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2016.11.20

お互いに敬意を持って接する

植西聡氏の心に響く言葉より…

アメリカの一流の哲学者であり、教育家でもあるジョン・デューイ教授は、「人間のもつ最も根強い衝動は『重要な人物でありたい』という欲求である」といっています。

アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームスもまた、「人間のもつ性質で最も強いのは、他人に認められることを渇望する気持ちである」といっています。

同じくアメリカ人で人生の師と仰がれたディール・カーネギーは、「人間の欲求の中で、人から重要な存在だと思われたい欲求が一番強い」といっています。

つまり、三人とも「自分が偉いと思われたい」「自分は人より優れていたい」「自分は人から重要な存在であると思われたい」という、いわゆる「自己重要感の欲求」が一番強いものだといっているのです。

人間は、この欲求を満たすためには、何でもやってしまうようです。

そして、この欲求は死にたくない欲求よりも、お金が欲しいという欲求よりも、強いということが事実を通して見えてきます。

こんな話があります。

ある大企業の第一線で活躍していた部長が、定年後も嘱託扱いで会社に残ることになりました。

しかし、仕事はほとんどありませんでした。

つまり、彼の存在感はまるでなく、いてもいなくてもいい状態にあったのです。

結局、彼はそれから三か月後に退職しました。

給料は十分だされていたのにです。

仕事のない彼は、元の部下の視線に耐えられなかったのでしょう。

彼の自己重要感は、完全にスポイルされた状態にあったのです。

有名な忠臣蔵の話を思い出してみてください。

浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)は殿中で刀を抜いたら、お家断絶、自分は切腹ということは十分わかっていたはずです。

それでも吉良上野介(きらこうずけのすけ)からバカにされたことに我慢できなかったのでしょう。

自分の死やお家断絶よりも自己重要感のほうが強かったのです。

私たちの自己重要感の欲求というのは、死よりもお金よりも強いことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

逆に考えれば、相手の自己重要感を高めてあげれば、どんな人間関係もうまくいくのは間違いありません。

人間関係で悩んでいる人こそ、この自己重要感の原理を知れば、どんな人間関係もうまくこなすことができるのです。

『なぜか「運」をつかむ人 逃がす人』


人の自己重要感を高めることがいかに大切か。

例えば、人の話をちゃんと聞く、というのも相手の自己重要感を高めること。

ときには、自慢話や成功談もたっぷり聞く。

いい車に乗りたいとか、高価なブランドバッグや時計を持つのも自己重要感を高めたい表れ。

だから、そのことで冗談をいったり、けなしてはいけない。

大事なことは、人を立てること。

人を立てるとは、人を自分より上位に置いて尊重すること。

そして、自分は一歩下がる。

目上の人や、先輩はもちろんのこと、夫婦なら夫や妻を、後輩に対しても…

つまり、お互いに敬意を持って接すること。

敬意を持って接すれば、人の自己重要感を高めることができる。



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