2016.12.22 |
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あたかも実現したかのようにふるまう |
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スティーヴ・チャンドラー氏の心に響く言葉より…
私はアーノルド・ シュワルツェネッガーとランチをともにしたことがある。
あれは1976年のことで、 シュワルツェネッガーはまだ無名だった。
当時の私は、地元紙『ツーソン・シティズン』 でスポーツコラムを書いていた。
シュワルツェネッガーに1日密着し、 日曜版に彼の紹介記事を書く。
それが私の仕事だった。
私も、彼のことはまったく知らなかった。
取材を引き受けたのは、仕事だからだ。
気乗りのしない取材だったが、 終わってみれば生涯忘れられない体験になった。
ランチの時間も彼と同席した私は、何気なくこんな質問をした。
「ボディビルの世界は引退したわけですが、 次の目標は何でしょう?」
シュワルツェネッガーは、落ち着き払った声で淡々と答えた。
「ハリウッドで、もっとも稼ぐスターになるつもりです」
私は、あからさまに驚いた顔はしないように努力した。
もちろん内心は驚いたし、おかしくもあった。
だいたい彼が初めて出演した映画は興行的には大失敗だったのだ。
彼の言葉にはきついオーストリア訛りがあるし、それにあのボディビルダーの筋肉だ。
彼は、ハリウッドスターのイメージにはほど遠かった。
私はなんとか落ち着きを装うと、今度はこう質問した。
「それでは、ハリウッドのトップスターになるための具体的な計画はありますか?」
「ボディビルの世界と同じですよ」と彼は説明した。
「まずは、なりたい自分のビジョンを描くこと。次はあたかもそれが実現したかのようにふるまえばいいだけです」
拍子抜けするほどシンプルな計画だ。
シンプルすぎて、意味などないようにも思えた。
しかし私は、その言葉をノートに書き留めた。
そして、ずっと忘れなかった。
のちにシュワルツェネッガーは、インタビューで言った目標を達成する。
『ターミネーター2』の大ヒットで、彼は世界でもっとも客を呼べるスターになったのだ。
テレビでそのニュースを聞いた瞬間のことを、私はずっと忘れないだろう。
あれ以来、私は「なりたい自分のビジョンを描く」という方法を、自分のやる気を高めるツールにしている。
さらに工夫を加え、企業セミナーでも活用してきた。
ポイントは“自分で描く”ということだ。
ビジョンは誰かから与えられるのを待つのではなく、自発的に作り出したものでなければならない。
ビジョンがある人生とは「毎朝、目覚める理由がある人生」とも言える。
ビジョンの力で、あなたは毎朝、前向きな気持ちを感じられるようになるのである。
なりたい自分のビジョンは、今すぐ作ることができる。
先延ばしにしてはいけない。
今すぐ作ってしまおう。
気に入らなければ、あとからいつでも変えることができる。
『自分を変える89の方法』ディスカヴァー
「アファメーション」という言葉がある。
自分に対して、肯定的な断言をすることだ。
自分への「宣言」とか、「誓いの言葉」でもある。
普通は、「こうなったらいいな」と思うだけだが、それを「○○になりました!」と断言し、繰り返すことで、潜在意識に働きかける。
そうすることで、その未来が引き寄せられるという。
いつの時代も、生き残る人は、未来から選ばれた人たちだ。
だからこそ、逆に言うなら、未来を引き寄せることが必要となってくる。
「あたかも実現したかのようにふるまう」
未来から選ばれる人でありたい。 |
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