2016.11.29 |
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古今亭志ん生の言葉 |
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古今亭志ん生の心に響く言葉より…
《貧乏はするもんじゃねえ。 味わうもんだ…》 (古今亭志ん生・落語家)
「昭和の大名人」と称される名落語家、五代目古今亭志ん生。
ディティールにかまわない落語のスタイルで、同じ噺でも日によって長さはバラバラ、途中から別の噺に変わることさえあったが、その場に合わせる巧みな話術で、客を引きつけた。
あるとき高座で寝てしまったこともあり、それを見た客が「寝かしてやれ」とそのままにしておいたのは、伝説として語り継がれている。
破天荒なのは高座だけではなかった。
酒を愛した古今亭志ん生は、関東大震災が起きると真っ先に酒屋に走り、空襲が来たときも「どうせ死ぬなら」とビールを飲み、酔っ払って寝ていた。
ウォッカを6本飲み干し、意識不明になったこともある。
その放蕩ぶりは激しく、また戦後になって売れ始めるまで、極貧時代を過ごしていた。
16回も改名したのも、借金取りから逃れるためだったという。
『びんぼう自慢』という著作まである名人のこの一言。
重みが違う。
『人生を奮い立たせるアウトロー100の言葉』(山口智司)彩図社
なんとも人を食ったような志ん生師匠の言葉だ。
「味わう」とは、物事の、おもしろみや、おかしさや、情緒、風情を、しみじみと感じ取ること。
本来なら、悲惨で辛いことを、少し視点を変えて、「味わう」。
そこに、なんとも言えない情味がある。
つまり、粋な大人が発する言葉。
粋(いき)には、「意気地」という意味がある。
「意気地」とは、面目や自分の意思を通すという気構えのことをいう。
その反対が、「意気地(いくじ)なし」。
貧乏をむしろ楽しんでしまう。
「それ(貧乏)がどうした」、というちょっとした反骨の気構えだ。
貧乏も、病気も、倒産も、諸々の失敗も、苦労も、それを味わってしまう。
粋な大人になりたい。 |
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