜(ふそん)な口のきき方をし、人を見下したような態度を、あからさまではないにしろ、相手にわかるように示す。

そんな人です。

そういう人に限って、徐々にそれがエスカレートして、別れ際には、相手に上下関係を強く印象づけようとします。

私のような年齢になると、その底意が見えて、「損な人」だなと思うと同時に、ある種の哀(あわ)れみさえ感じてしまいます。

人間は少しでも人より高みに立ちたいものです。

でも本来、その高低、上下は長年にわたる関係で構築され、第三者の目から見ても、なるほどと納得されるものでなくてはなりません。

はじめから立場や肩書きで相手を侮ると、意外なことから恥をかくことになるものです。

初対面の相手がどういう人であれ、言葉づかいや態度が変わらないというのが望ましいわけですが、これはなかなか修養のいることです。

《初対面のとき、立場や肩書で対応の態度を決めてしまうと意外なことから恥をかくことになる》

『人生は曇りときどき晴れがちょうどいい』PHP


小林正観さんは、結婚してから3年以内に、「愛情以外の概念」をお互いに作ることができたら、何十年と長く続く夫婦になることができるという。

それが、お互いが「尊敬」し合うという概念。

「尊敬」とは、他人の人格や行為を尊いもの(すぐれたもの)と認め、頭を下げるような、また、ついて行きたいような気持になることを言う。

これは、夫婦だけでなく、すべての人間関係でも同じことが言える。

尊敬の反対語は「軽蔑(けいべつ)」とか「侮蔑(ぶべつ)」だが、相手をばかにしたり、さげすんだりすることをいう。

自分の方が偉いと思ってしゃべる人は、相手をさげすんで見ている。

「立場や肩書で相手を見る人」

誰に対しても偉そうにしない人でありたい。


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